第4話 スーパー
「美咲さんもスーパーですか?」
「そうなの。丁度今仕事帰りでね」
「それはおつかれさまです。」
「ふふ、ありがとう」
笑った美咲さんはマスク越しで見ても可愛かった。アイドルにいてもおかしくないくらい可愛い人だ。
「じゃあ俺買い物してきますね。」
「私も行くわ」
そうして何故か2人でスーパーによることになった。
「凛太郎君って料理とかするの?」
「俺は全くしないですね。」
「え、じゃあいつも何食べてるの?」
「お米は炊いてそれにふりかけとかあとカップラーメンの時もあります。」
不器用で料理は全く出来ないからカップラーメンになるのは仕方の無いことなのだ。
「もし良かったら私の余りあげようか?」
「え?いいんですか?」
美咲さんの手料理?こんなに可愛い人の手料理が食べれるなんて嬉しいけど申し訳ないな。
「やっぱり申し訳ないんで大丈夫です」
「気にしないで、いっつも作りすぎて余っちゃうから」
「じゃあお言葉に甘えてもいいですか?」
「お姉さんに甘えなさい」
俺はせめて材料費は出させてくださいと言い美咲さんは最初は断っていたがしつこく頼み割り勘にすることになった。
「美咲さんすいません。わざわざ作ってもらうなんて」
「だからいいって言ってるでしょ!次言ったら作らないからね」
「もう言わないです」
「それでよし」
そんなこんなでスーパーで買い物は終わった。
俺は帰宅中に美咲さんに色々質問した。
「失礼ですけど美咲さんっておいくつですか?」
俺は失礼を承知で聞いてみた。
「まだ20歳だよ」
「めっちゃ若い!」
大人びているから24か5くらいだと思ってた。
「何?老けてるって言いたいの?」
「そんなんじゃないですよ。大人びていたんで、俺と4歳しか違わないのに」
「まぁそんなもんよ、ふん。」
美咲さんは豊かな胸を張って自信満々にそう言ってきた。
「美咲さんって仕事何されてるんですか?」
「私はまだ秘密」
「まだ秘密ってことはいつかは教えてくれるんですよね?」
「さぁ?どうだろうねー」
美咲さんは俺が4歳下だと知ってからからかってくるようになった。
「ちょっとからかってます?」
「そんなことないよ!ちょっとからかってるだけ」
「からかってるじゃないですか」
「ふふふ、凛太郎君面白い。仕事の疲れも吹き飛ぶわ」
そう言って笑った美咲さんは夜の暗闇の中で月に照らされいつもの可愛いではなく美しく見えた。
「ふーやっと着いたね。ん?凛太郎君?」
俺は美咲さんに見惚れて返事を忘れてしまっていた。
「そうですね、今日も疲れましたねー」
「早くお風呂入って寝ましょ」
そう言って美咲さんは部屋の前に来て鍵を取りだした。
「じゃあ凛太郎君またね。今日は楽しかったわ。たまにからかいに行くね」
「大丈夫です。それじゃ仕事お疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね」
「ありがとう、じゃあまたね」
「はい!」
俺と美咲さんはそれぞれ部屋に入っていった。
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