第31話 【勇者】VS【弱体術師】②
「速攻で決めてやるぜ!!!」
そう言いながら俺に剣を向けてくる【勇者】佐藤。
(早い!)
俺は間一髪のところでその攻撃を躱す。
「おっと躱したか、だが次は当てるぞ」
(冗談じゃない。あんなに動きが早いと何度も躱せないぞ)
俺はすぐさま体勢を立て直し【速度弱体化】を佐藤にかけた。
「はんっ! ちょっとデバフをかけたくらいでお前と俺の力量さが変わると思うなよ!」
【速度弱体化】をかけているのにまだまだ素早かったので【堕落付与】の魔法をかけて更に速度を落とす。
「なんだ!? 体がだるくなったぞ!?」
先ほどよりも明らかに素早さが落ちている奴に【攻撃力弱体化】をかける。
デバフをかける事に集中していた俺は奴の一撃をもらうが、【堕落】と【攻撃弱化】を与えているので最大HPの半分程度のダメージで済んだ。
とは言え3つの弱体化を重複させてもこれだけのダメージを受けるので油断は禁物だ。
俺はすぐさま武器を【癒しの杖・特】に持ち替えて回復する。
それを見た佐藤が声を上げた。
「あっ! お前! 回復薬を使ったな!」
「回復薬? 俺はそんな物の存在は知らないぞ? と言うかこれは道具の効果だ。消費アイテム使用による回復じゃない」
武器の効果による回復なので恐らく問題はないだろう。
「うぅぬ...」
王様も大衆の面前のせいかあまり強い言葉を使えないようだった。
「屁理屈言いやがって! 回復する間も無く攻撃すれば良いだけだろう!」
そう言いながら剣を振りかざす奴の攻撃をできるだけ回避しながら【銅の毒杖・特】に持ち代える。
隙ができたので一撃を入れた。
「ここだ!」
バンっと音を立てて奴の腹を叩いたのだが...。
「全く効かないな!」
そう言いながら反撃の蹴りを喰らう。
「ぐっ!?」
やはり弱体化させていると言うのにかなりのダメージを喰らう。
すぐさま杖を持ち替えて回復する。
(後8回...)
そう、【癒しの杖・特】には使用回数制限があるので後8回しか回復できないのだ。
それを頭に入れながら戦いを続けるのだった。
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