第68話 【弱体術師の旅路】
「くそっ! 離れないな!」
俺が焦っていると優男が入ってくる。
「どうかしましたか? 和希様」
その言葉を聞いた瞬間に俺の心拍数が跳ね上がる!
(まずい!!)
勝手に彼の集めた本の一冊を消費してしまった事をどう説明したら良いか分からずに動揺していたのだが、ここは素直に謝ろう。
「悪いな、この本が勝手に俺のメニュー画面に入ってしまって手放せなくなってしまったんだ」
「メニュー? それにこの本は?」
「知らないのか?」
「【弱体術師の旅路】? はいここにそのような本はありませんよ?」
優男も知らない本?
「ちなみにここにお前が知らない本はないよな?」
「はい、そのはずですが...」
不思議な事もあるもんだなともう一度【弱体術師の旅路】の内容を見てみると...?
(あれっ? 読めなかった部分が少しだけ読めるようになっている?)
気になったので少しだけ読んでみると、この本の中の主人公は俺と同じ【弱体術師】で幼馴染は【勇者】に選ばれていたらしい。
ちなみに名前の部分は全て黒く塗りつぶされているせいで誰1人として登場人物の名前が分からなかった。
(まあ先代の【弱体術師】が何をしていたかなんて俺には関係ないが、興味はあるな)
この本が修復された原因は分かりませんが、もしかしたらここに【弱体術師】が嫌われている原因が記されているかもしれません。
それに手放せないのなら持つしかないでしょう。
(メニュー画面の肥やしだがまあ良いか)
俺は渋々その本をメニュー画面の中に戻して再び読書を続けるのでした
『【弱体術師の心得】を取得した事により以下の魔法を取得します。【攻撃弱体化・大】【防御弱体化・大】【速度弱体化・大】【知力弱体化・大】【束縛付与】EXスキル【弱体化範囲増強・中】を取得しました』
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