5 ふやふや ※R15?
ガラッ!
と、浴室の扉が勢い良く開かれる。
「な、なにをしてるんですっ」
現れたのは、姉のシノさん。
その姿は……黒の水着。
「ああん? お姉こそ何しに来たんだよー。あーしは今お兄を捕食するので忙しいんだが?」
「初日からおかしな真似はやめなさいっ。貴方もっ、されるがままですかっ」
「ぅぅ……家主には逆らえません……」
「へへっ、良い声出すじゃねぇか……そーそー、ご主人様には素直に従った方が良いぜぇ? (ペロペロ)」
「家主に従うというなら私にも権限がありますっ。抵抗しなさいっ」
「すまねぇリノちゃん……! (ムニムニッ)」
「ぐわー! (両手を後ろに回して)脇腹ムニムニすなーっ」
リノちゃんが気持ち離れた。
「はぁ……油断も隙も無い」
「シノさんもその格好、お風呂入るの?」
「うっ…………妹を監視する為に、です」
「普通は(男女)逆なのにっ。お兄ちゃん過保護に守られてるねぇ」
「ありがてぇ。じゃー入る前にシャワーで掛け湯してー」
「JKの出汁はいらねぇってよお姉!」
「言われずともしますっ」
シャー シャー …………キュッキュ
「お疲れー。じゃあシノさんは僕の前の方? 三人は余裕な浴槽だけど」
「三人で入る前提なんですか……」
「お兄の尻は譲らないからねっ」
「要りませんよ…………もうちょっと後ろの方に詰めて下さい」
「お姉ぇ、ムダ毛処理は大丈夫かぁ? はみ出てないかぁ?」
「下品な話はやめなさいっ」
「僕は気にしないよ」
「なんのフォローですかっ」
「アイドル辞めるとねー、その辺が疎かになってねー。私は元々薄めだからねー」
「へー。僕なんてまだワキもヒゲも生えてねぇ」
「どんな会話ですか……」
それから、シノさんはゆっくりと浴槽を跨ぎ、片脚を入れる。
さっき見たリノちゃん同様、シャワーの雫で濡れた水着がセクシーでエロい。
やはり、(今は)リノちゃんと比べ、シノさんの方が、スタイルはあらゆる面で上。
どちらが優れているか、という話は別として。
「あ、あまり凝視しないで下さい……」
「あざといぞーお姉ー」
ふぅむ……目の前にドドンと元アイドルの股間(パンツ)が……改めて凄い状況だ。
「ん? てか、僕と向かい合う感じに入浴するんだ」
「……妹を監視すると言ったでしょう」
「なーる」
「お兄ちゃーん、姉妹サンドとか贅沢者だなぁ?」
「全くだ。幸せパティだよ」
「あっ、お姉、脚伸ばす時は気を付けてねー。お兄ちゃん、普通に上下裸だかんね?」
「わっ、わかってますっ」
チャプン……
シノさんが入った事で、お湯が少し溢れる。
それもまた風情。
同じ目線の高さになった事で、シノさんの青い瞳と目が合った。
それは、すぐに逸らされる。
そんな反応もまた良い。
彼女のこの羞恥心は、これからも変わらないでいて欲しい。
リノちゃん?
彼女は彼女で、グイグイ来る系も好きよ?
「ジー……」
「な、なんですか?」
「んー、シノさんの結い上げた感じの髪型、初めて見た」
「そ、そうですか? まぁ、学校ではしませんからね……」
「アイドル時代もストレートのままだった気がする。一緒にお風呂入れる相手だけが見られるレアヘアーって事か」
「別に、家ではお風呂の時以外でも(この髪型に)しますが……」
「お兄ちゃん、長い髪の方が好きー?」
「別に拘りは無いけど、その人の色んなヘアースタイルは見たいかな? だからリノちゃんのロングもいつか見たいかも」
「じゃあ伸ばすー。お兄ちゃんが居るから通常の十倍の速さ……三日くらいでロングになるよっ。リノはただでさえ伸びやすいからねーエロいからー」
「……妹の頭が、どんどん悪くなって行く……」
頭痛が痛そう(重言)に首を振るシノさん。
一方、後ろのリノちゃんは「ウェヘヘへ」と頭の悪そうな声を僕の耳元で漏らしている。
この姉妹、アイドル時代でも学校でも仲良しシスターとして有名だったが、こうして間近(過ぎる)で見ると、イメージとは違うな。
あらあらうふふとお淑やかな空気(実際学校ではそんな感じ)かと思いきや、男兄弟のように雑に仲が良い感じで……
コレが、素の二人の姿、なのだろうか。
「お姉ぇ、やっぱさー、お風呂に水着はマナー違反だと思うんだよねー。いや、温水プールとか混浴とかそういうとこのは否定しないけどさ?」
「……何が言いたいんです」
「今日『は』、水着で我慢してやるって言ってんだよ」
「……こんな三人での入浴は、今回だけです。明日からは個別ですからね」
ふぅむ、三人、毎日一緒に入ればお風呂代節約出来ると思ったが。
今の二人がお金持ちと言っても、お金は有限だし。
「oh……ニポンワー ハダカノツキアイ アル キキマシタガー?」
「おっ、今のリノちゃん、たまに漫画で見る『性に無知な留学生キャラ』だっ」
「イェア! (コツン)」
「そこテンション上がる所ですか……?」
リノちゃんと拳同士を軽くぶつけ合うアメリカンなコミュニケーション。
「実際、海外の同世代って進んでるのー?」
「うん。『数年海外に居た』けどビッチビッチだったよ。だから留学生が無知とかファンタジーだよ?」
「あー、イメージ通りだぁ」
「偏見が過ぎる……第一、リノ、貴方数年居たのに英語はからっきしで、友人の一人も居なかったではないですか。それこそイメージで海外の内情を語らないで下さい」
「ばっ、ゆーなよー」
「えー? リノちゃんその見た目で英語ダメなのー? ギャップ萌えー」
「せやろー?」
「したばシノさん、実際の所、海外の人達は身持ち固いんだ?」
「……人によりけりですよ。どこの国でもそこは変わりません」
「お姉も濁してんじゃんっ。母数で考えるとやっぱり海外は性に解放的なんだよっ」
「あー、イメージ通りだぁ」
「もう勝手にして下さい……」
お風呂でそんな会話をしていたからだろう。
僕の視線は自然と、目の前の彼女の顔より下……水面に浮かぶ『ソレ』へと誘導される。
「ちょっと……み、見過ぎです……」
「顔凝視とどっちが良い?」
「どちらもほどほどに……」
「むふふ、そりゃあこんな猥談してたらねぇ。お兄ちゃん、こんなエロエロな状況でもクールだなと思ってたら、なに? 急に意識しちゃった?」
「当たり前だろ? 急にも何も、ずっと意識してるぜ? 美少女二人に挟まれ(サンドされ)てるんだから」
「やぁん、ウチらで食べるつもりが逆にお兄ちゃんに食べられちゃうよーお姉?」
「ま、巻き込まないで下さいっ」
「ある意味、クールなのはリノちゃんじゃない? こんなに男を弄んでっ」
「ふふん、そりゃあ私は『覚悟完了』してるからねっ。もう、何年も前から、ずっと」
「重いなぁ」
「それはそれとして……」
ピトリ
リノちゃんは僕の背中に抱き着いて来て、
「分かるでしょ? さっきからずっと、心臓はバクバクしてるよ……?」
「リノちゃん……」
僕は、胸元に回された彼女の手に、自身の手を重ね……
「やれば出来るじゃねぇか、しっとりキャラ……!」
「せやろー? ドキドキした?」
「ごめん、背中に当たるおっぱいに集中してた」
「んふふ、当ててんのよー。私より大きくても触れさせてくれないお姉のおっぱいより、触れられるおっぱい、ってね」
「絵に描いたモチ……!」
「何の話ですかっ、やり過ぎですリノっ。も、もう付き合い切れませんっ。出ますよっ(ザバッ!)」
「ああんっ!」
シノさんが立ち上がり、リノちゃんの手を取って彼女も立ち上がらせる。
再び、目の前にはシノさんの股間(パンツ)のドアップ。
「僕も上がろうかなぁ。もう手がふやふやだよ」
「す、少し待ってて下さいっ。すぐに着替えますんでっ」
「えー? お姉、別に一緒でよくない? どうせまた裸になるんだし?」
「何をするつもりですかっ」
姉妹のキャッキャウフフなやり取りを、浴槽のフチに顎を乗せつつ眺める僕。
二人とも僕に背を向けているが……ふぅむ。
お尻もお尻で肉付きが良く、素晴らしいねぇ。
「おっと手が滑った」
「ッ!?」
ずるり
リノちゃんがシノさんの水着(上)をずり下ろし ボロン となった。
まぁさっき言ったよう背中を向けてるから、見えるのは横乳なんだが……
「ナイスだリノちゃん(サムズアップ)」
「み、見ないで下さいっ! リノ! 貴方っ」
「じゃあ私も(ペロン)」
「やめなさいっ」
ふぅ……しばらく、浴槽から出られないな。
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