クリスマスデビューイベント【拓夢】

会場につくと相沢さんが待っていた。


「1万5千枚。チケット売ったよ」


そう言って、相沢さんは笑った。


「凄いですね」


「そんな事ないよ」


そう言いながら、相沢さんは俺達を連れて行く。控え室について、荷物を置くと「さっそくだけど行こうか」と言われて俺達は、舞台に行く。


「じゃあ、リハーサルしましょうか!」


「彼は、幸田(こうだ)。暫く、俺は離れるからみんなは幸田の指示に従って欲しい」


『わかりました』


そう言われて、幸田さんの指示に従いながら俺達はリハーサルを繰り返した。


「開場が七時だから、もう終わりましょうか!」


夕方の五時になって、そう言われて俺達は舞台から降りた。時々、凛に似た人がいるような気もしたけど…。気のせいだと思っていた。


「じゃあ、準備お願いします」


幸田さんにそう言われた。


暫くすると、相沢さんが目黒さんと山吹さんという二人を連れて来た。俺達は、準備をされていた。


準備が整ったのは、七時半過ぎだった。


「暫く君達には、待機してもらうから」


相沢さんにそう言われた。


「あの、様子みたいです」


「いいよ」


相沢さんは、俺達を客席が見える場所まで案内してくれる。


「凄い人ですね」


「ワクワクするな」


「そうだろ!君達のデビューに相応しいよ」


そう言って、相沢さんと様子を見ていた。暫くして、誰かが相沢さんに声をかける。


「あのさ、8時開演だろ?これ、おかしくないか?」


その声を聞いて、まっつんが俺に時計を見せた。


「10分以上過ぎてるね」


「だよな」


相沢さんは、その人に怒られていて、「もう少し待って欲しい」と何度も頭を下げている。


「俺達が出ていっちゃ駄目なのかな?」


しゅんが俺に声をかけてきた。


「そうだよな!俺達のイベントなのにな!」


暫くして、相沢さんがやってきた。


「ごめんね。もしかすると、九時過ぎるかもしれない」


その言葉に俺達は、驚いた顔をした。


「今から出れますよ!俺達、いけますよ」


まっつんが言った言葉に、相沢さんは首を横に振った。


「何でですか?」


「駄目なんだ。君達じゃ駄目なんだ」


そう言って、相沢さんは悲しそうに目を伏せる。


「金返せよ」


「何時だと思ってんだ」


「ふざけんな」


お客さんの叫び声が聞こえ始める。


「相沢さん、一時間遅れになります。このままじゃ」


「ごめん。花木、説明してくれるかな?お客さんに…」


花木さんは、急いで舞台に立って説明をしにいく。どんどん時間が過ぎていく。

時刻は、もうすぐ九時を回りそうだった。


「相沢さん、俺達立つよ」


相沢さんの元に誰かがやってきた。


「初めまして、SNOWROSE の皆さん。智天使ケルビムです」


俺達は、その言葉に驚いていた。

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