駄目かな?【凛】
『いただきまーす』
私と龍ちゃんは、向かい合って座る。
久しぶりに、ご飯を一緒に食べる。
「本当に、嬉しいな」
龍ちゃんは、ニコニコ笑いながらご飯を食べている。龍ちゃんが、喜んでいるのを見ているだけで私も嬉しい。
『ご馳走さまでした』
同時に食べ終わった。
「話って何?」
龍ちゃんは、少し心配そうな顔をしていた。
「あのね…」
私は、理沙ちゃんの話を龍ちゃんにした。
「そうか…。いいんじゃないかな?やってみたら?」
「本当に?」
「うん。それが、二人の為になるなら、俺はいいと思うよ」
龍ちゃんは、そう言って笑ってくれた。
「ありがとう。やってみます」
私は、龍ちゃんに笑っていた。
この日は、龍ちゃんと変わらない日常を過ごして一緒に眠った。
次の日、私は理沙ちゃんに連絡してやる事を伝えた。
そして、その日から3日が経った。
久しぶりに駅に向かった私の前に…。
「お久しぶりです」
相沢さんが現れた。
「あっ、えっと…」
「大切な相談があって、凛さんを昨日から待ってました。会えなかったら、電話しようと思っていました」
「何でしょうか?」
私の言葉に、相沢さんは「こっちに」と言った。あの日みたいに車にやってきた。
「凛さんにお願いしたい事があります」
「はい、何でしょうか?」
「薔薇の花束を108本買ってきてもらえますか?お金は、後でお支払いします」
「はい」
そう言って、相沢さんは私を見つめてこう言った。
「松田君と理沙ちゃんの結婚を認めてあげたいと思ったんです」
「じゃあ、二人は…」
「俺は、結婚して欲しいと思っています」
私は、相沢さんの言葉に泣いていた。
「どうぞ」
「すみません」
私は、相沢さんからティッシュを受け取っていた。
「運命なんて言葉に振り回されて欲しくないんです。運命なんてものは、自分で作るものだと俺は思っているんですよ」
「そうだと思います」
私は、そう言って泣いていた。
「きっと、松田君は諦めてるんだと思うんです。理沙ちゃんとは、もう一緒になれないって…」
「それは、理沙ちゃんも同じだと思います」
「やっぱり、そうですか…。二人には、結婚して欲しいんですよ。凛さんも同じ気持ちですか?」
「はい。相沢さんと同じ気持ちです」
私は、そう言って笑った。
「四日後、協力お願いしますね」
「はい、勿論です」
私は、そう言って相沢さんと握手をした。
「じゃあ、よろしくお願いします」
「はい、わかりました」
私は、相沢さんにお辞儀をして車から降りた。
相沢さんの言った、運命は作るものだという言葉に私も納得していた。運命だからって受け入れたり、諦めたり、そういうのは違うんだよね。運命は、自分で作るものなんだよね。
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