第273話 奴隷のTSロリ吸血鬼勇者

「高坂...俺は今実はお前の奴隷になってるんだ...」


 最初はシュガーの言葉を疑った。


「はぁ? 俺がいつお前を奴隷にしたって言うんだ? って言うかお前なんぞいらん! マジで邪魔だ。不快だから今すぐ俺の目の前から消えろ」


 しっしっと手で払ったのだが、どうやらそうもいかないようで...。


「...頼むよ高坂、今の俺はお前の許可なしじゃレベルすら上がらないんだぜ。頼むよ! なっ!なっ!」


 あまりにもしつこいので「だったらレベル上げれるように設定してやるよ」と答えると彼女はこう呟いた。


「いや...、お前の半径2キロ以内じゃないと経験値が入らないっぽいんだ。しかも武器や防具すら装備できない...。


「なんだ? そんな訳ないだろう?」


 そう思いながらも俺は気になったので一度だけシュガーをパーティに入れてやる事にした。


 ステータスを見たらさっさとパーティから外すがな!


 シュガー【低位吸血鬼】【勇者】【高位吸血鬼の眷属】【弱体術師の言いなりペット】レベル1


 HP ・10


 MP・230


 力・56


 守り・50+1


 素早さ・60


 知力・20


 器用さ・16


 攻撃魔力・300


 回復魔力・300


 妨害魔力・150


 耐性『無し』


 魔法『無し』


 EXスキル『【プチ吸血】』


 マイナススキル『【純化】【♀化】【お子様化】【身体の成長抑制】【弱体術師に絶対服従】【弱体術師の許可なしにレベルが上がらない呪い】【弱体術師の隷属スキル】【十字架弱点】【銀系の武器弱点】【ニンニク弱点】


 武器【無し】


『【弱体術師】の指令がないので武器を装備できません』


 防具【村娘用の服】


 守り+1


『【弱体術師】の指令がないのでこれ以上の防具を装備できません】


 シュガーのステータス画面を見た俺は思わず絶句した。


「お前これどうしたの? めっちゃレベル吸われてるし有用なスキル殆どないじゃん!」


 いや、レベル1にしては能力値高いけどさ、それにしてもこれはないだろう。


 しかし、奴のマイナススキルを見ていると思わず俺はニヤついてしまった。


 今のシュガーは俺の指令無しには殆ど何もできない可愛い奴になっていたのだ。


「ふ〜ん...、シュガー」


「な...なんだよ!」


「脱げ」


「はいっ!」


 ビシッと敬礼した後にパンツまで脱ぎ去るのを見て笑いが込み上げてきた。


「ぷはは!! 本当じゃん! 本当に俺の指示に従ってやんの!」


 俺の笑い声に彼女は赤面し大事な部分を腕で隠しながら抗議してくる。


「う.../// うるさい!/// 死ねっ!/// 」


 声を振り絞った最大限の講義がそれなのだろう。


 やれやれ、異世界に来た最初の日であればこんな事になるなんて思っても見なかったな。


 これは面白い事になりそうだぞ、と思いながらも流石に裸はまずいので奴隷らしいボロボロの布切れをシュガーに着させるのでした。

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