第13話



 コミネが湯浴みに行ったので、コミネの部屋でぺペンギンはサエと二人きりになる。


「あいつ、アホやな。鼻血出しとったで」


「どうしてなのでしょう?」


「旅の疲れでも出て来たんちゃう?」


「じゃぁ、もう一泊お泊まりすること、お勧めしてよかったです」


「うーん、鼻血出す機会を増やしただけのような気ぃもするけど・・・。まぁ、ええわ。ところでメグちゃん、帰ってくるん遅くない?」


「ああ、メグちゃんのお父さんが言ってましたよ。今日は放課後のクラブ活動があるんですって」


「放課後のクラブ活動かぁ・・・。今、ここにコミネがおったら嫌な顔しよるやろなぁ」


「コミネ先生がどうかなさったのですか」


「うん・・・。あいつ、自分の実験のこと放課後のクラブ活動って言いながら研究してたみたいやねん」


「そうなんですね・・・。」


「あ、ごめん、サエちゃんには嫌なこと思い出させてしもうたな、ごめんやで」


「ううん、大丈夫、あの頃、ずっとマルちゃんが傍に居てくれたから。もう今は、元気、元気!」


そこへ、コミネが湯浴みから帰ってくる。


「ああ、いいお湯でした」


「ちゃんと鼻の穴まで洗うたか?」

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