第3話 懐柔成功、ちょろいね。

その前に、わたしは鞄の中の食べ損ねた焼きそばパンの事を思いだした。


「焼きそばパン食べる?」


那実人くんは頷きが、少し緊張がほぐれた。

懐柔成功、ちょろいね。


「わたしの家ね、レストランやってるんだけど、雨の日に限ってやってくる客がいるのね。わたしたちは勝手に雨女さまって読んでるんだけど、なんで雨の日にだけやってくると思う?」


わたしの話に、那実人くんはチラッと横目でわたしの瞳を見つめた。

この距離で見つめられるとは思わなかったので、ドキッとした。


「なぞなぞ?」


なぞなぞ?ちょっと子どもっぽい発想だが、ちょっと前まで小学生だったのだ。それは仕方ない。他の男子に比べても那実人くんは子どもぽいし。


「本当の話だよ」


那実人くんは、じっとわたしを見つめた。

ん?違う、視線が合ってない。

まるでわたしの背後の何かを見ているみたい。


鋭く心に突き刺さる視線だ。

痛みこそはないが、まるで銛で突き刺され絶命した気分だ。


那実人くんは空にあるネジを回すように、親指と人差し指を回し、


「違うよ、その人は雨女さまじゃない」

「ん?」

「問題はもっと大きい」

「えっ?」


わたしはちょっと軽い話題作りの話を、しようとしただけなの。


なんか・・・



つづき へお越し頂けると嬉しいです♪ ルン♪ o(≧▽≦)o ルン♪

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