第357話 【最高で最好で最煌の杖】
「【デバフ】!」
俺の叫びと共に周囲にデバフの波動が飛び交う!
それを見た緑髪の娘が杖を掲げて何やら唱えた。
「【聖女領域+9】展開!」
その瞬間に俺のデバフの威力がかなりカットされた。
「なにっ!?」
「和希! そう何度も同じ手が通用すると思わないでね!」
優樹が声を張り上げて杖を見せつけてくる。
「和希、貴方が呪いの杖を使うと言うのなら、私は祝福された杖を使ってあなたを正気に戻すよ!」
そう呟くと彼女の周りに【幸福の杖】【祝福の杖】【慈愛の杖】【享楽の杖】【博愛の杖】【友情の杖】【最高の杖】が出現する!!!
「行っくよ〜!!! さんはい! 【グロウアップ】!」
彼女がそう叫ぶと杖が一箇所に集まり一つの杖となった。
俺の持っている全てを拒絶しまいと鈍く光り続ける禍々しい杖とは対極の明るくて皆を自然と引き込まんとする配色の美しい杖が彼女の手に収まった。
「名付けて【
その輝きの凄まじさに俺は一瞬足を後ろに運んだ。
じゃりっという砂利の音が聞こえてくると俺は奮起する。
(何を恐れることがある? 所詮は小娘。こちらの攻撃が1発でも当てればただのカカシだ)
そう思った俺はデバフを再び放ちながら【闇の波動】を使う。
「この領域がどんな効果があるのか知らないが、お前如きが俺を止められると思うなよ!」
その言葉に彼女はこう答えた。
「うん、私じゃ和希を止められないよ。
そう答えた瞬間にブーメランが俺の腹を抉った!
「ぐっ!」
ブーメランの戻る軌道を見ていると、そこにはラカラがいた。
「兄ちゃん! そんな呪いなんかに負けるな!」
「貴様...! 俺に歯向かおうと言うのか? ガキの分際で!!」
俺が奴にデバフをかけて動きを遅くした後、杖で思いっきり殴りかかったのだが...。
ガギィン! と青髪の女に盾で受け止められてしまう。
「ぬぅ! 貴様もか!!!」
「...【弱体術師】様、今だけは貴方に敵対させていただきますね。【カウンター+9】!!」
「ぐっ!!!」
【カウンター】を受けた俺は数歩後ずさる。
「...なかなかやるな、だが今ので貴様のステータスを42%低下させたぞ!」
「ぐっ...」
俺は明らかに調子が悪くなっている奴に追加の一撃を入れるのだった。
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