真夜中の3時…【カクヨム版】

終わってから、俺は凛に水とタオルを持ってきてあげた。凛は、水を飲んだ後、すぐに眠ってしまった。


「残り、全部使ったな」


俺は、ゴミ箱に避妊具それの空箱を捨てた。


「痛かっただろ?ごめんな」


凛のそこに置いたタオルをそっと抜き取った。俺は、おでこにキスをしてから、凛に布団をかけて、立ち上がった。洗面所で、タオルを置いてパンツを履いた。


「これだ!」


俺は、リビングに向かうと歌詞を書いてるノートを取り出した。

今、おりてきた歌詞をノートに書きなぐった。


「出来た。これを二曲目に出来たらいいんだけどな…」


時計を見ると真夜中の3時だった。凛と何回やったか数えてなかった。


「はぁー」


大きなアクビが出る。


「俺も、眠いな」


俺は、立ち上がってノートを置いた。


「凛、歯磨きしたかっただろうなー」


うがいだけは、水でやりなって言ったからやってたけど…。嫌だっただろうなー。

俺は、洗面所でうがいだけをする。


「俺も、うがいだけにしとこ」


俺は、凛の隣に寝転がった。


「ごめんな。凛」


明日撮影なのに、凛を疲れさせてしまった。


「俺より、痛いのに…。我慢してくれてありがとう」


俺は、凛を抱き締める。


「うーん。拓夢…」


初めて、寝言で俺の名を呼んでくれた。


「凛、駄目だよ。旦那さんに怒られるだろ」


俺は、凛の頬を撫でる。どうか、この先の凛の人生が幸せでありますように…。

祈るように、唇を撫でる。


「もう出来ないよ」


凛は、そう言って俺に抱きついてきた。


優しくて、暖かくて、幸せで…。


疲労がいっきにやってきて、俺の目は落ちた。



ピピピ…ピピピ…


「うーん」


目覚めると凛はいなかった。


「何時だ?」


目覚ましを止めると五時半だった。


「用意しなきゃな」


寝不足で、辛い体を必死で起こしてベッドからズルズルと降りる。


俺は、キッチンに向かう。


「おはよう」


凛がいて、安心した。嬉しかった。俺は、凛を抱き締める。


「体、しんどくない?」


「ちょっとだけしんどかったけど、大丈夫だよ!今、朝ご飯してるからね」


「昨日、めっちゃやってごめん。避妊具あれ、空になってた」


「どれくらい余ってたのかな?」


「さあー。わかんないな。でも、全部使うとか俺駄目だよな」


俺の言葉に、凛も背中に手を回して抱き締めてくれる。


「いいよ。大丈夫。私もしたかったから…。沢山、拓夢を刻み付けたかったから」


「凛、ありがとう」


俺は、凛の体をさらに引き寄せるようにして抱き締める。


ここを出たら、もう私達は友達だよね」


「そうだな!」


「寂しいね。あっという間だったね」


「そうだな!俺、顔洗ってくる」


「うん」


俺は、凛から離れて洗面所に向かう。


顔を洗って、歯を磨く。


気分を変えなきゃいけないよな!今日から、俺は、星村拓夢だけじゃなく、SNOWROSEのタクムとしての人生も歩いて行くんだから…。

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