23.ガチャの結果

Aランク

  ・ダウジングクリスタル


Bランク

  ・ミスリルインゴット

  ・武芸十八般槍術の書

  ・日本産フルーツの苗木セット

  ・マクベイン流細剣術指南書

  ・15.6インチスタンダードノートパソコン

  ・中国産ホワイトカシミヤ


Cランク

  ・米1俵×2

  ・ルミネス王国金貨10枚

  ・子供用勉強机

  ・三重県産生牡蠣10キロ

  ・魔法使い風三角帽

  ・黄銅鉱インゴット

  ・下級回復薬

  ・扇風機

  ・賞味期限切れそうめん1キロ

  ・じゃがいも20キロ

  ・タバコ臭い漫画本1万冊

  ・黒豚ベーコン1キロ×2

  ~以下略~


 66回にわたるガチャの結果、なんとAランクのアイテムが自然排出した。

 しかしバ〇ットを超える武器は出なかったので微妙な結果と言える。

 今回はCランクの中にもタバコ臭い漫画とか賞味期限切れのそうめんとか嫌がらせのようなアイテムも多く、個人的にはAランクアイテムが自然排出した揺り返しだと思っている。

 運というのは最終的に収束するらしいが、ばらつきがあるのが当然だ。

 だからこそいいことがあれば同じだけの悪いこともある。

 だがそれも心の持ちよう次第ではどうとでもなることだ。

 賞味期限が切れていようがそうめんは美味いし、タバコの臭いを我慢すれば漫画1万冊は嬉しい。

 それに他にもじゃがいもやベーコンなどの食べたかったものが手に入った。

 このガチャの結果には概ね満足している。

 とりあえずAランクとBランクのアイテムだけでも鑑定しておこう。


名 称:ダウジングクリスタル

ランク:A

詳 細:霊験あらたかな水晶の力によって、持ち主の望むものがどこにあるのか占うことができる。


名 称:ミスリルインゴット

ランク:B

詳 細:希少金属ミスリルをインゴット状にしたもの。軽くて硬く、魔力を通しやすい性質を持つ。魔道具や武器、防具から装飾品まで何に加工しても一級品となる。


名 称:武芸十八般槍術の書

ランク:B

詳 細:南北朝時代の武将、中条長秀が記したとされる槍術に関する書物。読めば読むほど強くなれる気がする。


名 称:日本産フルーツの苗木セット

ランク:B

詳 細:シャインマスカット、サンふじ、紅まどんな、太陽のたまご、蟠桃、幸水の6種類各10本ずつの苗木セット。最近海外への持ち出しが増えているが、異世界への持ち出しは歴史上初めてとなる。


名 称:マクベイン流細剣術指南書

ランク:B

詳 細:ヨーロッパ最強の剣士として名高いドナルド・マクベインの細剣術の極意を記した本。これを読めばあなたも明日から最強の剣士になれるかも。


名 称:15.6インチスタンダードノートパソコン

ランク:B

詳 細:ウィ〇ドウズ11搭載、CPUコアi7、メモリ8ギガ、SSD256ギガ、wifi、ブルートゥース、光学ドライブ搭載。遊びに仕事に、様々なシーンで活躍できる標準型ノートパソコン。


名 称:中国産ホワイトカシミヤ

ランク:B

詳 細:中華人民共和国内モンゴル自治区で育てられたカシミヤ山羊の毛で織られた最高級毛織物。温かく滑らかな極上の肌触りの逸品。


 やはりAランクのアイテムは格が違う印象を受ける。

 L字の針金や水晶をぶら下げた鎖などによって水脈や鉱脈などを探すダウジングはひろしの世界では少しスピリチュアルで信憑性の低い探査方法だったが、それはただ本物の霊験あらたかな水晶を持っている人が少なかったからに違いない。

 ガチャアイテムのレアリティは怪しいスピリチュアル雑誌とは違って信頼性が高いのだ。

 Bランクのアイテムもどれも素晴らしい物ばかりだ。

 ミスリルのインゴットは武器を作れば銃よりも魔物に対して有効なものになる可能性もあるし、武芸十八般槍術の書やマクベイン流細剣術指南書は今まで練習してこなかった近接戦闘の助けになることだろう。

 書を記した中条長秀やドナルド・マクベインという人物に関しては残念ながらひろしも知らなかったが、きっと後世にも名が残る素晴らしい人物だったに違いない。

 フルーツの苗木はどれもひろしの国で育てられている美味しいフルーツのようだが、美味しい果物というのは得てして育て方が難しかったりするものだ。

 いくらひろしの実家が農家だったからといって、ひろし自身は実家を出て本州へと就職した薄情者であり農業はほぼ素人だった。

 うまく育てられる自信は無いが、何度か失敗することを覚悟して魔王城に家庭菜園を追加してみるとしよう。

 魔王城をカプセルに戻したときに土ごと持ち運べるかどうかはわからないのでやってみないとなんとも言えないが。

 あとはカシミヤとパソコンか。

 カシミヤはちょっといい生地すぎてこんなサイズの変わりやすい成長期の服を仕立てるのはもったいない。

 ある程度成長してサイズが変わらなくなったらいい感じのコートを仕立てよう。

 パリコレに出ても恥ずかしくないくらいに洋裁の腕も磨いておかなければ。

 最後にパソコンだが、一応使い道はある。

 魔王城は私の中のひろしの記憶をもとに最適化されているため、電源タップを追加することもできるのだ。

 さすがにネットは繋がらないが、ガチャで出たDVDを見たりプリインストールのゲームをやったりすることはできる。

 OSや搭載メモリを見る限りひろしの生きていた時代よりも幾分か新しい時代のパソコンのようだし、ちょっとだけ私に扱えるのか不安だ。 

 だが娯楽の無いこの生活に一滴のうるおいをもたらしてくれる存在には違いない。

 ひろしの世界においてコンピュータほどなんでもできる道具を私は知らない。

 20万円も出せば誰でも最新式のいいマシンが買えるのでひろしの世界の人たちはこれがとてもすごいアイテムなんだということを忘れがちだが、パソコンは他のBランクアイテムにも全く劣らないアイテムである。

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