第310話 【弱体術師の旅路】④
パラパラパラと1人でにページをめくる【弱体術師の旅路】に視線を移す俺。
そして加筆部分には【弱体術師】のテイムした魔物連中の名前が記載されていた。
アルミラージのアル子。
吸血蝙蝠のリィカ。
ホワイトブルーバードのフワン。
物凄く聞き覚えのある名前に俺は「やはりか...」と呟いていた。
しかし、そうなってくると合点がいかない部分もある。
なぜアル子たちが俺に平伏し、優樹を殺そうとしていたのかがいまいちよく分からない。
大体この本の作者と俺とは無関係の筈だ。
なのにアル子という名前が俺が最初に仲間にしたのと同じアルミラージという種族に付けられている。
これは偶然なのか? それとも何か理由があったのか? そこまで考えると一旦考えるのをやめる。
(待て待て、大事なのはそこじゃないだろ)
...取り敢えず本の内容を読み進めていく俺。
遂に本の中の勇者一行も大聖堂に辿り着きクラスアップしたようだ。
【勇者】は【絆の勇者】に。
【戦士】は【豪の戦士】に。
【賢者】は【知識の賢者】に。
【回復術師】は【勇気の回復術師】に。
そして【弱体術師】は【弱体の...。
「んっ? なぜだ?」
凄く微妙なところで途切れている上に他の勇者とは違う感じの命名をされたようだ。
他の勇者達が◯◯の◯◯なのに対し【弱体術師】だけが弱体の◯◯と記載されている。
しかも文字が掠れて読めないし、相変わらず勇者達の人物名は読めないままだ。
そう思っていると...。
〈もう少しで会えるね...〉
と聞き覚えのある声がした。
「...んっ?」
『EXスキル【狂人の杖】と【狂人なる精神】を取得しました。【狂人の杖】が【憤怒と憎悪と嫉妬と恨みと忘却と苦悩の杖】と共鳴し【
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