私の敵
私の敵は
私を傷つけるもの
私を縛りつけるもの
私を惑わすもの
厄介なのは外敵だけでなく、
己の内側にも敵がいること。
むしろ、それこそが最大の敵。
私の心を傷つけ、行動を縛り、
理性を惑わせる、本能。
本能こそが最大の敵だ。
なぜだ?
こいつは私の一部のはずなのに、なぜ私の邪魔をする?
嫌なことを何度も何度も思い出させては、私の心を抉る。
おそらく、次に同じことが起きた場合に備えて本能がそうさせているのだろうが、それにしてもしつこい。
どう考えても、思い出すことによるストレスの方がダメージが大きい。
私はいつも、
私によって傷つけられている。
こんな無茶苦茶な世界に長居しても意味がないと理性では分かっていても、本能がそこから逃れることを許さない。
なにがなんでも、この世界に私を縛りつけようとする。
恐怖、不安、苦痛。
ついには理性にまで侵食してくる。
この世界に留まる、ありとあらゆる言い訳を提案してくる。
私の合理的判断を狂わせる。
他者と戦ってる場合ではない。
私にとって最大の敵は私の中にいる。
こいつに打ち勝たなければ、
私に安息は訪れない。
敵はあまりにも強大だ。
正攻法では勝てない。
だが敵も万能ではない。
自分で自分を欺く方法はある。
その方法を研究するのが私の目標だ。
私の人生は、ずっと負け続けの人生だったが、今度ばかりは勝ちは譲れない。
こいつは
こいつだけは
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