第227話 パワーレベリング②

 俺たちが村の外に出てみると早速【一つ目巨人サイクロプス】や【グレーターデーモン】と言った高位の魔物達が目に映る。


「さっ、ぼ〜っとしてないで探しにいくよ!」


 ケロナはこの中を颯爽と駆けながら敵を倒していく!


『EXP25677を入手しました。EXP34891を入手しました』


 ボスでもないのにこれだけの経験値を村の前の雑魚敵が落とすのだからちょっと奥に行けばさらに経験値は跳ね上がる。


 言うなればここら辺がこの前の戦争で戦ったグリフォン級の強さであり、これ以上進むと段階的に敵の強さが上がっていくのだ。


 少し進むとサイクロプスの上位版であるギカンテスが出現し、ここまでくるとドラゴンも普通に生息して縄張り争いをしている光景すら見受けられるようになってくる。


 先ほど戦っていたレッドワイバーンですらここの食物連鎖にはついてこられないだろう。


 その分このテローゼ村付近に生息している魔物達は基本的に強い。


 なぜなら、この辺にある薬草には基本能力を僅かに向上させる木の実などが落ちているのだ。


 それらを口にしている個体は通常の個体よりも若干パラメータが高くなっているので通常種よりも経験値も蓄えている事になる。


 そんな奴らを相手に今の今まで集落を守り続けてきたテローゼ村の住民は相当凄腕の集団と言えるだろう。


 ではそんな連中が子供とは言え帰ってこなかったという事はとんでもないステータスの魔物が出てきたか油断して命を落としたかの2択になる。


 しかし後者の確率はかなり低いだろう。


 なぜなら子供とは言えこの村の連中は圧倒的に強いのだから。


 具体的に言えば騎士団長クラスの強さを子供の時点で身につけている集団といえば良いだろう。


 大人にもなれば弱くてこの前の石川程度の強さがあり、村長に至ってはレベルが100を超えているらしい。


 なんだよレベルが100を超えるって...、やっぱりこの世界はネトゲの類いだったのか?


 ネトゲであれば100レベルを超えることもあるが、そうなると最高レベルがいくつになるのか検討もつかないぞ。


 俺は先の見えないレベル上げに少し脱力感を感じたが、今はできる事をしよう。


 ケロナの後に続いて俺たちもレベルを上げる。


 流石に1週間も同じことをしていれば大体慣れてくる。


 そうこうしながら俺たちははぐれた子供を探すのだった。

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