第5話


つめたいッ!



ビショ濡れになったソックスをギュッとしぼると、玄関に滴るしずくがぴょん!と跳ねました。



素足のまま上靴を履いたら、一気に階段を駆け上がります。



けれど、廊下に生徒の姿はなく、どの教室もシーンとしています。



わたしが一番最後のようです。



嫌ですね〜



心細い気分のまま、2ーAの前で足を止めます。



ドキドキする胸を両手で押さえながら、ドアに手をかけようかと迷っていた時でした。



「 おはよ! 」



わぁ〜!?



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