第214話 【魔王の僕】
「いやいやいや!!! 【料理】関係のスキルは確かにあったが質問に答えろよ! お前は本当に【魔王】から生み出された魔物なのか!?」
俺は思わず身構えていると、ケロナは普通の勢いで「そうだけどそれがどうかした?」などと言い出した。
「どうかした? じゃないだろう!! かなり重要なとこだぞそこ!」
「ええ〜? 今更【魔王】程度の存在があるというだけで何を怒ってるんだよ。だいたい【魔王】名乗る奴の大半は雑魚だぞ? 本当の意味で【魔王】名乗ってた奴なんて5人もいなかったしな」
「そ...そうなのか?」
「ああ、【魔王】は名乗りたい奴が名乗って実力がなければ有象無象に潰されて終わり、そうでなければかなり長い年月をかけて本物になっていくっていう感じだろ? ちなみに私の主人は【魔王】を名乗ってまだ数年も経ってないからペーペーも良いとこだ」
「ぺーぺーでもなんでも【魔王】は【魔王】だろ?」
「まあ、潜在的な魔力は凄まじいな。私も自分の主人以外で自在にモンスターを生み出す【魔王】にはあった事がないからな。あっ、でも戦闘力は全くないからね。多分貴方達の誰よりも弱いよ私の主人は」
「それで【魔王】を名乗っていいのか?」
戦闘能力のない【魔王】なんてそんなに聞いたことがない。
一応ゲームならでダンジョンを掘るゲームで戦闘力0の魔王を守りながら戦うゲームはした事があるがそんな感じか?
つまりケロナは戦闘力0の魔王を守るための存在なのだろう。
【一兵卒】にしては強すぎるきもするが今の彼女に敵対心がないことだけは分かっている。
俺が考えていると「大丈夫だよ。私の主人は人間に優しいからさ。それに私だって別に和希達を襲ってないだろ? それが答えって事で今は協力し合おう」
...確かに彼女の能力には目を見張るものがある。
このままパーティに入っていてくれればかなり充実した経験値稼ぎができるだろう。
「...分かった。お前は俺たちの経験値稼ぎを手伝う。俺たちは何をすればいい?」
「そんなの決まってるよ。私にこの世界の常識やら文字やらを教えて欲しいんだ。もしかしたら私もこの世界の恩恵を受ける事ができるかもしれないからね」
「...分かった。再度交渉成立だ」
「助かる」
俺とケロナは取り敢えずお互いに利用し合う関係として協力し合う事を再度誓うのでした。
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