第78話 臨時営業 中洲のお宿
クロエ「ヘイヘイ彼女たち~、あそこのお店でお泊りしてかな~い?」
全身真っ黒の衣装に身を包んだクロちゃんが、採取者さんをナンパする画が遠くで繰り広げられています
ケイト「皆さま~、1泊2食付きで、小銀貨5枚ですよ~」
ケイト「甘いモノもご用意しておりま~す」
プリシラ「お遊戯も楽しめますわ~」
プリシラ「女性だけの安心のお宿ですわ~」
同様の光景が合計3か所で繰り広げられています
ちなみにケイちゃんは鶯色で、プリさまのお洋服はグレーです
お姉ちゃんズ3人には、ワタシから支給した制服的なモノを着てもらっています
(普通の制服じゃあ、面白くないですよね~?)
ということで、ワタシがチョイスした制服用のお洋服はこちら
まずはクロちゃんから、
【詰襟学生服 微短ラン 黒色 Lサイズ 8,800円】
【学生服ズボン 微ボンタン 黒色 2,980円】
これはアレです。中学生の時、お小遣いで自分で購入したヤツです
ちょっと不良っぽいものにあこがれる中二の春
親に買ってもらった学ランではなめられるとばかりに、
そういった専門店へと友人と共に買いに行ったヤツです
でも校則違反で取り上げられてはアレなので、
校則スレスレをついた、ちょっとだけ普通じゃない感じになるヤツです
その専門店には、ホンモノさんたちが多数たむろっていて、
ドキドキしながら買い物したものです
(あの頃は、ちょっとした不良ブームだったんですよね~)
(ネコちゃんに不良コスプレさせたのも流行ったし)
ん?
なめんなよ?
続いてケイちゃんは、和装な感じでコレ
【作務衣上下セット 鶯色 Lサイズ 9,980円】
【手ぬぐい 1,980円】 頭に装備(けんか巻き)用
これはアレです。部屋着用に買ったヤツです
ちょっと厚手の麻製で、少しゆったり目の着心地です
これを着て、手ぬぐいをけんか巻きにすれば、
なかなかいい感じの男装になるのではないでしょうか
(でも女の子がすると、逆に可愛くなっちゃうかも?)
そして最後プリさまは、いろいろバリエーションを変えられるコレ
【ビジネススーツ グレー Lサイズ 29,800円】
【Yシャツ 形態安定 白色 Lサイズ 3,980円】
【ネクタイ 赤色 2,480円】
これはアレです。サラリーマン御用達、ワタシのいつもの仕事着です
まあ、普通のスーツなのですが・・・
でも着崩したりすれば、かなりいろいろ楽しめると思います
(ネクタイは数種類用意しましょう、そうしましょう)
という感じで、お店の制服という名の男装コスプレなのです
そしてなぜ、こんなこと(ナンパチックな勧誘)をしているかというと、
ワタシたちの今後の戦略会議(写真館に決定!)が終わったところで、
外でバドミントンをしていた採取者さんたちが声をかけてきたことからはじまりました
アレッタ「なあ、あんたたち、ちょっといいかい?」
「ん? なんでしょう?」
アレッタ「ここは、この建物は、宿泊はできないのかい?」
「宿泊です?」
アレッタ「ああ。もうすぐ夕暮れだろ?」
採取者さんA「この建物、結構大きいから、宿泊できないのかな~って」
採取者さんB「今から対岸へ帰っても、女性向けの宿はいっぱいでしょうから・・・」
どうやら採取者さんたちはワタシのお家にお泊りしたいご様子です
(う~ん、1階の3部屋が未使用だから、そこを使えば宿泊可能ですけど・・・)
とりあえず、みんなの意見を聞いてみましょう
「ジェニー姐さん、今から、お宿を営業してもイイです?」
ジェニー「ん? ごめんなさい、ぱそこんに集中していて聞いていなかったわ」
ジェニー「お店のことはあの子たち3人と決めればいいと思うわよ?」
早くもジェニー姐さんはノートパソコンに夢中のご様子
自分で無茶ぶりしといてなんですが、凄い食いつきっぷりです
(まあ、ジェニー姐さんには重大な使命がありますもんね)
(ここはお姉ちゃんズ3人に聞いてみましょう)
ということで、お姉ちゃんズ3人に振ってみます
「お姉ちゃんたち、今から、臨時のお宿をやってみませんです?」
お姉ちゃんズ「「「お宿?」」」
「ですです」
「町で商売をやる前に、予行演習的な? そんな乗りですけどね?」
クロエ「やるやる~、おもしろそ~」
ケイト「やってみたいです」
プリシラ「事前に体験するのは良い事ですわね」
「じゃあ、やっちゃいましょ~」
「まずはみんなに制服を配りますから、着替えてくださいね~」
「そして、ジャンジャン客引きするのですよ~」
という感じではじまったのでした
どうせだから面白い制服で、ということでお姉ちゃんズ3人を男装させ、
それならばと、ちょっとナンパ気味に客引きをしてもらっているのです
そして意外なことに、効果は上々
もうすぐ夕暮れという時間帯になっているのですが、
ワタシのお家の1階のテラススペースはお客さんで埋まっています
みなさんご宿泊決定のようで、お金も払ってくれました
(ありゃ、1、2、・・・12人? 予想外に大入りですね~)
(お金をもらった以上、ちゃんとオモテナシしないとですね)
ということで、
【アルミ製ガーデンテーブルセット 丸机1脚 椅子4脚】
を急遽3セット追加し、合計5セット
みなさんがゆとりを持って座れるようにします
そして、夕暮れ時には夕食をとるこの辺りの風習にならい、
早めにお夕飯を準備するワタシです
まずはメイン
【学食カレーライス テイクアウト用 普通盛 190円】 紙皿&プラスチックスプーンで提供です
または、
【学食ハヤシライス テイクアウト用 普通盛 230円】 紙皿&プラスチックスプーンで提供です
どちらかを選んでもらいます
そして副菜惣菜は、
【浜松ぎょうざ 6個入り 87円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
または、
【ジューシーメンチカツ 2個入り 68円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
または、
【鶏の唐揚げ 6個入り 98円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
または、
【サーモンフライ タルタルソース 4切れ 105円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
この4つのうち、2つを選んでもらいます
あとは、お野菜
【サラダセット ポテサラ キャベツ トマト等 120円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
デザートは、
【旦那ほっぺがよろこぶ牛乳プリン 77円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
これはアレです。地元のスーパーでコッソリ売られている、知る人ぞ知る的なヤツです
牛乳が有名な地域の名を冠した、ミルクの風味が新鮮でつるんとしているヤツです
(酪農が有名なんですよね~、ココ)
(ミルクアイスとか、チーズとかのお土産もあったよね、たしか)
(でも、地震が一番有名かも? 教科書に載るぐらいだったし)
ん?
旦那断層?
大食いの人のために追加で、
【菓子パン のっぽっぽ クリーム 77円】 いつものスーパーの閉店間際の安売り品です
これはアレです。地元では子供のおやつとしてよく食されているヤツです
長さが34センチもある細長いコッペパンにクリームが挟んであって、食べ応え十分なヤツです
(このパン、地元の公園にいたキリンさんの絵が描いてあるんですよね~)
(たしか、市営の公園だったかな?)
(でもあの公園って、恋人同士で行くと別れるってジンクスがあって・・・)
(家族連ればっかりで、若いカップルはほとんど見かけないんですよね~、あそこ)
ん?
楽〇園?
最後にお飲み物です
【いろいろ無添加のペットボトルワイン 720ml 499円】 紙コップで提供です
【強炭酸水レモン 1000ml 63円】 紙コップで提供です
【昼の紅茶 無糖 500ml 58円】 紙コップで提供です
【お野菜フルーツミックス 900ml 78円】 紙コップで提供です
この4つのうち、2つを選んでもらいます
こんな感じにしてみました
(利益重視で、お安いモノばかりですけど・・・)
アレッタ「へぇー。いい匂いだねー」
「でしょでしょ?」
「メインはカレーライスかハヤシライス、どっちにします?」
アレッタ「どっちも美味そうじゃないか、選べないよ~」
「辛いのが好きならカレー、そうじゃないならハヤシライスを選ぶといいですよ?」
アレッタ「りょ、両方は?」
「それはダメです。別料金です」
アレッタ「それじゃあ、刺激的な香りのするカレーライスにするよ」
「わかりましたです」
「他のみなさんも、選んでくださいね~」
そんな感じで、お客さんのお夕飯がスタートしました
お客さんA「うんまっ。これ、ホント美味い」
お客さんB「こんな透き通った味のワインなんて、はじめてだわ~」
お客さんC「このワインだけで、宿泊料の元がとれたかもね」
どうやらお飲み物として提供しているワインが絶賛されているようです
(この辺りのワイン、どんだけ不味いんでしょうね~)
そんなことを考えながら、お客さんで埋まっているテラススペースを見渡します
お姉ちゃんズ3人は、お客さんにお飲み物のサーブをしたりして、くるくるとお忙しそうです
でもその表情は笑顔
(楽しそうで何よりですね~)
すると、お姉ちゃんズ3人がワタシに近づいてきました
プリシラ「ねえお嬢、姿絵を、シャシン? を撮りたいですわ」
「写真です?」
プリシラ「ええ。みなさんに思い出を残してほしいの」
「う~ん、いいですけど、条件があるのです」
プリシラ「条件ですの?」
「ハイです」
「写真にはお金がかかるのです」
「なので有料、料金を取ってくださいです」
プリシラ「ですわよね~」
「だから、撮影するのはお金を出せる希望者だけにしてくださいね?」
プリシラ「いくらもらえばいいんですの?」
「う~ん、そこが難しいんですよね~」
「面倒だから扱う通貨は小銀貨に統一したいんですけど~」
「写真だけで小銀貨1枚は、ちょっともらい過ぎかな~」
クロエ「だったら、ワインとかデザートとか、別のモノもつけたら?」
ケイト「追加で何か食べたい人も、それなら満足できますね」
「それじゃあ、その辺のやりくりは、お姉ちゃんたちにお任せしますね?」
お姉ちゃんズ「「「了解(ですわ)」」」
という訳で、とりあえず、
【チェケラ! スクエア フィルム 30枚セット 3,099円】
を追加購入して、
プリさまに
【インスタントカメラ チェケラ! スクエア】
を渡し、使い方をレクチャーします
「あとは3人でヨローなのです!」
お姉ちゃんズ「「「まかせて!」」」
そんな感じで営業の細かいことはお姉ちゃんズ3人に丸投げなワタシ
ワタシはあくまで裏方。表立ったお仕事はお姉ちゃんたちにお任せなのです
しばらくすると、各テーブルに営業を始めたお姉ちゃんズ3人
プリシラ「今日の記念に、瞬時に描かれる極彩色の姿絵、シャシンはいかがですか~?」
クロエ「見て見て、昼間撮ったアタイのシャシン、綺麗でしょ?」
ケイト「夕食のメニューどれか2つとシャシン1枚で、小銀貨1枚で~す」
ケイト「ぜひご注文くださ~い」
アレッタ「ウチは頼むよ。そのシャシンっていう姿絵も気になるし、追加でハヤシライスも食べたいし!」
採取者さんD「プリンとワインを追加でお願い!」
採取者さんE「ワイン! 私もワインを追加で!」
採取者さんF「姿絵は黒服の店員さんと一緒でお願い!」
採取者さんG「私は、このテーブルの仲間全員と一緒の姿絵にして!」
早速、イイ感じでご注文が入っている模様です
しかも、一部、男装女子とのツーショットをご希望のお客さんもいるみたいです
(うふふっ。コスプレ喫茶的なノリはどこでもウケるのかもしれませんね~)
そんな感じで、急遽開店した中洲のお宿は絶好調
女性の採取者さんばかりの夕餉は、時折聞こえるシャッター音と共に、賑やかに過ぎていくのでした
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