SP割り振り

 なんて気合いを入れてから魔犬のダンジョンを出て、シルバー試験を申し込むためにダンジョン協会の支部にやってきた。


 そして、シルバー試験の申し込みはなにも問題なく終わって、そのままシルバー試験!


「だと思ってたんだけどなぁ……まさかシルバー試験が中止になってるとは……」


 ダンジョン協会から帰ってきた俺はベッドの上でゴロリと転がったまま呟く。


 そう、シルバー試験は申し込み自体は出来たが、いつ受験できるかまでは書かれていなかったのだ。


 理由は魔物暴走の後処理……


 まあ、今回ばっかりは協会は責められないか。

 俺のシルバー試験の申し込みの対応をしてくれた受付の人も、目の下に隈を作ってたし、本当に大変みたいだし。


 まあ、異常事態イレギュラーな魔物暴走の異常の調査+その他通常業務でダンジョン協会の職員はみんな忙しいらしいな。

 そんな状態だから、シルバー資格の実技試験を行う人員を確保するのが難しいから中止になったと受付の人も言っていた。


 けど……またお前か!多賀谷とその一味ぃ……!!!


 あいつら本当に迷惑しかかけてこないな。


「さて、そうとなるとどうするかな……」


 一応、受験日が決まったら連絡はしてくれるらしいけど……それまで暇になったなぁ。


 まあ、まずは。


「ステータス」


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 天宮楓

 レベル1003

 HP:10050/10050 MP:6035/6035

 攻撃力:1075(+52)

 防御力:1025(+12)

 俊 敏:2817(+2167)

 器 用:1180(+152)

 精神力:2972(+2332)

 幸 運:50

 BP:0

 SP:2005

 スキル:【魔法矢Lv.20】【弓術Lv.10】【鷹の目Lv.10】【アイテムボックスLv.7】【捕捉Lv.10】【鑑定Lv.5】【MP増加Lv.10】【MP回復速度上昇Lv.10】【短剣術Lv.7】【索敵Lv.9】【隠密Lv.5】


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 この貯まりに貯まったSPを使わなきゃな。


 今回のレベルアップで、俺のステータスは全体的に上昇して四桁になった。特にBPを振ってある俊敏と精神力は軒並み伸びている。


 だからあとはこれからのことも考えながら、SPを使ってスキルレベルを上げたり新しく取ったりしよう。

 まあ、だいたい使い道は決まってるんだけど。


 今回のSPの使い道はCランクダンジョンをソロで攻略するのに必要なスキルを取ったり上げたりする。


 その結果がこちら。


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【状態異常耐性Lv.10】:280SP

【予測Lv.10】:280SP

【回避Lv.10】:280SP

【短剣術Lv.10】:135SP

【索敵Lv.10】:50SP

【隠密Lv.10】:200SP

【弓術Lv.20】:775SP

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 今回はSPが多いのもあって、色々なスキルを取れたし、元々取っていたスキルもレベルが上げられた。


 だけど、やっぱりソロでダンジョンを攻略するためには、こういった補助系のスキルが必要なんだよな。新しく取った【状態異常耐性】と【予測】、【回避】はその補助系スキルだ。


 この三つを説明すると、【状態異常耐性】は毒や麻痺、呪いなんかの状態異常に対する抵抗力を上昇させるスキルだ。


 元々俺の精神力が高いから遠隔、例えば魔法なんかの効果で状態異常攻撃を受けたりしても効かないことの方が多い。


 だけど、これから目指すCランク以上のダンジョンには近づいてきて毒なんかを、噛みついたりしてきて直接体に流し込んでくるモンスターもいる。

 ソロの俺からしたら状態異常にかかる=死の方程式が成り立つ可能性が高くなるから、こういう耐状態異常のスキルはこれから必須と言える。


 次の【予測】は相手の動きを先読みしたり攻撃の軌道を予想したりすることが出来るようになる【鷹の目】と同じパッシブ系の能力だ。


 そして、最後は【回避】。


 このスキルは敵の攻撃を避ける能力を向上させる。

 具体的に言えば回避行動を取った時に、俊敏のステータスが少し上昇するスキルだ。


 この三つのスキルのおかげで、俺の戦闘コンセプトである絶対に避けて強力な必中攻撃を叩き込む。

 この戦闘スタイルはより完成に近づくことが出来たと言っても過言ではないと思う。


 この三つのスキルはどれも、レベルを上げれば上げるほどに効果が上がっていくからこれからも期待したい。


 そして、残りのSPは【アイテムボックス】と【鑑定】以外のスキルレベルが10になってないスキルを10に上げて、【弓術】のスキルレベルを20に上げた。

【アイテムボックス】と【鑑定】はそのままでも余裕があったし、他の三つは戦闘関係のスキルだからレベルを上げて損はない。


 そして、【弓術】スキル。【捕捉】スキルじゃなくて【弓術】スキルを、スキルレベル20にしたのは理由がある。


「シルバー試験じゃ戦闘技術を主に見られるからな。せめてスキルレベルが20はほしい」


 いくらシルバー試験を受けるとはいえ、最低限の戦闘技術がないと実技試験で落とされてしまうからな。


 さすがに試験じゃ【捕捉】スキルを使った反則技を使えないし、未熟とか言われてパワーレベリングでレベルを上げたとか言われるのは嫌だ。

 だから、今の【捕捉】スキルなら性能としては十分と言えるし、今回は【弓術】を上げさせてもらった。


 まあ、なんにせよこれで一気に強くなったけど……


「試験までどうしよう……」


 当初のシルバー試験までどうしよう問題は何一つ解決していなかったのだった。

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