デキる女

樹「菱木さん、おはよう。

 ……ん、今日は少し顔色が良くないようだけど?」

さくら「副社長、おはようございます。

 はい……実は昨夜、ワイン飲みながらやっと手に入れたDVD観てたら、うっかり飲み過ぎちゃったみたいで……ちょっと頭痛が……。

 申し訳ありません(苦笑い)」

樹「ああ、そういうのやりがちだよね。酒に強いと飲み方も乱暴になりやすいから、気をつけないと。

 あ、そう言えば、この前しゅ……(はっとして口元を覆う)」

さくら「(クスッと)副社長、私と話す時は言い直さなくても大丈夫ですから」

樹「……そう?(嬉しそうに)じゃそうさせてもらおうかな。

 この前、柊くんがワインのおつまみにトマトとモッツァレラのカプレーゼを作ってくれてね。お酒を飲む前にチーズなど乳製品を食べると、胃を保護する働きをしてくれるらしい。一緒に野菜も食べられてヘルシーだし、身体に優しいおつまみだって話してくれたよ。

 作り方も簡単みたいだから、今度レシピ聞いておくよ」

さくら「それは嬉しいです! ありがとうございます。

 副社長には、三崎さんみたいな素敵なパートナーがいらっしゃって、本当に羨ましいです。……私もそういうお嫁さんが欲しいんですよ、最近ほんと」

樹「ん、そうなのか? なら僕も知り合いを当たってみるよ。君のお嫁さんにふさわしい……

 ……って、ん??」


さくら「はい?(にっこり美しく微笑む)」



樹「…………

『……まだ誤りに気づいてないのか……

菱木さん、このままで大丈夫か……』」



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