第258話 リィカ=レジアス
「ちょっと待てよ、佐藤」
俺は佐藤らしき白髪幼女に声をかける。
「なんだよ高坂! 今はふざけてる場合じゃないだろ!?」
目の前の白髪幼女が両手を上げて俺に言い聞かせようとしてくるのを見て思わず「ぷっ」と笑ってしまった。
「なんで笑うんだよ!」
「お前...、ちょっと自分のち◯こ触ってみろよ」
俺のセクハラ発言に佐藤は答える。
「はっ!? なんで今なんだ!?」
「だから触ってみろって」
「...仕方ねぇな」
そう言いながら目の前のロリ幼女が自分の股に手を置いた。
「...あれっ?
その時の佐藤の顔といえば爆笑物だった!
俺は戦争中だと言うのに思わず大声で笑ってしまう。
「ぶあっははははははっは!!! いい姿だな! 佐藤!! お前もうそっちの姿で一生いろよ! そっちの方がまだ可愛げがあるぞ! まあ見た目だけだがな!」
俺の笑い声にムッとした顔で声を上げるリィカ。
「佐藤って名前は可愛くない! その子はシュガーちゃん! 吸血鬼リィカ=レジアスが命じる、【勇者】佐藤の名前をシュガーに改名する!」
そう彼女が叫ぶと佐藤の周りに光が集まり改名が完了されていた。
「なっ!? 俺のメニュー画面での名前がシュガーになってる!!!?」
「ハハッ! ざまぁないなさ...」
そこまで言いかけた時に俺の口が「シュガー」と変わってしまった。
「なんだ? 口が勝手に...」
何度か佐藤と呼ぼうとしたのだが、まるで自然に佐藤の事をシュガーと読んでしまうようになっていた。
「これ...マジ?」
俺は思わず佐藤...もといシュガーの事を初めて少しだけ可哀想に思ったが...、やっぱり可哀想だとは思わないように思うことにした。
「シュガー」
「あっ! 高坂! 俺の事をシュガーって呼ぶな」
「...すまんが諦めろ、既にこっちの方が言いやすい」
「はぁ!? ふざけんな! 小鳥遊!」
「なに? シュガー」
「...そこの黄色いの!」
「シュガーさん?」
「...ちびっ子!」
「今はお前の方がちびっ子だ! ばーか!!」
「...アルシェ姫!」
「なんですか? シュガーさん?」
全員一致で佐藤は今日この瞬間にシュガーとか言う【小娘吸血鬼勇者】になってしまうのでした。
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