第195話 戦火の村③
「石川!!!」
そう! 現れたのは【賢者】石川だった!
「佐藤! どうやら君が遊んでいる間に僕は随分と先に進んでしまったようだな! 今や僕が勇者最強だ!」
「ぬかせ石川! テメェのレベルはいくつだ!?」
石川は肩をすくめながらこう呟いた。
「聞いて驚くなよ? 72だ」
「7...72だと!? 俺だってまだ63だって言うのに!!」
(いや佐藤、お前も充分に高いぞ?)
そうは思っているのだが、先ほどの一撃を見てレベルの低いラカラの方が強いんじゃないか? とさえ思ってしまったがな。
いや、まあ俺のお膳立てがないとラカラもあの火力が出せないとはいえ、こういう戦争ならば個人で最強よりも集団力の方が重要だと思うのは俺だけだろうか?
それを差し引いても勇者と呼ばれる連中は性能が高いだろうから召喚するだろうけどさ...。
そうでなければ異世界人が勇者を召喚するメリットがないからな。
しかし、そう考えるとやはり【弱体術師】や【回復術師】などと言う不遇な職業があるのが解せない。
【弱体術師】なら【黒魔道士】で事足りるし【回復術師】なら石川のような【賢者】やアルシェのような【騎士】の方が有意義に思えてしまう。
わざわざこんな職業を作る意味がないだろうと異世界の住民には問いたい。
俺がそうこう考えていると石川がグリフォンに向けて手を向ける。
「【プチメテオストライク】!」
そう呟いた石川のてから小さな小隕石が現れてグリフォンの一頭を八つ裂きにした!
「グルァァァァァ!!!」
怒ったもう一頭が石川に向かっていくのだが、それさえも笑って見据えている。
「お前も俺に一撃に沈むといい」
そんな事を言いながら「【デーモン・ハンド】!」と叫んだ!
異空間より黒い悪魔の手が飛び出してグリフォンに掴みかかる!!!
「グギャァァァァ!!!!」
グリフォンはけたましい声を上げながら悪魔の手によって握り潰されてしまった!
あまりにも凄惨な現状に俺たちは息を呑む。
「どうだい? 佐藤に高坂、そして小鳥遊さん。今の俺は君たちの中で1番強い」
すました笑顔でそう呟く彼だったが、今回も前の戦争の時のようにカウントダウンが始まった!
と言うことは...!
「皆!! 気をつけろ! リィカって奴がくるぞ!!!」
俺の言葉に勇者全員が一点を見据える。
次元の狭間のように空間が歪んでそこから白い翼を持った青髪の女性が現れるのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます