第63話 ウルフミラージュ討伐報酬
〜アルセージのギルド〜
「ウルフミラージュの首だ」
俺が倒した証明として首を出す。
基本的に魔物はいらないと思った部分は勝手に消滅するのだが、倒した者が欲しいと思った部分は残るのだとこの仕事をしてから理解した。
ちなみに素材がいらないからと死体全てを消滅させると少し多めに経験値貰えるので無駄ではない。
今回はドロップアイテムとして毛皮と爪、そして首を貰っていたのだ。
「これがウルフミラージュか...」
「初めて見たな...」
とギルド内の冒険者がそう言っていた。
(まあレベル35だしなこいつ。俺たちもシュナが居なかったら勝ててたか怪しいぞ)
シュナが規格外の火力を有しているお陰でなんとかなりましたが、もしもシュナが居なければ全滅していたかもしれない。
「お手柄だぞシュナ」
「いえ、和希さんの【魔封じ付与】が無ければ私もやられていたかもしれませんし、小鳥遊様がいなければあんなに素早く動けなかったと思います。なのでこれは皆のお手柄ですよ」
ここまでできる子なのに謙虚すぎる気もするが、まあそれくらいの方が扱いやすくて良い。
だけど時には強欲に何かを求めて欲しいとも思う。
欲が無い方が生きやすいかも知れないが、欲があった方が生きていくための道標になる事もあるからな。
貪欲に何かを求める者の強さは異常だと俺は過去の記憶から理解している。
そこまでの欲をシュナに持って欲しいとは思わないが、少しの欲は彼女の成長を促すだろう。
「と言うわけで今回の配当金は3等分だな」
いつもは俺が総取りしてそれを2人と話し合って何に使うかを考えていたが、今回は2人にも金を渡して楽しんで貰おうと思う。
ウルフミラージュの報酬は30万ラピス。
1人あたり10万ラピスの配当金だな。
「この金は自分の好きな事に使ってよし! 明日は各自好きな事をすること! 以上解散!」
俺は一旦パーティを解散し、優男のいる屋敷へと戻るのでした。
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