主人公は東雲葵、看護師である。むかしナースあおいというテレビドラマがあったので、ついつい石原○とみに変換して読んでしまいましたが、序盤は緊迫した場面が続きます。(勝手なこといってすみません)
ものすごい医療現場の知識がないと書けないレベルで、いっきに読ませる感じです。多少のネタばれは仕方ないかなと思いつつ、どこまで書いていいのか、慣れなくてすみません。
4話位から、葵さんが人妻だったんかい! とか、8話位で土下座すんのかい!
とか研修医はシモネタ好きだな! とか、昨今の最初だけ面白いネット小説とは一線を画する〈ちゃんと段階を踏んで面白くなる〉物語だといえます。
失速しないで、最後まで先の読めない小説でした。
医療ドラマ、ミステリー要素、恋愛物語となかなか尖った作品ですね。素直に自分には書けない分野が詰まっていると感じました。と、いうかカクヨムではかなり珍しい作風じゃないでしょうか。
夫婦、友人、幼馴染、親子、恋人――登場人物はけっして多くはないんですけど、このへんはちゃんと顔がでてくるので、作者様のバランス感覚、人間性、親密な人間関係を築いていく主人公を書ききる技能も素晴らしいと思います。