第76話 セカンケイブ攻略、はじめました
「さて、とりあえず今日やるべき事は終わったわね」
そう言って僕たちの方を見るクーラ先生。
「宿に入るにはまだ早いし、今更何か買うような物はないし・・・どうしよっか」
とそこに声を上げたノルト。
「だったらボクの家に来ませんか? 街からちょっと行った所にある農園なんです」
「ふむ、他に用事もないし、それもいいかもね。みんなはどう?」
「いいんじゃない? あたしも興味あるし」
「ああ、俺もいいと思うぞ」
「家庭訪問、お宅拝見」
そして僕ももちろん、
「さんせー。ノルトの農園って一度見てみたかったんだ」
「よし、じゃあみんな行ってらっしゃい。私はこっちにいるから、戻ったら宿で声を掛けて」
「はい分かりました。じゃあみんなこっちだよ、ついてきて」
街を出て、みんなでワイワイと歩くこと約20分。のどかな景色が続きそして、
「ほら、あそこに見えるのが僕の家だよ」
そう言ってノルトが指差したのは、敷地内におっきな倉庫と並んでる一軒の家。
その後ろに広がる農園、広っ!
アーシュの家の広がっちゃった庭よりも、もっと広いんじゃない?
で、そこからもうちょっとだけ歩いて到着。
ノルトはその扉を開けて、
「ただいまー」
「お帰りノルト。それに、そちらは友達の皆さんだね。ようこそうちの農園へ。いつもノルトがお世話になってるね」
「はい、急にすみません。お邪魔します」
「あっはっはっ、そんなかしこまることはないよ。それに皆さんが来るかもしれないって事は、ノルトからの連絡で知ってたからね。なんの問題もないよ」
さすがノルト、抜かり無い。
「それで父さんたちは今日は何を見てるの?」
「ああ、多分今頃は果樹園のほうだと思うよ。桃とサクランボの収穫が来週頃から始められそうだからね」
「へえ、今年はちょっと早いのかな? じゃあみんな、今日は果樹園を見に行こうか」
ノルトの案内で広い農園を進む。
こうやって歩いてみると、ホントに広い。それに道も馬車とか通れそうなくらい広い。これって収穫とかのためかな。
「この辺りはほうれん草とかの葉もの野菜だね。その向こうは今休ませてて、夏頃に冬野菜の種を蒔くんだ」
次に差し掛かったのは、背の高い植物が立ち並ぶ畑。
「これはとうもろこし畑だね。この様子だと来月頃から収穫出来るかな」
とうもろこしってこんなに大きかったのかあ。
「ふーん、とうもろこしって木に生るんじゃないのねえ」
「はははっ、そう思ってる人も多いみたいだね」
「ここからが果樹園だよ。どう? 中々のものだろ?」
目の前に立ち並ぶ、実をつけたたくさんの木々。
奥の方に並んでるのは別の木みたい。たくさんの白い小さなのは、花?
「区画に分けていろんな果樹を育ててるんだ。夏から秋にかけて収穫する果物が多いから、今はちょうど花の時期と実りの時期が重なる、すごく短い期間なんだ。この景色を見せる事が出来てよかったよ」
そんな説明を聞きながら果樹園を歩く。
「この時期の悩みは果物泥棒と害獣と嵐だね。果物って、泥棒と魔物、それに鳥や動物からも狙われるんだ。だから毎年この時期は、昼も夜も冒険者に見回りを依頼してるんだよ」
「ああ! それで冒険者ギルドに昼間から人が多かったのか」
「そうだね。多分あそこにいたのは早朝から昼頃まで見回りしてた人達じゃないかな」
さっきのあの・・・えっと泣きながらアーシュの魔法で流されてった・・・何だっけ・・・あ、テンプレさんも。
「お父さーーん!」
手を振って声を上げるノルトの先には、たわわに実った樹々を見上げる3人の人達。
そのまま近づいて行くと、
「みんなよく来たね。いらっしゃい。私がノルトの父のタムボだ。こっちはノルトの兄のハタと姉のブロッサだよ」
「「「「こんにちはー!」」」」
「よろしく。君たちの事はノルトから聞いてるよ」
「こんにちは。ノルトが楽しそうでよかった。私も去年まで学校にいたのよ」
そしてちょっと立ち話。
「ノルトの土魔法は凄いからな」
「そうよね。それに最近は錬成も使えるようになったし」
「いや、使えるなんてものじゃないよ。だってオリジナル錬成だよ?」
「うん、ノルト、錬成天才師。あ、天才錬成師」
それを楽しそうに聞くノルトの家族。
ノルトは気恥ずかしくなったのか、強引に話題を変える。
うん、気持ちはよく分かるよ・・・
「どの実も綺麗に色づいてるね。今年はいつもより収穫が早いの?」
「ああ、天気がよかったお陰でよく育ってな。それにこんな気候の年は大きな嵐が来る事がある。それで万が一に備えて、多少早いが収穫に入るべきか悩んでいたんだ。だと言うのに、今朝見回りに来てた老け顔の冒険者が『収穫も手伝いに来させてくれよ。それでギルドの評価が上がったら俺、あの娘に告白するんだ!』などととんでもない事を言ってくれてな」
それって多分さっきの・・・テンプレさん・・・
ああ、何てフラグっぽい・・・
「まったく縁起でもない! と言う訳で予定を早める事にしたんだよ。今日これから冒険者ギルドに依頼に行くつもりだ。当然リスク回避のためにあの冒険者を外す条件でな」
という事で、ノルトのお父さんと一緒に僕達も街に戻る事に。
「まったくテンプレ男がフラグ発言なんてとんでもない迷惑行為よね。もっと強い魔法にしとけばよかったかしら」
「とどめを撃つ前に全属性魔法10周くらいしとくのも良かったかもな」
「奴には、氷が足りなかった」
「次は僕が埋めるよ。土に還そう」
道中みんなの殺意が止まらない。
あのテンプレさん、今頃謎の悪寒に襲われてたりして・・・
ギルドに到着すると、何だかちょっとざわついた雰囲気。
あれ? 食堂で誰か倒れてる?
そこに受付のお姉さんが駆け寄って、
「一体どうしたんですか?」
「ああ、モブキンの奴、調子に乗って騒ぎ出したところでいきなりくしゃみしてな、そこから急に震え出したと思ったら、そのまま泡吹いて倒れちまったんだ」
「まさか毒!?」
「いや、それはないと思うぞ。全員同じものを食ってたからな」
「だったら一体何が・・・」
「ま、ほっとけばすぐに起きるだろ。モブキンだしな」
「「「「だな! ぎゃははははは!」」」」
ノルトのお父さんとはそこで別れ、僕達は宿に。
クーラ先生の部屋をノックすると、
「あら、思ったより早かったのね。じゃあご飯を食べに行ってから、明日の打ち合わせをしましょうか」
そしてレストランで食べたフタツメのご飯は・・・
野菜がすっごく美味しかったぁ!
翌朝。
今日はいよいよセカンケイブダンジョンに入る日。
セカンケイブダンジョンは、フタツメの街から北に30分くらい歩いた所にあるみたい。
朝食を終えて、僕達は今ダンジョンに向かっている。
クーラ先生からの最終確認を受けながら。
「いい? セカンケイブダンジョンは全6階層。1階層から3階層まではゴブリンとゴブラット、4階層ではそれにゴブリーダーが加わって、5階層はゴブリーダーがゴブカリオンを率いるようになる。厳密には違うみたいだけど、ゴブカリオンはゴブリンみたいな顔をしたウルフだと思えばいいわ。対処法方はウルフの群れと同じ。ただし大きな群れの場合はゴブリーダーを最初に叩くのが効率的よ」
うん、これまでに聞いていた通り。
「そして最後の6階層で出てくるのはゴブリンマジシャン。個体によって使う魔法が違うから気を付ける事。カルアとネッガーは常に相手の属性を感知して伝えるように。それで最後のボスはゴブリンソーサラー。こいつは時空間以外の全属性を使うわ。こいつを倒せば踏破よ」
常に属性を把握して共有、と。
「ボスの間には結界に覆われたダンジョンコアがあるから気を付けてね。決して手を出さないように、あと流れ弾にも注意してね。普通は結界が壊れるはずはないんだけど、あなたたちの魔法って普通じゃないから」
みんな、気を付けてね。特に・・・あ、全員か。
そしてセカンケイブダンジョンに到着。
岩肌に取り付けてある大きな扉、そしてその横の転送装置。
「あれにギルドカードをかざせば中に入れるわ。誰かひとりがかざせば全員入れるから、ここはチームリーダーのカルアがいいかしらね」
ええっと・・・
「僕って転移トラップに引っ掛かった思い出しかなくって、普通にダンジョンに入れた事って無いんだよね。今回は別のダンジョンだから多分大丈夫だとは思うけど、念のためここはアーシュにお願いするよ」
「・・・そうね、あたしもその方がいいと思うわ」
軽いため息とともにアーシュがそう答え、みんなで転送装置の前に。
そしてアーシュがカードをかざすと・・・
僕達はダンジョンの中にいた。
よし、これであとは一歩足を踏み出して何事も無ければ・・・
「やった! 初めて普通にダンジョンに入れた!」
部屋も赤くならないし、カードをかざしても・・・あ、それは今試せないや。
でもこのまま奥に進んでいいって事だよね!
そんな当たり前なはずの事に、何だか不思議と感動。
ダンジョンに初めて「受け入れてもらえた」なんて気までしてくるよ!
「さて、じゃあみんな、最初は普通に踏破するのよ。カルアのスティール無しでね」
そう、今回の引率にあたって、クーラ先生には僕のスキルや魔法について、ある程度説明してある。もちろんチームのみんなに相談したうえでね。
みんなすぐに同意してくれた。だって隠し事で命の危険があったら本末転倒だから。
・・・クーラ先生のチーム入りは近い?
しばらく進むと、第一ゴブリン発見。
「こいつは様子見で俺が行っていいか?」
まずは剣だけの攻撃でゴブリンの戦闘力を確認する事にしたんだけど・・・
身体強化無しのネッガーが程々の力で相手をして、かなりアッサリ勝利。
「森にいたゴブリンと変わらないみたいね。次からは普通に相手するわよ」
出会いはゴブリン、時々ゴブラット。
ほとんどは1匹づつで、たまに2~3匹で出てくる事もある。
その場合でもみんな剣だけで倒しちゃって、魔法の出番はまったくない。
だってこっちは5人だし。
そして下層に向かう階段に到着。
「マッピングはどう?」
クーラ先生が今回のマッピング担当ワルツに訊くと、
「むふふ、完璧。今のわたしは地図職人」
ワルツからマッピングした紙を受け取り、第一階層の地図と見比べるクーラ先生。
「驚いた、本当に完璧じゃない。これそのまま丸写しにしたって言われても、まったく気づかないレベルよ?」
「料理とダンジョンは同じ。正しい道順を描けなければ、正しい
ごめんワルツ。
良い事を言ってるのかもしれないけど、高度すぎて僕には分からないよ・・・
第2階層。
出てくる魔物は同じ、ただ一度に出てくる数が増えた。
1匹だけで出てくるのはほぼなくなり、多い時には4~5匹の群れで出てくる。
でもやる事はそれほど変わらない。
だってほら、こっちは5人だし・・・
そして階段に到着。
今回のマッピング担当はネッガー。そして、
「これも正確ね」
「歩幅の統一と気配察知の応用で」
アクティブ型の気配察知でも空間把握に近い事は出来たけど・・・
もしかしてネッガーの気配察知って、パッシブ型なのに空間把握レベル!?
第3階層。
ここまでは出てくる魔物は変わらない。
一度に出てくる数は上の階と同じくらい、ただ出てくる頻度が増えた。
お陰でちょっと忙しいけど、でもやっぱりやる事は変わらない。
だってやっぱり、こっちは5人だし・・・
そしてマッピング。
今回担当はノルト。
「距離感が正確じゃなきゃ農地の管理どころか種蒔きだって出来ないし・・・」
という事で、今回も超正確。
第4階層。
ここからは、ゴブリンとゴブラットに加えてゴブリーダーが出てくる。
そしてゴブラットはゴブリーダーの指令を受けて、攻撃を連携してくる。
でもゴブリーダーの強さはゴブリンと変わらないから、やっぱり大した事はない。
普通はゴブラオに進化なんてしないしね。
それにこっちは5人・・・ってこれはもういっか。
今回のマッピングはアーシュ。
「アーシュも正確・・・」
「この階層だったら今からでも時空間魔法でマッピングできるわよ?」
「・・・それってもしかしてカルアも?」
「えっと、今のうちに6階層までの分を作っときます?」
「はぁ、まったく何なのかしら、この新人パーティ・・・」
階段を降りる前に、一旦ここで休憩する事に。
「ここでお昼にしましょう。結界はカルア、食事は携帯食で」
そしてみんなで携帯食をボリボリと。
「うーん、あんまり美味しくないわねコレ」
「これでも最近は大分マシになったのよ?」
確かにそうかも。前食べたのはもっと不味かった気がする。
「ねえワルツ、オリジナルの携帯食を作って売り出してみたらどう?」
ノルトらしい提案。
「むむう、多分これ、カル師向き案件」
「え? 僕向き?」
ご飯とかあまり作れないよ?
「そう、包み紙の時間を固定すれば、オールおっけー」
「あっ、なるほど・・・」
そういう意味か・・・って実は凄いアイデアじゃないかな、これ?
「むふふ、わたしは、夫を立てる女」
「わっワルツぅ!?」
ワルツのこれって、どこまで本気なんだろう?
それに、アーシュが突っ込むまでの流れが最近固まりつつ・・・
第5階層。
「ここから要注意よ。ゴブリカオンのスピードはここまでの魔物と全然違うから。あと敵の連携にも注意する事。必要ならどんどん魔法を使っていきなさい」
「まずは相手を知りたいわね。カルア、エンカウントしたら結界を張って。しばらく相手の動きを観察するわよ」
アーシュの指示はいつも的確。
もう表のリーダーでもいいんじゃない?
そしてゴブラット1匹ゴブリカオン4匹の集団と遭遇。
「じゃあ張るよ? 『界壁』」
僕らは結界に包まれ、ゴブラット達は・・・あれ? その場で様子を見てる?
「うーん、軽く
そういってノルトがゴブラットに石を飛ばす。
「ギャギャウッ」
眉間に石が当たったゴブラットは怒り声をあげて、・・・どうやらゴブリカオンに何か指示を出したっぽい。
ゴブリカオンが一斉に飛びかかってきて、一斉に顔から結界に衝突した。
ばいいいいん! って。
「「「「ギャンっ!!」」」」
「うーーーん、これだけだとよく分からないわね。ネッガー、行ってみる?」
「おお、任せてくれ!」
勢い良く飛び出して行ったネッガー。
通りすがりに鼻を押さえるようにしてうずくまる1匹のゴブリカオンを蹴り上げてった。
「ギャイン!」
それ死体蹴り?
そのままゴブリーダーの前まで移動し、ネッガーの速度にまったく反応できていないゴブリーダーの鼻にパンチ一発。
お前も
飛んで行った先でよろよろと起き上がったゴブリーダー。魔物だから鼻血は出てないけど、・・・すごく痛そう。
その痛みに怒り狂ったゴブリーダーは、ゴブリカオン達に指示を飛ばした。
そのゴブリカオン達もネッガーの動きに危機感を覚えたのか、ネッガーを取り囲み死角からの交互攻撃を始める。始めるけど・・・
ゴブリカオン達の攻撃はネッガーに届かない。届く気配すら感じられない。もうこれ無理じゃないかな? だって君達、軽やかに避け続けるネッガーに完全に翻弄されてるよ?
そして我らのアーシュ様から彼らに下された死刑宣告。
「大体分かったわ。もういいわよネッガー」
そこから飛び掛かったゴブリカオンの攻撃は、もうネッガーに避けられる事がなかった。
その牙が届く前に蹴りあげられ、天井でバウンドして地面に激突したから。
そうして4匹のゴブリカオンは二度と動かなくなり、その主人であるゴブリーダーもすぐにその後を追う。
「速いって言ってもこの程度か。これだったら全然怖くないわね。何たって・・・」
そう、何たって僕達は魔王クーラ先生のスピードに慣らされてきたんだからね。
僕たち全員の視線を浴びたクーラ先生。
「な、何かしら・・・?」
目が泳いだあの感じ、何となく自分がやり過ぎたって自覚はあるみたい、かな?
そして第5階層も難なく突破。
そのまま最下層の第6階層へ。
ここではゴブリンマジシャンが出てくるから、常に気配察知で属性を探る。
その属性の魔法に気を付けながら・・・あとは今までと一緒。
「うーん、魔法を撃ってくる以外は今までと代わり映えしないわね。じゃあ・・・ここからはこっちも魔法だけよ! ここまで魔法は補助くらいでほとんど剣ばっかりだったし」
「魔法だけ・・・俺は?」
「ネッガーは気配察知担当ね。もう十分暴れたでしょ?」
「むう・・・分かった」
ゴブリンマジシャン3匹とゴブリン1匹があらわれた。
「『火球』×5! 燃え付きなさい! ・・・ってあれ? ひとつ余った?」
ゴブリンマジシャン2匹とゴブリーダー1匹とゴブリカオン2匹があらわれた。
「敵を囲む『石壁』! 溶ける寸前まで『加熱』して敵の上に倒れる! 」
ゴブリンマジシャン1匹とゴブリーダー1匹とゴブリカオン3匹があらわれた。
「水、飛んでけ。全員氷漬け。そのまま激☆」
「「「ダンジョンでそれはダメーーーーっ!!」」」
ゴブリンマジシャンと・・・なんか
「真横に真っ直ぐ『空間ずらし』」
こんな感じで・・・これってなんか、交代でソロ戦をやってるみたい。
それに魔法一発で終わっちゃうし。
こうなったらボスに期待。頑張れゴブソーサラー!
そしてついにボスの間に到着。
「いい? ボスはともかくダンジョンコアに気を付けなさい。結界に傷ひとつ付けちゃダメよ!?」
とうとうクーラ先生の注意事項からも魔物への注意が無くなっちゃった。
そしてボス戦。
結局結界が気になっちゃって、魔法じゃなくって剣で倒しちゃった。
攻略完了。みんなお疲れーー。
街に帰って、晩ごはんを食べながらみんなで今日の反省会。
「クーラ先生どうしよう、ダンジョンを攻略した実感が全く無いんだけど」
「うん、これだと敵が弱すぎかな」
「ひとりで、できるもん」
「ああ、どうやらここはソロ向けのダンジョンのようだな」
「ええ? それってセカンケイブも初心者向けって事?」
「はあぁぁ・・・どうせ私が鍛えすぎたって言いたいんでしょ? でもね、・・・一番の原因はあなたたちの常識はずれの魔法でしょ!」
はいその通りです。
もう全員乾いた笑いしか出ない。
そして・・・
「仕方ないわね。予定よりかなり早いけど、明日からはカルアのスティールの進化に入りましょ。みんなで魔物の魔力を減らす、そうしたらカルアの出番。いいわね?」
「ま、それしか無さそうね。カルア、頑張りなさいよ!」
うん、頑張るよ。
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