第2話

「えっとグラウンドでの練習予定だったがいきなり雨が降ってきたので、今日は中練だ。」


「「「えぇぇ〜」」」


全話の通り、俺はこの学校の軟式野球部に入っている二年生だ。まぁ強制で入っただけなんですけどね。


そして、この俺らの前に立っている3年の先輩がキャプテンをしている田辺先輩だ。下の名前は知らない。


というのはどうでもよくて、雨ガチで許すまじ!。

なんだよもぉ!と声に出そうになるくらい雨を恨んでいる。


キャプテンの言っている通り今日は中練だ。中練といえど、体育館は使えないので模擬野球もできない。そうなれば、校舎を使った練習になる。



中練の内容は決まっている、階段ダッシュなどのめちゃくちゃしんどいやつと筋トレだ。


周りの高校で軟式野球部がないため試合をすることもない。それ故なんのために体を鍛えてくるのか分からなくなってしまう。

俺はただ野球がちょこっとできればそれでよかったのに。


「あははあはは」ってキャッチボールとか、ノックとか。とにかくボールでなにかしたかった。遊び感覚って言ったら怒られそうだからやめとこ。


「「「い~ち.......に~い」」」



ゆっくりと腕立て伏せをやる俺ら。基本的キャプテンは俺らの味方だ。

だからこうやってゆっくりと動いたりなんならしてないやつのことも怒らない。

なんたって、みんな部活を強制で入らされてるからなぁ。


「はぁ......はぁ........はぁ........」



俺は遊び感覚で入ってきてるから、体力はあまりないのだ。

汗もいくらか出てきて気持ちが悪い。ていうか髪の毛から汗が垂れている。

もちろんのこと息は荒げていて限界だ。



筋トレなんて普段しないから、今のうちにやっておくべきだ!とどうにか頑張って

耐えきった。



はぁ........ダッシュやだ!!!!!!!!

廊下を思いっきりダッシュするというのをするのだそう。

何のためだよ!!!と思いながら嫌な顔をして走った。



キャプテン曰く、やってる感だしてたら別にさぼってもいいらしい。

一番怖い学校の教師の目さえ避ければ大丈夫というわけだ。


そんなわけで...................

~1時間半後~


「今日もお疲れ様、中練で最悪だっただろうがたまにくらいいいだろう

えっと....明日は休みだったけ?..........そうだな明日が休みで、明後日がグラウンドが使えるのでやります......んじゃ報告はこれだけだから今日はお疲れ。終わります」


「気を付け礼、「ありがとうございました」」


そうして中練が終わった俺はもうへとへとだった。

疲れた......こんなに体力使うなんて....だから中練は嫌いなんだよ!!


そして帰ろうとした俺はあることに気が付いた。


「あ...............」


傘を忘れた...........かもしれない。


いっ、いや確か折り畳みが.............。

焦って鞄の中をほじくってみるが傘っぽいのがない。

横ぽっけとのファスナーを開け、さっぐてみてもなにもなかった。


もう一度鞄の中を.........................。


そうしている暇に俺の周りには誰もいなくなっていた。

俺だって友達はいるが、みんな俺と家が真逆だから一緒に帰られないので先に帰ったのだろう。


「はぁ..........最悪だ」


土砂降りの雨を前にそうつぶやいた。

しょうがないから、男らしいのか分からないが気にせずそのままシャワーをあびるように雨の中へと入った。












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