第133話 口を割らせる
俺の脅し文句に、ジャイロはプルプルの身体をブルブルと震わせた。
そして、恐る恐るといった様子で口を開いたのだった。
「お・で・し・ら・な・い」
あっそ。
よ~くわかった。
そんじゃ。
俺は最小出力で雷帝爆撃を放った。
バリバリバリバリッ!
「お・で・で・で・で・で・で・で・で・で!」
ジャイロはビリビリと震え、身体から煙が巻き上がった。
「おい、どうする?もう一発行くか?」
ジャイロは怯えた表情で身体を震わせつつも、無言であった。
ではもう一発。
俺はもう少し出力を上げて雷帝爆撃を打った。
バッバッバッバッバッ!
「でっ!でっ!でっ!でっ!でっ!でっ!でっ!」
プシューーー
ジャイロの身体からは、大きく煙が上がった。
「さあどうする?もう一発欲しいか?」
するとジャイロが慌てて身体全体を振るわせ、口を開いた。
「お・で・し・っ・て・る」
ふん。だったら最初からそう言えよ。
まあいいや。
「で、黒幕は誰なんだ?」
ジャイロは一瞬、黙りこくったものの、観念したのかようやく口を開いた。
「こ・ど・も」
俺は頬をピクつかせながら、少し声を荒らげて言った。
「それは知ってるよ。そうじゃなくて、その子どもの名前を聞いているんだよ」
するとジャイロが困ったような顔をした。
「お・で・し・ら・な・い」
俺はすかさず断罪した。
「嘘を付け。知ってるはずだ」
だがジャイロは本当に困った顔をして言ったのだった。
「お・で・ほ・ん・と・に・し・ら・な・い」
「あのさあ、そんな答えで納得すると思ってるの?」
するとジャイロが、俺の顔色を窺ってビクビクした。
「お・で・し・ら・な・い」
「どうやらまた喰らいたいらしいね?」
ジャイロは怯えた表情で俺を見つめている。
すると俺の後ろからジトー侯爵が制した。
「待てアリオン。どうやら本当に知らないようだぞ」
俺は眉根を寄せて振り返った。
「いや、そんな……本当に?」
するとジャイロが、味方が現れたとばかりに喜んだ。
「お・で・ほ・ん・と・に・し・ら・な・い・た・す・け・て」
俺は半信半疑で、ジャイロを見つめた。
だがよく見ると、ジャイロは目に涙をためて訴えるように俺を見ている。
なんか本当っぽい。
てことは……。
「もしかして、結局黒幕の正体は判らずじまいってこと?」
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