七十話:秘密温泉の秘密の特訓~~淫乱無表情貧乳ロリ(15歳)は将来ロリ巨乳になるのか?~~

 臭い。

 タキシードは無事だ。 しかし俺は臭い。

 いつも以上に人が離れている気がする。


「こっちだよ」


 俺は薄暗い岩窟を進む。

 

「明かりは付かないから、気を付けてね」


 ツインテはそう言って案内をしてくれる。 電気の点かない岩窟は暗い。 ツインテの持つロウソクの炎は揺れ、無骨な岩壁を怪しく照らす。 

 前に言ってた秘密の温泉。

 俺は風呂道具を入れた桶を手に持ち細い道をついていく。 抜けた先、そこは森に囲まれた温泉が見えた。 森林浴もできる岩風呂温泉とは、さすがお嬢様学校。 


「いいでしょ! 何十年も前の先輩たちが勝手に作っちゃったらしいんだよね~~」


「……」


 さすがお嬢様なのか……?

 どんだけ行動力あるんだよ。


「秘密スポットだから、人は滅多に来ないよぉ。 えへへ、今度一緒に入ろっか?」


 ツインテは悪戯っぽく言って「冗談だよぉ!!」と背中をバシバシ叩く。 


「えっ? いや、それは恥ずかしいよぉ!? ……じゃあまたね、ベルゼ君!」


「……?」


 ツインテは急に動きを止めボソボソと喋り、慌てた様子で去っていった。 外で何かあったのか。 行かなくて大丈夫かな? 険呑な雰囲気ではなかったし大丈夫だろう。

 

 まぁとりあえず温泉に入ろう。

 この隠れ家的岩風呂に浸かりたい。

 全装備解除。

俺は一瞬で服を脱ぐ。 下着は着ていないのですっぽんぽんだ。 持ってきた桶で湯気のお湯を掬い肩からかける。


「ふぉぉ……」


 温かい。

 二度、三度体にかける。 温泉の臭いはほぼなく無臭に近い。 色も透明だ。 周りの森から爽やかな香りがして、落ち着く。


「ぬほぉぉ……」


 体を洗ってから入った方がいいが、もう我慢できない。

 足先を入れる。 

 熱い温泉にピリッとした刺激。 

 ゆっくりと全身を沈めていく。

 俺は圧倒的な温泉の抱擁に包まれ、甘い声を漏らした。


「はぁぁ……」


 気持ちいぃ。

 熱めの湯は体を芯からほぐす。 体の力は自然と抜け背を岩壁に付け首をだらしなく弛緩させる。 それほど深くないので湯船に浮かぶように足を延ばす。


(極楽……)


 目を瞑り、久しぶりに俺は心からリラックスした。



「シン。 気持ちいい?」


「うむ」


「私も、入っていい……?」


「……うむ?」


 後ろから声がした。 

 俺は首を下げ確認した。


「っ!」


「えっち……」


 そこにはちょうど服を脱ぎ終えた葵がいた。

 下着すら脱いだロリ体型のクラスメイトは手で体を隠し頬を赤らめる。 しかし、どこか演技臭い。


「入っていい……?」


 身を屈め小首を傾げて聞いてきた。


「……」


 うむ。

 このアングルはマズいな。 色々と、マズいぞ!

隠すならちゃんと隠せ。 脚を閉じても隙間から丸見えだよッッ!


「入っちゃ……ぉ?」


 葵の視線が湯船に浮かぶ俺の体の一部を捉えた。

 もっと濁りのある温泉ならよかったのに!


「ぉおぅ……」


 おっさんみたいな声を出すのはやめなさい。

 あと乙女がそんなモノを凝視しない!

これは生理現象だからしかたない。 決して俺はロリコンではない。 葵はたしかに可愛い顔をしているのだが、あっ、でも同級生だから別におかしくないのか。

 思考が纏まらない。 これが温泉の効果か!


「熱い……」


「……」


 葵は、スッと温泉に入る。

 一体何を考えているのか? 無表情な顔はどこか嬉し気だ。

 意識しすぎている俺がおかしいのか?

 十五歳の男女が温泉で裸の付き合いに意識しないほうがおかしい気もするが。 きっと最近の男女はこんな事普通なのだろう。

 一緒に怪物と戦った仲間。 いわゆる友情風呂だなこれは。


 男女の間に友情は成り立つのか?

 そんなことはどうでもいい。 俺は一体なんでこんなにテンパっているのか。 相手は葵。 貧乳無表情ロリだぞ。 あぁでも葵ママは凄かったな、葵も将来はあんなナイスバディになるのだろうか?


「ん……そんなに、見られると、恥ずぃ……」


「っ……」


 しまった。 つい葵のナイチチを凝視してしまった。

 透明のお湯だから葵のモチモチした白い肌に桜色の頂はバッチリと見える。 濁りのない温泉でよかった!

 葵は顔を半分お湯につけ、照れくさそうに体育座りした。

 そんなことをしていると、すぐのぼせるぞ?

 俺が先に出てやりたいのだが、そうできない事情が下半身にある。

 落ち着くまでしばらく出られない。

 タオルも濡れないように端に置いてあるし、隠せないし。


「ふぉ!?」


 掴まれた。

 ビックリしてピンと背は反り、間抜けな声を出した。


「せっかくだから、……特訓する?」

 

 せっかくってなんですか?

――特訓てなんですかッッ!?

 俺には木実ちゃんという心に決めた人がいる。

その友人Bである葵と、いかがわしいことなどできぬ!


「「……」」


 しかし、ちょっと潤んだ瞳で恥ずかしそうにしている葵に、NOと言えない俺であった。



◇◆◇



 マズいですね。


「んやぁ、背中を流すなんて恥ずかしくて無理だよぉ……」

 

 美愛さんが意外と純情なのはまぁ置いておいて。

 ベルゼさんはそっち趣味ですか。

 これはハニトラ要員の人選は慎重に選ばないとですねぇ。


「パパ以外の裸なんて見たことないし……」


 高二でまだお父様と一緒にお風呂入っている方がどうかと思いますけどね?

 ほんと美愛さんはファザコンです。


 

「栞ちゃん……ノゾキは良くないよ?」 


 別にベルゼさんの裸が気になるとかじゃないですよ。

 美愛さんが襲われたらそれをネタにベルゼさんにはこちらに残ってもらおうと思ってただけです。 今も秘密温泉に入っていく人が見えたからチェックしてただけです。

 決してベルゼさんの逞しい体を見て見たかったわけじゃないですよ?


「しかし、これは、……そんなとこまで!?」


「え、なになに、どうしたのっ!?」


「いえ、なんでもありません」


「えぇー! 気になる!!」


 ノゾキは良くないですね。

 まさかあの二人はあんな関係だったとは。

 ベルゼさんの趣味も分かりましたし、作戦を考えましょう。


「おっと。 鼻血が……」


「ぷふっ。 栞ちゃんのむっつり鼻血娘っ」


 美愛さんのお尻もよく見てますし、頑張ってもらいましょう。

 ロリ体型でスパッツの似合う子で協力者を募らないと。

 忙しくなりそうです。



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