第59話 冒険初日にみんながんばりました
ついにやって来たこの日。みんなで冒険者登録する日!
「おはよーー。ってあれ? もう全員集合? まだ8時だョ?」
「遅いわよカルア! みんなもうとっくに集合してたんだからねっ!」
まだ集合時間の1時間前なんだけど。
「僕たちは寮の朝食で顔を合わせるからね。3人とも支度は終わってたから、そのまま一緒に来ちゃったんだよ」
そう教えてくれたのはノルト。
「あれ? でも寮って確か男女別々の建物だよね?」
入学の手引にそう書いてあったはず。
「そうなんだけど、実は食堂だけは同じ場所になってるんだよ。だからみんな、周りの目を気して、ちゃんと身支度を整えてから朝食に来るんだ。そんな生活だから、自然と朝食前には出かける支度も済ませるようになっちゃうんだよね」
へぇ、それは知らなかった。
あれ? でもアーシュは寮じゃなくって通いだよね?
そんな僕の視線に気付いたみたい。
「あっ、あ、あたしは陰のリーダーとして、最後に来るなんて醜態を見せたくなかっただけよ! べっ別に楽しみ過ぎてとか待ちきれなくってとか、そんな事は全然無いんだからっ!!!」
ついでに昨夜はなかなか寝付けなかったんだろうなあ。
「うん、分かってるよアーシュ。きっと誰よりも冒険者登録の事を気にしてくれてたんだよね?」
「そっ、そうよっ! もう昨夜から気になって気になって・・・あっ・・・」
なんて話しているうちにクーラ先生も到着。
「お早う。みんなもう準備できてるわね? 登録が終わったらそのまま森に行くんだから、今のうちにもう一度持ち物を見直しておきなさい」
クーラ先生の指示にみんな持ち物を調べ始めるけど、大丈夫だったみたい。
ということで出発! その行き先はもちろん王都ギルド!
王都ギルドは、モリスさん達のいるギルド本部の近くにある別の建物。
初めは「なんで?」って思ったけど、仕事の内容が全然違うよーって言われて納得。
「さあみんな入るわよ。いい、ビビっちゃ駄目よ? 堂々としてれば態度の悪い酔っぱらい冒険者が絡んできたりしないんだからね!」
アーシュ、それ物語の読みすぎ。
しかも最近流行りの新人冒険者が成り上がろう系のやつ。
実際はそんな変な人なんてギルドにはいないからね!?
そしてギルドの中に入ると・・・変な人たちがいた。
王都ギルド食堂の一角。
「おっと、みんな静かにね。カルア君たちが来たみたいだからさ」
「ああっアーシュ! 見てごらんよ! 何とも凛々しい出で立ちじゃないか」
「ほらほら校長、目立たないように静かにね。見つかっちゃうからさ」
「それにしても何故私まで・・・」
「すみませんギルマス。ベルベルさんから『絶対連れて来るんだよ』って言われて」
「はい、オートカ先輩、あーーん」
「いやミレアさん、こんな人前でそんな・・・」
「やった! それふたりきりの時にって事ですね? はい言質、はい約束でーす」
「わしもう帰ってええか? 今日納品せにゃならんもんがあるんじゃが・・・」
「私は校長としてこんな姿を生徒に見せるわけには・・・」
あれは知らない人っ、あれは僕と無関係っ!
あのひとたち、だれなのかなあ? ・・・って無理だよね、やっぱり。
「何だろう? あの辺りの人たちってさ、何だかみんな見た事があるよね?」
校長先生やピノさんたちはともかく、他のみんなも顔が知られちゃってるのか。
まあ目立つ人たちだもんなあ・・・
「有名人、いっぱい」
「そうだな。今日ここで何かあるのか?」
いや、今日あるのは君達の冒険者登録だけだと思うよ?
「うう、何でお祖母様まで・・・」
それはお気の毒としか・・・
もうっ! この空気、どうしてくれるのさっ!?
王都ギルド食堂の一角。
「ああっ! モリス室長見つけたぁーーーっ!!」
ギルドに入るなり、モリスのもとに駆け寄るロベリー。
「しまった、見つかっちゃったか・・・」
「ほら室長っ! もう会議始まっちゃいますよ! 皆さんもう待って・・・ってピノ!? 何であなたまで・・・、いや丁度良いわ。今付与の手が全然足りてないの。こんな所にいるくらいなんだから、もちろん暇でしょ? ちょっと手伝ってよ。さあほら室長ハウス! ハリーハリー!!」
そう
「わし、帰りたんじゃが・・・」
「うーむ、私もどうやってヒトツメに帰ればいいのか・・・」
転移できるふたりが連行され、ヒトツメから来たふたりは途方に暮れている。
「さあて、アーシュに見つかる前にあたしも退散しようかねえ」
マリアベルは、すでに孫娘に発見されている事に気付いていない。
そしてマリアベルの陰に隠れるようにして、そっと席を立つラーバル。
「オートカ先輩、やっとふたりきりになれましたよ? はい、約束のあーーん」
「ミレアさん、この状況をふたりきりと言うにはちょっと無理が・・・」
「あーーーーん!」
これは放っておいて大丈夫、いやむしろ積極的に放っておくべき。
テーブルに残っているのは姉弟子とオートカさん。
そして呆然と立ち尽くしているのが、ギルマスとミッチェルさん・・・
あーあ、仕方ないなあ。
「ゴメンみんな、ちょっとだけ待ってて」
ギルマス達の側に行って、ぽそっと。
「僕が送りますよ」
「すまないカルア君。助かる」
「おおカルデシ、わしも頼むぞ」
そしてふたりを無事ヒトツメに送り届けて、と。
「おまたせ。ちょっと知り合いが困ってたみたいだからさ」
「「「「「・・・」」」」」
あれ? どうしたの?
「カルア、あんた『転移』なんて出来たの!? しかもふたりも連れてヒトツメまで行くとか、どんだけ・・・」
「おおお、カル師、マジカル伝説・・・」
しまった、ホントうっかり・・・
あの人たちの顔を見てたら、ついいつもの感じでやっちゃった。
「さあみんな、急いで登録しちゃおう! ほら「僕たちの冒険はこれから始まるんだ!」ってね。さあ冒険への第一歩だ! 受付嬢さーん、今行きまーす!」
もう強引にでも先に進めよう。モリスさんモード、発動っ!!
突き刺さるみんなの視線なんて・・・気にしないっ!!
いきなり色々あったけど、全員の冒険者登録、そしてパーティ登録も無事完了!
パーティ名? アーシュ発案の「オーディナリーダ」に決定。
さすがアーシュ、すっごくカッコイイ響きの名前だよ!
「そういえばアーシュ、『オーディナリーダ』ってどういう意味?」
「ああ、『普通のリーダー』って意味よ。すっごくいい名前でしょ?」
訊かなきゃよかった・・・
「さあみんな、そろそろ気を引き締めなさい! 森へ向かうわよ」
街を出た僕たちは、クーラ先生に連れられ森の入り口に到着。
あれ? あそこにいる人たちって・・・
「ちょっとアイ、あんたたち、どうしてここにいるのよ!?」
「何言ってるのアーシュ。あなた達を待ってたに決まってるでしょ?」
「へ? それってどういう事?」
僕たちの視線を受けたクーラ先生は、
「今日はあなたたちの初めての狩りだからね。その勉強も兼ねて、アイたちとの2パーティ合同訓練にしたの」
そう言って僕たちを見回した。
「みんないい? アイ達は1年前からパーティを組んでいる先輩冒険者よ。あなた達も訓練は積んできたけど、実地での狩りは今日が初めて。魔物の探し方から対処の仕方、その後の処理の仕方とか覚えなきゃいけない事は山ほどあるわ。アイ達を参考にして片っ端から覚えていきなさい。いいわね」
うん、さすが。
みんなの勉強の邪魔になるといけないから、僕は今日は手を出すつもりはない。
でも周囲の状況は把握しとかなきゃねって事で、「俯瞰」。
この辺りはどんな感じかなっと・・・近くにラビット、ちょっと奥にはボアとウルフか。あらら、薬草なんかは結構取り尽くされてる? 深いところまで行かなきゃ生えてないみたい。
「みんな、ちょっといい? 森では火事が怖いから『火魔法』とか『加熱』には注意だよ。出来るだけ使わないようにね。それと僕は緊急時以外は手を出さないけど、質問とかはどんどんしてね。という訳だから、今回のリーダーはアーシュよろしく」
「オーケー分かったわ」
「じゃあまずはお互い、冒険者らしく自己紹介しましょうか。クーラ先生、これって合同受注の訓練も兼ねてるんですよね?」
「ええそうよ。だからまずは自己紹介から。伝えるのは自分の名前とパーティでの役割くらいで、得意技とか細かいところまでは教える必要はないわ。そのあたりのさじ加減も覚えなさい」
という訳で、それぞれ自己紹介。
アイたちは前衛ふたりと後衛の3人パーティで、前衛はアイとバック。
アイは身体強化して剣を使う、ネッガーみたいなタイプだって。ってもしかしてピノさんの影響とか? ファンクラブの会長って言ってたし。
バックはこのパーティ唯一の男子で、こちらも身体強化と剣。でも見た目は後衛タイプで、喋り方とかもおとない感じ。もしかしてノルト系?
最後はルビー。なんと障壁と回復役。こちらも何だかおとなしそうで・・・
ってちょっと待って。前衛ふたりに回復役って、実は結構な脳筋パーティじゃ!?
「じゃあみんな、行くわよ!」
さあ森へ!
「あら? ほらあそこ、あれラビットの足跡よ」
「え? どれ?」
「分かり難いと思うけど、これがそう。まだそんな崩れてないから、近くにいるんじゃないかしら」
「ふーん、これがラビットの足跡なんだ。よし、覚えたわ。じゃあ最初の獲物はこのラビットね」
「そうね。ここからは出来るだけ音をたてないように静かに移動しましょう」
「分かったわ」
自分の知らない事は素直に聞いて吸収する。
簡単なようで難しい、それがちゃんと出来るアーシュは本当に凄いと思う。
この短期間でいろんな魔法が使えるようになったのも、これが大きな理由じゃないかな。もちろんビックリするくらいの才能もあるんだけどね。
「いたわ、あそこ」
そこに見つけたのは2匹のラビット。
「さて、どうする?」
アーシュに問いかけるアイ。もうさっきから完全に育成モード。
「そうね・・・ワルツ、氷のナイフでやれる?」
「1匹なら。両方同時は、自信ない」
「オッケー。じゃあ合図で左側のをやって。右側は・・・ノルト、礫でやれる?」
「もちろんさ。任せてよ」
「よし、じゃあふたりとも合わせて。3、2、1、今っ」
それぞれのラビットに向けて飛ぶ氷と礫。
次の瞬間、どちらも2匹のラビットの頭部に命中し、ラビットたちは崩れ落ちた。
「へぇ、やるじゃない」
そんなアイの声と共に、みんなでラビットのもとに。
「じゃあ次は解体ね」
そのアイの声に、アーシュは少し考える素振り。ああ、これはアレかな?
「ねえカルア、解体ってすぐにやらないと駄目?」
「動物なんかだと血抜きが必要だから、その場で解体しちゃったほうが良いんだけど、ラビットは魔物だから後でも構わないよ」
「そっか。じゃあ解体は後にして、今は先に進みましょ。『収納』」
アーシュの声と共に姿を消す2匹のラビット。
「え? 『収納』!? アーシュ、あなた『収納』なんて使えたの?」
「ふふん、まあね。冒険者をやるんだったら覚えといたほうが良いでしょ? 便利だもの」
「ま、まあ便利なのは間違いないけど。それにしても一体いつの間に・・・これ、もしカルア君由来だったら『報告』が必要か」
「じゃあ次ね。ええっと・・・、ああ、割と近くにボアがいるじゃない!」
あ、今やったな?
「アーシュ? ズルしちゃ駄目だよ?」
「う・・・分かってるわよ。つい、よ。つい! 『収納以外の時空間魔法は冒険者の基礎を覚えるまで使用禁止』でしょ? 分かってるわよ」
「うん、でもアーシュなら絶対すぐに覚えられるよ。何たってもの凄い努力家なのに才能だって凄いんだから。がんばってねアーシュ」
「うん、がんばる・・・」
「ほ、ほほほっ、報告案件っ!!」
小声で頷いたアーシュの隣で急に声を張り上げるアイ。一体何事!?
「むむむ、カル師、私もがんばる」
「うん、がんばってワルツ。さっきのナイフも凄かったよ。本番であれだけできるなんて、本当に凄いと思う」
あ、思わず頭を撫でちゃった。
ワルツの頭ってちょうど手を伸ばしやすい高さにあるから、つい・・・
「むふふ、褒められた。やった」
「こっちもだとぉーーっ!?」
何気ない誘導で方向を指し示すクーラ先生、そして近づいてからはアイたちの指導。この素晴らしいコンビネーションで、みんなは無事ボアを発見。いい感じ。
「さて、今度はどうする?」
そんなアイの問いかけに、
「アーシュ、ここは俺ひとりでやらせてくれ」
と名乗りを上げるネッガー。
「へえ、理由を聞こうじゃない」
「ああ。傷が少なく毛皮が高く売れると聞いた。ならば素手がいいだろう?」
「へっ? 素手!?」
驚くアイの横で、
「ああ、そういう事ね。じゃあお願いするわ」
と軽く応えるアーシュ。
「承知した」
突然目の前にネッガーが現れて、ボアビックリ。
あの速さだと、きっと本当に突然現れたように見えただろうね。
でも、そこはさすが野生の魔物。ブルはすぐに体勢を整えてネッガーに突進!
なんだけど、それ身体強化したネッガーには通用しないんだよね。
あっさり止められ、その太い首に腕をまわされ、その突き出た鼻の辺りに手を掛けられたら・・・
低い音と共に首が真後ろを向いて、ボア終了のお知らせ。
ボアを完封したネッガーを指差し、アイはクーラ先生を見て口をパクパク・・・
そのアイを少し悲しげな瞳で見て、そしてゆっくりと頷くクーラ先生。
クーラ先生の表情に何かを悟ったのか、アイは指を下ろし視線を落とした。
でもねアイ、ネッガーをそこまで強くしたのって、そのクーラ先生なんだよ?
「ボアも魔物だったわよね、確か」
そう言いながらボアを「収納」するアーシュ。
それはもう流れるような動作で。
はぁ、あの滑らかな魔力操作はいつ見ても凄いなあ。真似できる気がしないよ。
そんな感じで、時間はそろそろ夕方に差し掛かる頃。
「そろそろ野営の準備を始めないとね」
うーーん、この近くに開けた場所って無いんだよねえ。どうする?
「じゃああの辺りを『整地』しちゃおうか」
そう言って少し離れた場所を指差すノルト。
「ああそうね。じゃあノルトお願い。あたし達ここで待ってるから」
「りょーかい。あ、ネッガーだけちょっと手伝ってくれる? あの木を切り倒して椅子とテーブルにしちゃってよ」
「分かった」
ネッガーが剣を軽く横に振ると、木の幹はその剣筋の通りに切断された。
あれ? 何で? 「空間ずらし」なんて付与して無いのに・・・
そのまま枝を落として皮を剥けば、あっという間に綺麗な丸太の出来上がり。
それを地に置くと、ネッガーはノルトに声を掛けた。
「乾かしてくれ」
「了解。『分離』」
木は一瞬で乾燥、というより木の中から程よく水分が消え去った、が正しいかな。
全部の水分を『分離』させないのがポイントなんだよ、って言ってたし。
ビックリだよね。ノルトがやって見せるまで、植物とかを錬成するなんて思いも付かなかったよ。でも言われてみれば、なぜ思い付かなかったんだろうって逆に不思議。
丸太を持ったネッガーがその場を離れると、ノルトは杖を地面に突いて、そこからいよいよ本領発揮。
「さあ始めるよー。まずは『分解』」
なんと、これはノルトオリジナルの「錬成魔法」。
ノルトが言うには「ドロドロに溶かせるんだったら、粉々にだって出来るでしょ? それって『分離』の考え方とそんなに変わらないじゃん」だって。
これもやっぱり、言われてみれば確かに! って感じ。
でも今やってるこれ、見た目は「分解」っていうより「粉砕」?
だって、周りに生えている木が次から次へと粉々になってくんだもの。
「『分解』『分解』『分解』『分解』」
そしてノルトの前にあるのは、さっきまで木だったものの山と
「よし、じゃあ次は『緩解』からの『混合』」
「分解」によってできた木の屑は、柔らかくなった地面と混ざり合い、あっという間に土にしか見えなくなった。
「それじゃあ仕上げに『圧縮』っと」
木が「混合」されて盛り上がっていた土は、「圧縮」されて周囲と同じ高さに。そして平らに固められて、完全に「整地」された。
「出来上がり-」
開始からここまで5分とかかってない。これが土プロの本気。
「できたぞ。これを頼む」
そう言ってネッガーは綺麗に切ってきた木の板を並べ、その板にノルトが、
「いくよ、『癒着』」
またまたオリジナル錬成を発動。
「癒着」は接着したい部分だけを融解・凝固して一体化させる魔法。これで並べた木の板は一枚の大きな板に。
これがテーブルの天板、そして次はそれに足を「癒着」。
周りに切り株型の椅子を並べれば、テーブルセットの完成。
ノルト、たった2週間でこの仕上がり。
もう錬成でノルトに勝てる気がしないよ。
そこにやってきたアーシュ。
「ちょっとノルト、地面濡れてるじゃないの。もうちょっと乾かしておきなさいよね」
「ああそうか、ゴメンゴメン。すぐにやるよ・・・よし『分離』っと。これどうしようか」
地面の土から分離して空中に浮かぶ綺麗な真水。
それを見たアーシュは、収納から大きな鍋をいくつか取り出してテーブルに並べ、
「料理とか飲み水に使うから、この中に入れちゃって。入りきれない分は氷の塊にして隅に置いといて」
うーーん、なんて無駄がない・・・
そしてみんなで解体の時間。
最初はおそるおそるって感じだったけど、だんだん慣れてきたみたい。
皮、骨、肉、腱、内臓、そして黒い魔石。
ラビットもボアも無事に解体完了。
食べるもの、持ち帰るもの、廃棄するものに分けて、持ち帰るものはアーシュが収納、廃棄するものはノルトが土に還した。
それを静かに見つめるクーラ先生やアイ達の表情は、今まで何度も見てきたあれ。
でもきっと大丈夫。そんな表情をしてきたみんな、今はすっごく楽しそうだから。
今朝も楽しそうだったでしょ?
そして食事の時間。
ここで意外な才能を見せたのはワルツ。なんと、「加熱」と「冷却」を器用に使いこなして、全員分の夕食をひとりで作っちゃった。
出来上がったのは、ピノさんのとは違うちょっと変わった料理。今日のメニューは「賑やかな森の夕べ〜兎と猪が踊る肉の響宴、もぎたて生レバーとともに〜」だって。
ワルツに凄いねって訊いたら、なんとワルツの家は有名なレストランなんだって。
じゃあ今度みんなで行こうよなんて話に。ああ、パーティって最高!!
食事の後は野営。
それぞれテントを立ててたら、交代で見張り番。
みんな、一日目お疲れさま。明日もがんばろう!
夜のテントにて。
「先生、私これ以上あれを見てたらダメになると思うんです。もしあれを普通って感じるようになっちゃったら・・・」
「ぼく今日自己紹介のあと一言も喋ってないんだ。いる意味あるのかな?」
「わたしも。ずっと、何故ここにいるんだろうって考えてて・・・」
「あと一日よ、あと一日がんばって。3人ともごめんね、まさかこんな事になるなんて思わなかったの。あの子たち、すっかりカル・・染まっちゃって。・・・ちょっと前まで普通の生徒だったはずなのに!」
▽▽▽▽▽▽
ピキキーーーン☆
「ピノ、報告書の件でギルマスが呼んでるわよ?」
「あれ、今何か・・・あれ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます