第20話 さらに情報収集
「ところでよ、スキニー嬢ちゃんは何の獣人だ?」
「へ?」
「その耳、獣人だろ? 獣人ってのは、その種族によって、能力とかいろいろ違うんだろ?」
「へぇーそうなんですか?」
「なんだ? そっち系も、なにも知らねぇ感じか?」
「ですです」
そんな感じで、今度は種族についても講義してもらうことに
ザックさんから聞いた話をまとめると
人族は平均的な能力で、魔法、身体能力共に平均的に上達するが、至って平凡
特徴としてはコモンマジックをほぼ全員使えること
コモンマジックには、
灯(トーチ)、
着火(イグニス)、
給水(ウォーター)、
洗浄(ウォッシュ)、
時報(クロック)
などがあり、
人によって得意、不得意や、使える、使えないがあるらしい
人族の中でも特に魔法が得意な人は、いわゆる属性魔法と呼ばれる威力の大きな魔法が使える者も少数だがいるという
(人族は魔法で結構なことができてしまうんですね? これじゃ、科学技術は発展しないよね、きっと)
妖精族にはエルフやドワーフ、ノームなどの種族が存在し、種族ごとその特徴が異なる
エルフは精霊魔法が使え
ドワーフは錬成魔法が得意らしい
ノームは大地魔法を自在に操るという
見た目が二足歩行の大きな猫、モフモフでケモノ感丸出しであるケットシーも妖精族になるらしい
(大きな猫のぬいぐるみが二足で歩いているなんて、カワイイんだろうな~、きっと)
自然とニヤケ顔になってしまう、ネコ好きのワタシ
獣人族も多数の種族が存在し、種族ごとその特徴が異なる
見た目はほとんど人族と変わらず、耳や尻尾にケモノ感が出る程度の違いらしい
魔法よりも身体能力向上に適性があり、筋力特化、速力特化、臭覚特化等、色々特徴があるらしい
残念ながら、見た目がまんまモフモフした動物、そんな獣人族はいないらしい
(動くぬいぐるみ系の獣人さんはいないのか~、ちょっと、いや、かなり残念かも・・・)
(期待していたんだけどな・・・)
モフモフでぷりちーな動物が大好きなワタシ
獣人のお話を聞いたとき、実は密かに、いや、かなり楽しみにしていたのだ
(むむぅ~、こうなれば、ケットシー族に会いに行くぞい!)
カワイイものが可愛く動くさまを見ていたい
そんな願望が芽生えたワタシでした
いろいろな種族が存在するが、ほとんどの地域でみんな仲良し
種族間の争いというものはほとんどないらしい
一部の宗教で、人間至上主義やエルフ至上主義を掲げる者もいるようだが、過激なのはごく一部とのこと
(そのごく一部が問題起こすんだろうな~、きっと)
そんな感想を抱きつつ、ワタシのことを考えてみる
ワタシはどうやら聴力に優れているようで、ちょっと意識すると遠くの音でもよく聞こえることが分かった
(道を歩いているときに遠くの馬車に気づいたのは、この能力のおかげかな?)
自分の容姿、特に頭を思い浮かべる
銀色の髪にネコミミっぽいオプションが付いている、ケモっ娘少女スキニーちゃん
頭部に手をやり、お耳をセルフモフモフしてみる
(うぅ~ん。これって、ネコミミだよね? 違うのかな? うぅ~ん。わかんないや)
結局、自分の種族が分からないワタシ
ザックさんには、自分の種族はナイショ、ということでお茶を濁すことにしたのでした
そして驚くべき情報入手!
何と言うことでしょう
この世界にはアレがありませんでした
この世界の人族は、自分で洗浄(ウォッシュ)するか、洗浄(ウォッシュ)が得意な家族やご近所さんにお願いするらしい
妖精族は精霊魔法による清潔(クリーン)、
獣人族は、基本敵に清拭。季節によっては水浴びをすることも
清潔(クリーン)屋さんや洗浄(ウォッシュ)屋さんなる商売が成立している地域では、そこにお世話になることもあるそうだ
つまり何が言いたいかと言うと、
「ここはお風呂というものが存在しない世界だったのでした!」
(こっ、この世界には入浴の文化はない・・・、だとぅ?)
「湯で水浴び? 豪気というか、贅沢なこったなぁ」
ワタシが身振り手振りで熱弁した、お風呂の説明に対するザックさんの反応は、以上であった・・・
(今晩どうしよう、ワタシ、魔法なんてできないし・・・)
ガーン!
正にこんな感じ
花も恥じらう乙女である
身嗜みには気をつかう
毎日体を洗うのはデフォ
髪だって毎日お手入れしたい
それをしない、できない世界だと知って、愕然とするワタシなのでした
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