おまけ・第二部完結記念座談会
とある宿屋の一室にて。
ヤルン=ヤ/キーマ=キ/ココ=コ でお送りします。
ノリしかありません。ご了承の上、お読みください。
ヤ)んじゃ、かんぱーい!
キ)はいはい、乾杯っと
コ)乾杯です!
ヤ)いやぁ、長かった。もうすぐ、やっと、俺達、王都に着くんだな!
キ)だねぇ
ヤ)ついにここまで来たか~って感じだよな
コ)そうですねー
キ)振り返ってみると、旅の間に色々あったよね。主にヤルンに
ヤ)うぐっ、思い出させるなよ。お前らだって色々あったろー?
キ)こっちはいたって普通の旅だったよ
コ)私は色々学べて良かったです!(キラキラ)
ヤ)ココが眩しい
キ)あはは
コ)あ、折角こうしてゆっくりお話する機会が出来ましたし、私、
感想や今後の抱負をお二人にお聞きしたいです!
ヤ)か、感想と抱負……!? そういうの苦手なんだよぁ
キ)あれ、意外。普段から「騎士になる!」って宣言してるのに
ヤ)それは最終目的で、当面の目標じゃないだろ
俺だってすぐになれっこないことくらい、分かってるっての
キ)ふぅん。感想は?
ヤ)振り返りたくない! 消したい記憶が多すぎる!
キ)そんな鬼気迫る顔で言わなくても。ココは?
コ)王都にはきっと国中から英知が集まっていると思うんです。
私はそれを身に付けて、もっともっと魔導士として成長したいです!
ヤ)ま、眩し過ぎる
キ)さすが努力の鬼だね……
ヤ)そういうお前はどうなんだよ。感想と抱負、言ってみろよ
キ)え? うーん、感想は「面白かった」で、抱負は「楽しく」かな
ヤ)なんだそりゃ
キ)しんどいばかりじゃ詰まらないし、人生楽しまないと損でしょ
コ)キーマさんらしいですね
ヤ)
とかないのかよ
キ)あくせくしてもね。なるようになるって感じかなー
ヤ)そんなんで良くあの師範に付いていけるな……
キ)ヤルンこそ、なんだかんだ言って、魔導士が板についてきたよね
ヤ)ぬぐぐ。俺、ちっとも騎士に近付いてない気がするぜ。
このままじゃ、どう頑張っても行き着く先は魔導師じゃないか?
キ)それはまぁ、なんとか軌道修正して
ヤ)どーやってだっつの。無責任発言禁止!
コ)ヤルンさんなら絶対に素晴らしい魔導師になれますよ!
キ)ココ、それフォローになってないから。
ヤルンも卑屈になってないで。王都に着いたら騎士団が見られるよ
ヤ)はっ
キ)いや、見るだけじゃなくて、多分、合同訓練も出来るだろうし
ヤ)おおっ。憧れの騎士団と合同訓練……!
キ)王都の騎士は強いだろうねぇ
ヤ)そ、そしたら、誰かの目にとまって「君は筋が良い」とか、
「第一近衛騎士団に入らないか」なんて誘われたりしてっ!?
キ)あれ、どこかで聞いたような話になってない?
コ)ヤルンさん? ヤルンさーん!
ヤ)うおーっ、そうなったらどうしよう! なぁどうしようかキーマ!
キ)分かった。分かったら落ち着こう?
ヤ)(一人で大盛り上がり中)
キ)あちゃあ、しばらく帰ってきそうにないや
コ)元気になられたのは良かったのですけど、あまり興奮なさっては
キ)放置しておけば? そのうち元に戻るよ
コ)いえ、でも
キ)……何かまずいことでも?
コ)あまりに強い感情は、体内の魔力を暴走させる引き金になるんです
キ)そ、それって! えっ、ちょっと待って。ヤルン、落ち着いて!
ヤ)なぁなぁ、一気に騎士になっちまうかもしれないんだぜ!
そしたら師匠ともオサラバ出来るっ! 一石何鳥だよ!
キ)駄目だ……。ココ、何か手は?
コ)ないこともありませんが
キ)あるんだ? じゃあそれ今すぐお願いします!
コ)わ、分かりました。ヤルンさん、少しの辛抱ですからね
(呪文詠唱開始)
ヤ)……へっ? え、おい、ちょ、待って、その呪文は――!
ぴきぴきーん!
コ)ふぅ、ちゃんと発動させられて良かったです。……あら?
ヤ)……(全身氷漬け)
キ)……(同じく氷漬け)
数刻後。
ヤ)やっと溶けたぜ……。うう、さぶっ!
キ)こっちなんて、とんだトバッチリだよ……(ガクブル)
コ)す、すみません! やり過ぎてしまったみたいです
ヤ)ふん、悪いのはキーマだろ。
お前がからかうから、こんなことになったんだぞ!
キ)ヤルンが調子に乗るからでしょうが
ヤ)なんだと!
キ)なにさ! ……やめよ、また同じことの繰り返しになる予感がする
ヤ)う、そうだな。ココも、頼むから次はもう少し穏便に頼むぜ?
コ)は、はいっ
キ)お茶もカチコチだしね;
コ)お茶、
ヤ)おっ、さんきゅー
キ)やっと一息付けるよ。なんか一人前の魔導師って感じがするね
コ)いえいえ! 私なんて、まだまだ未熟です。
今も込める魔力量を間違えてしまいましたし……。
ヤルンさんの方がお上手ですよ
ヤ)俺? 細かい調整は絶対ココのが上手いと思うぞ
さっきのは焦っちまっただけで、普段は失敗しないんだからさ
キ)ふぅん? ココは理論派で、ヤルンは職人気質って違いじゃないのかな
「習うより慣れろが身上」、みたいな?
ヤ)それは9割方、師匠のせいだからな。あのヒトの教育方針!
キ)他の誰が指導者でも、ヤルンはヤルンな気がするけどな
コ)ふふふっ
キ)にしても、魔術は面白そうと思ったけど、近くで見てると大変そうだね
剣士になって正解だったよ
コ)確かに、魔術はただ呪文を覚えるだけでは使えません。
自分の物にするプロセスを手間と感じる方もいるかもしれませんね
ヤ)術の効果とか魔力の流れ方を理解しないと、発動しないもんな
キ)うわ、ますます面倒くさそー
ヤ)なんだよ、剣術だって考えることはいっぱいあるだろ?
キ)んー、とにかく振ってれば良いって感じ?
ヤ)お前の方がよっぽど「習うより慣れろ」だよ!
師範も良くこんな奴を叱らずにいられるよな。
呆れられてるんじゃねぇの?
キ)それはあるかも
ヤ)認めんな! はぁ、疲れた
コ)それじゃあ、ヤルンさん。改めて抱負、何か浮かびませんか?
ヤ)えぇ? そこに戻るの?
キ)良いんじゃない? 宣言しておけば、いずれ現実になるかもよ
ヤ)(思わず師匠の笑顔を想像して)そうかなぁ……? まぁいいや。
あー、あれだ。俺は、ぜっったいに騎士になる。
今はちょっと迷走してるかもしれないが、剣士として名を上げて、
ゆくゆくは第一近衛騎士団から声がかかるスゲェやつになる!
キ)消えたと思ったらもう火がついてるし。
もうね、完全にネタだよねソレ
ヤ)だからネタじゃねぇよっ! お前ももうちょっと支援しろよ!
キ)具体的には?
ヤ)俺が凄い~って噂を流すとかさ。へへっ、情報操作ってやつだ
コ)ヤルンさんはすでに十分、凄いと評判だと思いますよ(ニコニコ)
キ)あー、うんうん。言えてる
ヤ)俺には分かるぞ。それは確実に意味が違うってな!!(叫)
◇お付き合いありがとうございました。
三人揃うとこんな感じです。キーマもココもボケ体質なので、ヤルンは大忙し。
本人もなかなかのボケっぷりなのでツッコミ切れていませんが……。
それでは引き続き、第三部「王都編」にもお付き合い頂ければ嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます