俺、新発見!
火を囲みながら、食事を始めるみんな。俺は要らないって断った。食べなくても問題ないしね。俺のことをみんな心配そうに見てるけど、それより気になることが・・・・
「ねぇねぇ」
「お、なんだ坊ちゃん」
俺はシャールクの隣まで歩いて行き顔を覗き込みながら
「シャールクはなんで尻尾付いてるの?」
「ん?これの事か?」
シャールクは、器用に尻尾を動かし俺のほっぺをコショコショと摩る。
シャールクにはみんなに付いていない尻尾が付いているのだ。その尻尾は黒くて少し太く長い。もしかして俺と同じように姿を変えてるのかな?そうだとしたら尻尾を残しちゃうなんておっちょこちょいだね!
俺は面白くてクスクス笑ってしまう。シャールクも面白そうな俺に上機嫌で笑うと
「俺は獣人だからな。その証拠がこの尻尾ってことよ」
「獣人?」
「知らないのか?動物の姿を持つ人間種のことだぜ。俺は豹の獣人だ」
「知らな~い、初めて聞いた!」
「そうなのか?結構有名な種族なんだが・・・・」
「そうなの?他にはどんな種族が居るの?」
「それに関しては、レイランに聞いた方が良いぜ」
シャールクは俺を軽々持ち上げ膝の上に載せてレイランに向ける。
「レイラン教えて~」
「勿論良いですよ。それでは、代表的な種族を上げていきましょう。まずは人間」
レイランは魔法を使い砂と土を使って人型を作り出すと動き出し俺に向かって手を振ってくれたので振り返す。
「人間はこの大陸に一番多い種族で寿命は魔力量に依るのではっきりと言えませんが、魔力が無い人間だと50歳ぐらいですね。特に秀でた特徴はありませんが、繁殖の高さと発展によって今一番数が多い種族となってます。この中だと、皇子とアルベルドがそうですね」
「そうなんだ~」
視線を向けると俺に手を振ってくれるウォルとアルベルド。ウォルは黒の短髪でキレのある目に赤い瞳をしてる。見たことある人と肌の色が違うことを聞いたら、こっちの方はこの色の人が多いらしい。褐色の肌にシャールク曰くみっちり詰まった筋肉があるらしい。あと、学校ではモテモテらしい。学校ってなんだろう?
アルベルドは、黄色の瞳に白い髪で後ろで結んでいる。肌の色は黄色に近く日焼けしている。ウォルと同じくらいの身長なのに体格が良くムキムキだ。アルベルドが鍛えた体は裏切らないとなんか変なポーズしながら教えてくれた。何なんだろあのポーズ
「次に有名なのは獣人です」
「俺の事だな」
「獣人は人間より身体能力が高く完全に獣の姿になることが出来ます。獣人は多くの種類がおり兎や象、獅子など多種多様です。魔力も人間並みではありますが、魔法を使える者も多いです」
「俺達は頑丈だから寿命も長いぜ」
「今度獣の姿見てみたい!」
「おう、良いぜ~」
「やった!」
シャールクは、金色の瞳に黒色のオールバックって言う髪型らしい。シャールクは笑った顔がカッコイイと思うなんて言うんだろキリッて感じで。話しかけると笑顔で見てくれるからなんだかこっちも嬉しくなる。
「ちなみに尻尾を勝手に触ったりすると怒られるので気を付けてくださいね」
「は~い!」
「坊ちゃんなら何時でも触ってくれていいぜ!」
わ~い、何時でも触っていいって!モコモコしてるのに、ふさふさでツヤツヤなんだよね。俺は触りやすいように体の前にしならせてくれた尻尾を触りがながらレイランの話の続きを聞くことにした。
「次はエルフです。森の守護者と言われることもあり魔力量は多いですね。寿命は何百年ともいわれますし、ハイエルフになると寿命に限りは無いと言われるほどです。魔法の扱いに長け身体能力も高いです」
「レイランも一応エルフの血筋なんだぜ」
「そうなの?」
「一応ですね。私は祖母がエルフなのでクォーターなんですよ。だから、エルフかと言われるとちょっと弱いというか・・・・」
レイランは、ぱっと見人間にしか見えないけどクォーターエルフらしい。白い肌に黄緑色の腰まである長髪。シャールク曰くレイランは今は旅をしているため地味な服を着てるが、おしゃれが大好きなのと魔法の研究が大好きなんだって。研究し始めるとご飯も食べない時もあるぐらい。
なるほどな~だから気配が少し違かったのか。でも、シャールクとレイランは分かるけどウォルとアルベルドは人間だから気配は同じはずなのに。なんでだろ?
「他にはドワーフなどが有名です。ドワーフは手先が器用で鍛冶の名工が多いです。魔力量は多くはありませんが長命で、こだわりが強い種族です。この中には、ドワーフの血を引いてる者は居ませんが皇都に行けば会うことが出来ますよ」
「お~会ってみたい」
「えぇその時はご案内しますね。もうすっかり夜ですし、寝ましょうか。夜番は私からやります」
「分かった、恩人殿申し訳ないが一緒のテントになってしまうが大丈夫か?」
「良いよ~」
俺はウォルのテントに潜り込むと一緒に布団を掛けてもらい、綺麗なら空を見ながら眠りについた。
「皆起きてるか?」
「えぇ」
「はい」
「勿論」
横になり空を見上げながら声を掛けると返事が返ってきた。
「最初は精霊かと思ったが、違うらしい。だが、どんな生き物だとしてもこの命を救ってもらった以上すべてで感謝を示さなければならない」
「勿論です」
「当たり前でしょ」
「おう」
「だが、俺達はまだ旅の途中皇都に戻る訳にもいかない。どうしたら良いやら・・・・」
「ウォルは難しく考えすぎなんじゃない?」
「?」
「坊ちゃんは、俺達に付いてきたいっていたんだから連れてけば良いんだよ。それが望みなんだから。一緒に旅して坊ちゃんが望んだことがあれば、その都度叶えてあげればさ良いと思うんだよね」
「だが・・・・それでは礼にならない」
確かに一緒に行きたいとは言ってたが、俺達の旅は過酷だ。終わりの無い道をずっと探しどうにか終わらせなければならない。そこに連れて行くなど・・・・
「だけど、物で支払える礼じゃないだろ?それに俺の勘だけど、あの坊ちゃんは物欲そんなに無いと思うぜ」
「そうか・・・・」
シャールクの勘はよく当たる。確かに、国のなんでも渡すといった時全く嬉しそうでは無かった。だが、国を救うための旅に子供連れてもいいのか・・・・
「取りあえずは坊ちゃんの意思を尊重しようぜ」
「分かった・・・・レイラン、アルベルドもそれで大丈夫か?」
「えぇ」
「仰せの通りに」
俺は少し布団から出てしまっている恩人殿に布団を掛けなおすと眠りに落ちるのだった。
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