ネクタイ
樹「(朝、バタバタと出勤の支度)あーーーまずい、会議間に合わないっ!!(リビングのソファに掛かっているネクタイを掴む)もうこれでいいや! 柊くん、先行くね!」
柊「(洗顔中で聞こえず)……あれ? 俺のネクタイ、今日つけるのここに出しといたはずなんだけど……どうしたっけ?
んーまあいいか……違うのやってこう」
(その日の昼、休憩室)
総務課の桜田「……三崎さん……」
柊「(ちょっとビクッと振り返る)あ、桜田さん……どうしたの?」
桜田「あの……私、今朝からものすごく気になっちゃって……確認に来たんです。
副社長の今日つけてるネクタイ、もしかして三崎さんのお気に入りのネクタイと同じものじゃないかなー……って」
柊「…………!?
(めちゃくちゃギクリとするが、必死に平静を装う)ふ、副社長のネクタイが、俺のと同じ……いっ一体何のことかな??」
桜田「三崎さん、特徴的な柄の入ったブルーのネクタイ、よくしてますよね? 普段あまり見ない柄だから、印象に残ってたんですが……今日の副社長のネクタイ、同じものなんです。間違いなく」
柊「…………(思わず言葉を失う)」
桜田「それに……そういえば副社長も、ちょうど今30歳くらいですよね……
三崎さんのお相手の条件と、一致してませんか?
……三崎さんの恋人って……もしかして……」
柊「…………(言葉も逃げ場も失い、蒼白になって固まる)」
桜田「……っとまでは思ったんですが、この前聞いたTシャツ後ろ前で平気で過ごす強烈ズボラキャラ=副社長っていうところが絶対ありえない! あはははっ!!
今のBL小噺、面白かったでしょ……あれ、どうしたんですか三崎さん?」
柊「…………(土壇場まで追い詰められたショックで椅子から落ちかけてる)……いや……なんでもない……」
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