第337話 悪夢②

 優樹と婚約をし終えた俺はその後大聖堂に来ていた。


 1ヶ月かかったそうなのだが、その間の記憶は一切ない。


 まあ、所詮夢は夢なのだ。


(俺が勇者で佐藤が親友ポジの夢...ね。まさしく悪夢だな)


 そして大聖堂の中にへと場面が移る。


 俺たちはそれぞれのクラスアップを斡旋され、レベルの限界が100から上がる。


 どうやらクラスアップをすることで100以上のレベルに到達できるようだ。


 まあ、これは夢なので本当かは知らないがな。


 取り敢えず俺は【勇者】から【絆の勇者】にクラスアップを果たした。


 ステータス画面を見てみたが、今まで溜まっていた経験値が爆発し、124レベまで上がっていたので驚いた。


(どんだけ無駄に戦ってんだよ)


 まあ、結局クラスアップすれば無駄にならないから本当の無駄と言うわけではないが、それでも24レベル分の経験値って...。


 俺はクラスアップの間で仲間たちがクラスアップするのを待っている。


 佐藤石川優樹と続き後は◯◯だけだ。


「ではこれより【弱体術師】様のクラスアップに入ります」


 神官らしき人が呪文を唱えてクラスアップの儀に入る。


 周囲から魔素が溢れて◯◯の体に纏わりついていき黒いモヤのような物が彼女の体を覆う。


「なんだ? 俺の時と随分違うようだな」


 俺の時には光が満ち溢れながら俺に降り注いできただけである。


 佐藤は武器のオーラのような物が周囲を舞っていた。


 石川は数字と文字の羅列を見に纏う感じで、優樹は優しい木漏れ日に身を包むようだった。


 そう、俺たちのクラスアップは祝福のような感じだったのだが、彼女のだけはまるで...。


 そこまで思い返すと俺は駆け出した。


「今すぐこのクラスアップを中止しろ!!!」


「勇者様!? 何をするのです!?」


 神官の驚く声が聞こえて来るが俺はその行動を止めさせようとする。


「あれは...あの感じは!!! 新たなの生誕だ!!!」


 そう、俺が感じ取ったのは呪いの波動だったのである!


 俺がクラスアップを止めようとしたのだが、残念ながら止める事はできなかった。


 そのままクラスアップの儀を終えた◯◯の姿はまるで...。

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