第一部のあらすじ


◎第一部全編のまとめ


 母を亡くしてから父親とギクシャクしていた拓磨たくま。お互いこのままではいけないと考えており、母の遺品整理をきっかけに関係改善を試みる事になったが、父の急な出張のために先送りに。

 拓磨たくまはゴミ捨て場で出会った鴉から額に謎の印をつけられ、それ以降、今まで見えた事のない靄のような光の塊を見るようになる。それは反射的にイメージしてしまった通りの形を創出し、想像したままに自分に襲い掛かる。


 拓磨たくまを追いかけて来た靄の正体は、太古より地球上に存在する神粒しんりゅうという物質で、意思の力に反応し行動するという特性を持ち、それ自体が能動的に行動する事はない。

 通常は生物の進化に関わっており、生き残るための変化を作る原動力となっていたが、思考能力に優れた人類は新たな用途に使って行く事になる。

 多くの人々が強い意思で神を信じ、その存在を望めば神が創出され、幽霊が出る、妖怪が出ると皆が信じ込めばそれらは神粒しんりゅうが集合して実体化する。

 世にある奇跡も超常現象も、すべて神粒しんりゅうによるものだったのだ。

 拓磨たくまの額に印をつけた鴉も神粒しんりゅうで構成された御使いで、主である鏡姫の捜索に少年の助力を乞う。

 その後、クラスメイトの加賀見かがみは、自分が鏡姫と告白するがその証拠は特になく。

 

 陰陽師は神粒しんりゅうの特性を古くから把握し、式神を作り出す事が出来ていた。

 日本政府はこの神粒しんりゅうの特性を上手く活用すれば、兵器がなくとも戦争の抑止力として使えるのではないかと、秘密裡に中務省なかつかさしょうを設立し陰陽師を集め、その活用の研究をさせていたが成果は芳しくなく。

 そこで彼らは、かつて光返山ひかえしやまには、神粒を集め蓄える鏡が存在していた事から、それを入手すべく躍起になって、拓磨たくまのクラスメイトである加賀見かがみが持つ銅鏡の欠片を取り上げようとした。

 しかしそれを欲しがる者が他にもいて、叢雲むらくも光輝こうきという宗教団体によってついに鏡が奪われるが、更にその鏡の付喪神である鏡姫として、加賀見かがみが攫われてしまう。


 拓磨たくまは隠棲していた陰陽師の白戸しろとの手ほどきによってマスターした神粒しんりゅうの扱いで、得意なゲーム内で使っている銃の創出を行い、実弾飛び交う自衛隊演習場に彼女を救うべく向かった。

 

 無事に彼女を救い出す事が出来たが、叢雲むらくもは再び彼女を狙う事を宣言し、神の幼虫と共に銅鏡を持って逃げ去ってしまう。

 中務省なかつかさしょう解散の危機と、当座の問題は片付いたかに見えたが……。


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