空間騎兵隊
<空間騎兵隊>ってのは、まあ、空中や宇宙空間といった場所で機動兵器を運用して戦闘を行う部隊だ。
ただし、<機動兵器>と言ってもアニメとかによく出てくる<巨大ロボット>じゃねえけどな。それまでの<戦闘機>ってのじゃできねえ機動をできるようになっただけの<高機動戦闘機>って感じのもんだ。
あと、ロボットが普及してて特にヤバい戦闘なんかはロボットが代わりにやってくれるから、人間はそのお守りが仕事になりつつもあったな。
それでも、ロボットだけじゃ判断ができねえ状況に対応するために人間も現場にいなきゃいけなかったりもするから、結局、戦闘はしなきゃならなかった。だから負傷者も珍しくなかったし、同じ部隊の奴が戦死したこともあった。
俺達が主に相手にしてたのは、<テロリスト>だ。建前上、戦争は完全に放棄されてたから、国同士の戦争はご法度で、しかしそんな理屈はテロリストには通じねえし、実はテロリストの背後に<国>がいるなんてことも普通だったりもした。
だから装備も軍隊と変わりねえのがいくつもいてな。現場での戦闘はそれこそ戦争と変わりなかっただろうさ。
だが俺としちゃ、自分の力を目一杯使えるんならなんだってよかった。戦って死ねるならそれもありだと思ってた。
だが、人間相手の戦闘じゃ俺は死ねなかった。何度もヤバいことはあったが、それでも俺は死ねなかった。
で、ロボットの配備がさらに充実してくると人間の兵士は余ってきて、しかも移住可能な惑星を見付ける事業ってのが本格的に拡大してくるとそっちに人員を割くことになって、俺が所属している部隊からも半数が惑星探査チームに出向することになった。
俺自身はそういうのにはあまり興味もねえから気乗りはしなかったんだけどよ。部隊に残ってたってどうせそっちも思いっきり命を張るようなことになるところで使われるのはロボットってえことになったしな。だったらまあ、冥土の土産にいろんな星ってのを見て回るのもアリかなと思ってよ。
そうしたらこれだ。確かに退屈はしねえが、話がぶっ飛び過ぎだろ。
それでも、こういう野生の中で生き延びるってなあ、それはそれで楽しそうだ。なら、ここがどういうところかをまずは確認しなきゃいけねえ。
見た限りじゃ地球の<アマゾン>ってのに似てるみてえだが、俺は実際のアマゾンにゃあ行ったことはねえからよく分かんねえが、聞いた話じゃすげえ蒸し暑いところだって話だったんだがな。ここはそうでもねえ気がする。
でも、ま、地球じゃねえなら違ってても当然か。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます