甘い匂い
(美容室「カルテット」で、宮田にスタイリングをしてもらう柊)
宮田「(鮮やかなハサミ捌きで髪をカットしつつ)もうすっかり秋ですね」
柊「ん、そうだな」
宮田「ここ数日、金木犀の甘い香りが風に乗ってあちこちから流れてきて、幸せな気分になります」
柊「……うん、確かに……『おっ、こいつの割にはなかなかしみじみしたいいこと言うじゃんか! 例の恋人とラブラブで人格もいい方へ改善してるのかも……よかったな宮田!』
金木犀は涼しくなると一気に咲いて、季節が移り変わったって教えてくれるよな。あの甘い香りは秋の匂いそのものだなあって思うよ」
宮田「……(柊の耳元へすいと顔を寄せてこそっと囁く)でも、やっぱり何と言っても一番下半身にクる甘い匂いは君の匂いなんだよね……」
柊「……はあ!!!?
(がっと真っ赤になってぐるっと宮田の方を向きギリっと睨む)おいあんた一体何の話してんだよっ!!? せっかくいい話してたのに台無しじゃねーか!? それにあのラブラブな恋人はどーしたんだよっこのヘンタイ浮気野郎が!!」
宮田「(ニヤニヤ)え、こんなのただのリップサービスでしょ? 今や超セレブな副社長夫人が美容師のくだらないジョークなんかに過剰反応してお下品言葉怒鳴ったりしちゃダメですよ♪♪ ああこんなに単純で可愛い三崎くんとマジで不倫しちゃいたい……ダメ?♡♡」
柊「……『変態かつバカすぎてなんかちょっとコロシたい……』」
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