第3話 蛇神② 女神見習い

どれ位経ったのかしら?



色々な人が私の祠にお参りに来たわ。


「雨を降らして下さい」


(降らしますよ..安心して下さい)


少女二人分のお肉が貰えた。



「村が盗賊に襲われているんです、助けて」


(良いわ、助けてあげる)


私は村に行き..盗賊たちを丸呑みしてあげた。



此処頃には、私の体は大きくなり、大蛇と言える大きさになっていた。


最も顕現さえしなければ、祠の中に居られるし、周りから見えないから問題は無い。



村からはまた娘の肉が貰えた。


最近になり、気が付いたんだけど..肉も美味しいけど、祈られるのが凄く嬉しい事が解った。



美味しい肉(主に人間の女性)を食べて、その代わりに願い事を聞いていると...神が現れた。


見た瞬間から私より強そうなのが解る。


「お前が邪神だな..生贄を取り、人々を苦しめる悪神め、退治してくれよう」


「ちょっと待って..私は、自分から求めた事無いわ..お願いを聞いてあげて、その代わりに肉を貰うのは悪い事なの?」


「お前は、もしかして、成り上がりか?」


「成り上がりって何かしら?」


「人間や他の生き物が..何かしらの力をつけて神に至る者だ」


「私は見ての通り..蛇よ」


「蛇か? それでは人間や神の常識を知らないのは仕方ないか..」


「蛇の私が肉を食べるのは当たり前の事だわ..ちゃんと対価は与えているわよ..」



「蛇だから仕方ないのか...まぁ良い、お前はこのまま行くと邪神になる..私が天界に連れて行ってやる、そこで常識を覚えると良い」


「そう、ついて行くわ」



最初は、女神や神の半分使い魔として生活していた。


どの位の月日か解らない..気が付くと私は、蛇から人間の姿に近づいて行った。


そして、最後は完全に人間の形になった。



「よくぞ、頑張りました..今の貴方はもう蛇神ではなく女神です」


「私がですか?」


「そうよ、此処に来た時は蛇でしたが、その姿は正に女神です..此処からは一つの世界を任せるから..実地で更に精進しなさい」


「解りました」


こうして私は「見習い女神」になった。



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