突然変異(ボス)モンスター討伐作戦
変わらず前衛を務めるのは俺。後衛でひたすらダメージを出すのはリーシェ。
俺は迫ってくる根っこを今度は受け流したりせずにすべて正面から迎え撃ち、リーシェが魔法を使う時間を稼ぎ続ける。
そしてーー
「
リーシェの放った火球によって白いイビルトレントは炎に包まれていく。
魔法はイメージだ。スキルレベルが充分あれば、イメージ次第でどんな魔法も撃てる。
だから詠唱なんかは必要ないけど、魔法名を叫んでイメージを固定して魔法を撃つ人も多数いる。
リーシェはそのタイプみたいだな。
「オオォォオオ!!!」
だけど木に炎とはいえ、そこは突然変異ボスモンスターの白いイビルトレント。
まるで効いてないといわんばかりに根っこで反撃しようとしてきた。
「させねぇよ!」
「キャアッ!」
その攻撃をすべて疾走の短剣で切り裂いて防ぐ。
そして、リーシェも負けじと次の魔法を放つ。
「
風の斬撃で斬り裂き、火の矢で貫く。
だけどやはりこれも効かないと言わんばりの態度でまた根っこで攻撃してくる。
だけど、【鑑定】してHPを見たら確実にHPは減っていっていた。
総量1500に対して20ぐらいずつだけどな!
だけど、恐怖に打ち勝ってこうして戦ってるんだ。好きなようにやらせてあげよう。
そう思いながら俺は白いイビルトレントの攻撃を防ぐことに専念し、リーシェはひたすら魔法で白いイビルトレントを攻撃する。
そして、ついにその時が来た。
「はぁ……はあっ……はっ……すいません!MPが切れました!」
「おう、お疲れさん。よく頑張ったな」
「はいっ!」
白いイビルトレントの根っこによる攻撃を全部捌いてから、リーシェのところに戻る。
「よく頑張ったな。あとは任せろ」
「はい……お願いします」
リーシェは息絶え絶えながらそう言ってくれる。
これはただ単に魔法名を叫びすぎたからだろう。
MPが切れてこんなことになるんだったら俺なんてボス周回が終わったあとは何回もこうなってるからな。
俺は白いイビルトレントに向かって駆け出す。
「さあ、本番だ。覚悟しろよ?」
「オォオオ!」
白いイビルトレントは叫び声を上げ、根っこを鞭のようにして伸ばしてくる。
向かってくる根っこをすべて後ろにいるリーシェに当たらないように切り落としていく。
そして、【アイテムボックス】から龍樹の弓を練習したように取り出す。
「え?お兄さん、それは……?」
「ああ、これは俺の本当の武器だ」
どうせ見せることはないだろうと思ってリーシェには説明していなかったが、これが俺の本当の武器。
「【
リーシェの持つカメラに聞こえない程度の声で呟いた後、【魔法矢】で三本の矢を作って弓を引き絞る。
狙いは今も迫ってきている複数の根っこ。
「シッ!」
放たれた三本の矢は全て根っこに命中し、突き刺さったあともさらに先の根っこもまとめて吹き飛ばす。
「……はえ?」
リーシェがポカンとした表情になる。まあ当然だよな。
でもこれで終わりじゃないぜ?
「まだまだ行くぞ!」
そして、同じように【魔法矢】で三本ずつ矢を作って射ち出し続ける。
射ち出された矢は次々と根っこを貫通して破壊していく。
「オオォォオオ!!!」
白いイビルトレントもただでやられる気はないのか、俺が根っこを破壊するのと同時にどんどんと枝を伸ばして俺を攻撃してきた。
だけどそんな攻撃は当たらなければ意味がない。
俺は矢を放ち続け、迫り来る根っこを全て射ち壊していく。
そんな事を続けていくと、白いイビルトレントが地面から根っこを出さなくなり、強靭な腕を無駄に振るだけになった。
トレントと同じように、出せる根っこはすべて破壊したみたいだな。
「すごい……」
リーシェから感嘆の声が漏れる。
「よし……それじゃあ、とどめ!」
白いイビルトレントに標準を合わせ、全力で弓を引き絞り、つがえた矢を射ち出す。
「オ、オオォォォォ……」
射ち出した矢は、白いイビルトレントの体を穿つ。
そしてそのまま白いイビルトレントの体を貫くと、呻き声のような声をあげて、徐々にその声を小さくしていき完全に動かなくなった。
……てかやっぱり一撃かよ……
『レベルが3上がりました』
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レベル331
HP:3330/3330 MP:2175/2175
攻撃力:403(+52)
防御力:353(+12)
俊 敏:908(+562)
器 用:508(+152)
精神力:1048(+712)
幸 運:50
BP:15
SP:455
スキル:【魔法矢Lv.11】【弓術Lv.7】【鷹の目Lv.2】【アイテムボックスLv.4】【捕捉Lv.10】【鑑定Lv.5】【MP増加Lv.5】【MP回復速度上昇Lv.5】【短剣術Lv.7】
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