やってみる【カクヨム版】
凛は、どこまでも優しい。
「やってみる」
そう言ってくれる。
「首絞める?」
凛の手を取って、俺の首に持っていく。
「出来ないよ」
凛は、そう言ってボロボロ泣いてる。
「凛、めちゃくちゃにして」
「やった事ないから、わからない」
俺は、凛を困らせてる。何もかも上書きしようとして、困らせてる。
「凛、するなら買いに行かなきゃ!避妊具」
「うん、わかってる」
「ごめんな、凛」
「ううん」
「俺、買ってくる」
「明日じゃ駄目かな?」
「平田さんといたいの?」
「約束したから…守ってあげたくて」
俺は、財布に一枚だけ入れてる避妊具を凛に渡した。
「何?」
「あの子とするんだろ?」
ドサッ…。凛は、俺を床に押し倒してきた。
「何?」
「抱かれたいんでしょ?」
「凛」
「拓夢は、忘れたいんでしょ?中学の話もまっつんさんのお母さんの話も…。全部、全部」
そう言って、凛はカチャカチャとベルトを外してる。
「痛い」
凛は、わざと力を入れて触ってくる。先輩がしてきた時もそうだった。俺は、「痛い、やめて」って叫んだ。そしたら…。
「痛い、やめて」
【「すぐに、気持ちよくなるから」】
凛が耳元で囁いてきた言葉が、先輩が言った言葉と同じだった。
「痛い、痛い」
【「感じてるのに、よく言うね」】
凛が、頑張ってくれてるのがわかる。眉を寄せながら、頑張って言葉を探してるのがわかる。
「痛い、やめて」
【「気持ちいいの間違いでしょ?こんなに、してるくせに」】
そう言って、凛はさらに力を入れる。
「あの時と同じ!同じだよ、凛」
俺は、凛の頬に手を当てる。
「拓夢」
「凛だと綺麗になれるよ!俺…」
何故かは、うまくいえない。でも、凛にされたら汚れがなくなってく。今まで、どんな人としても拭えなかったのに…。
凛は、俺のシャツを脱がす。
「痛い」
「痛いだけ?」
凛の顔が俺を見つめる。
「もっとして」
俺は、泣きながら凛の頬に手を当てる。苦しくて、悲しくて、汚くて、どうしようもなかった自分を捨てれてる。
「何で、凛が泣いてるの?」
ポタポタと俺の顔に、凛の涙が当たる。
「拓夢は、汚くないよ」
「凛、したいの?」
俺の言葉に、凛はズボンを脱いだ。
「どうやって、されたの?」
凛は、そう言って俺を見つめる。
「お腹の上に乗ってきて、手をここにもっていかれた」
凛は、俺の指示通りに動く。あの日の先輩と凛が重なる。
「怖い?」
手が震えてるのが自分でもわかる。
「拓夢の初めては、私だよ」
凛がそう言った瞬間!!不思議とあの日の映像が凛にすりかわった。
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