第115話 どのはぐれ魔人から倒そうか??
最高の宿で最高の夜を過ごしたユウキ達は、次の目的地を話し合っていた。
「それで?どの魔人から倒すかは決めてるの?」
「いや全く決めてない。」
「そうなの?近いヤツから順番に倒していけばいいんじゃないの?」
「まあジュリアの言うことも間違いではないが、魔人の中でも強さに違いがある。普通は弱い魔人から順番に倒して言うのがセオリーなんだが・・・。」
「じゃあそうすればいいじゃない?何か問題あるの?」
「例えば、一番強い魔人を倒したらサブ職業の証が手に入るかもしれない。サブ職業はレベル1スタートだからできれば早めに手に入れたい。」
「なるほどね。たしかに次の証が魔人の所にあるのだとしたら一番強い魔人が確率が高そうね。」
「だろ?だからどうするべきか。と思ってな。」
「ユウキ様?女神様の事だから、一番強い魔人の所じゃなくて、魔王の幹部の時みたいに4体の魔人を倒したら手に入るのではないでしょうか?今までの経験から『魔人を攻略した女神の証』みたいな感じで。」
「「!?」」
「リーネ!それよ!まちがいないわ。」
「だな。もしかして証の名前もドンピシャかもな。なら、やっぱりセオリー通りに弱い順に倒していくのが正解か。」
「マスター?アタシのサブ職業はまだレベル1だけど、レベル上げはしなくていいのか?」
「ああ。魔人のいる洞窟はけっこう強い魔物が出る。もちろんメタリック系の魔物も出てくるから洞窟を進むだけでもレベルが上がるはずだ。それに本格的なレベル上げは全員のサブ職業がそろってからのほうがいいだろ。」
「たしかにユウキのいう通りね。全員がサブ職業についてからの方が効率が良いわ。」
「だろ。なら決まりだな。」
「はじめはどの魔人から行くの?」
ユウキは魔人のいる場所と強さをジュリア達に説明した。
魔人のそれぞれ洞窟の中でひっそりと暮らしており、それぞれの魔人は各大陸の更に進んだ先の海の上に浮かぶ島にいる。
北の大陸の更に北の海の上の島には、炎の魔人フレイムンが
東の大陸の更に東の海の上の島には、氷の魔人アイスンが
南の大陸の更に南の海の上の島には、風の魔人ウインドンが
西の大陸の更に西の海の上の島には、土の魔人アースンがそれぞれ待ち構えている。
一番強いのが炎の魔人フレイムン。二番目が土の魔人アースンで、三番目がウインドン。一番弱いのがアイスンだ。
「じゃあ次に行くのは東の海にいる氷の魔人アイスンの所ね。」
「ああ。」
「氷の魔人っていうからには炎が弱点属性なの?」
「いや。魔人は基本的に魔法の耐性が高い。氷の魔人の名前の通り、氷と水の属性は完全無効だ。だが、正反対の炎、火属性の魔法は効かないどころか吸収する。だから魔人に弱点属性は存在しないんだ。」
「吸収!?それって火属性の魔法で攻撃すると回復するって事?」
「わかりやすく言えばそうだな。」
「それってかなりズルいわね。氷の魔人っていうぐらいだから誰だって火属性が弱点属性だって思うじゃない?」
(そうなんだ。俺もゲームで初めて挑んだ時は火属性装備で固めて挑戦して、攻撃したら回復されて全く歯がたたなかったっけ。完全初見殺しだよな・・・。)
ちなみにそれぞれの魔人を倒すと、属性魔法を吸収する指輪を手に入れる事ができる。
アイスンを倒せば、火属性魔法を吸収する『炎の指輪』が
ウインドンを倒せば、土属性魔法を吸収する『岩の指輪』が
アースンを倒せば、風属性魔法を吸収する『嵐の指輪』が
フレイムンを倒せば、水属性魔法を吸収する『海の指輪』が手に入る。
「まあその事を知っていれば問題ないだろ?火属性と水属性以外なら普通にダメージを与えれるし、だいたいアイスンが魔王の幹部クラスの力で、そこから徐々に強くなっていって、炎の魔人のフレイムンは魔王よりちょっと弱いぐらいの強さだな。」
「それってどれぐらい強いの?」
「どうだろ?この前戦ったダークドラゴンよりも弱いぐらいかな??」
「なら楽勝だな。アタシも新しいサブ職業のスキルを早く試してみたいぞ。」
「油断は禁物よ。もしかしたら闇の宝玉で魔神化してるかもしれないわ。もし魔人から魔神になってたら簡単に倒せないかもしれないわ。」
「そうだな。ジュリアのいう通りだ。魔神化してたらどれだけ強くなってるかわからない。マルワイドの時はレベル10でステータスが平均して800ぐらいあったからな。レベルが高くて、限界を超えてるようなら苦戦するかもしれないぞ。」
「そうですね。準備はカジノでできましたから、アイスンの洞窟でニーチェのレベルをある程度は上げておいた方がいいかもしれませんね。」
「そうだな。サブ職業はレベル1なら簡単に上がるから、少しはレベル上げしてからアイスンに挑むとするか。」
次の行先を決めたユウキ達ははじれ魔人の中で一番弱い氷の魔人アイスンを倒す為に、一番近い東の大陸にあるフレイヤの街にテレポートした。そして、そのままフライを使って東の大陸を更に東に進んだ。
すると、すぐに目当ての島が見えてきた。
「あれね。本当に小さな島にポツンと洞窟があるのね。」
「ああ。他の魔人の所もこんな感じだからすぐ見つかるだろう?」
「そうね。じゃあ早速アイスンを倒しに行きましょ。」
島に降りたユウキ達はアイスンを倒すために洞窟へと足を進めるのだった。
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