四日後…【凛】
相沢さんが現れてから、四日が経っていた。龍ちゃんは、珍しく朝からニュースを見ていた。
「出来たよ」
朝御飯をダイニングに置いて、私は龍ちゃんに声をかけた。
「凛、見てみて」
そう言って、龍ちゃんは私の手を引いた。
「何?」
「これ、SNOWROSEのニュースだろ?」
「本当だ」
「月坂梨花が、SNOWROSEの事を話してくれたんだって」
そのニュースに、私は泣いていた。
「二人は、結婚出来るな!」
「そうだね」
私は、龍ちゃんの言葉に頷いていた。
「じゃあ、ご飯食べようかな」
「うん」
私と龍ちゃんは、いつものように朝御飯を食べた。そして、龍ちゃんは仕事に出掛ける。
「じゃあ、頑張っておいで」
「うん。気をつけてね」
「凛も気をつけて!星村さんと話しておいで!行ってきます」
「ありがとう、龍ちゃん。行ってらっしゃい」
私は、龍ちゃんを見送った。バタバタとキッチンに行って片付けをする。理沙ちゃんとの待ち合わせ時間に遅れないようにしなきゃ!
ブー、ブー
私は、エプロンのポケットにあるスマホを取り出した。
「もしもし」
『おはようございます。相沢です』
「あっ、おはようございます」
『すみません。突然かけてしまいまして』
「いえ」
『あの、理沙さんには凛さんから話してもらえますか?』
「わかりました」
『では、後で…』
「はい」
そう言って、私は電話を切った。私は、またバタバタと用意をする。洗濯物は、今日は龍ちゃんが朝早めに起きて干してくれた。
「時間がヤバい」
薄化粧をして、私は服を着替えると家を飛び出した。ガチャガチャと玄関の鍵を確認してから急いで駅に向かった。駅に着くと理沙ちゃんが私に気づいて近づいてきた。
「おはよう」
「おはよう」
「切符買っといたよ」
「ありがとう。お金」
「そんなの後でいいって」
「ありがとう」
私と理沙ちゃんは、改札を抜ける。朝の電車のホームは、人がたくさん並んでいた。
「今日は、混んでるね」
「うん」
電車がやってきて、私達は乗り込んだ。
「満員電車じゃないだけ、ましかなー」
「そうだね」
私は、駅前の花屋さんに寄らなければならない。そして、どこかのタイミングで理沙ちゃんに話さないといけなかった。
「車に乗って行くらしいよ」
「えっ?どこで?」
「事務所の近くじゃないかな?」
「あー、そうなんだね」
なかなかタイミングが掴めないまま、私達は最寄りの駅についてしまった。理沙ちゃんとホームに降りて階段を上がる。
「凛ちゃん、何かずっと眉間に皺が寄ってるよね!緊張してる?」
「あっ、うん」
理沙ちゃんになかなか言えない私はどうやら表情に出してしまっていたようだった。
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