第106話 真っ白いドラゴンは・・・
黒い塔を攻略しているユウキ達が地下3階におりると、そこには真っ白いドラゴンがいた。
「やっぱりドラゴンがいたな。さしずめホワイトドラゴン、とかホーリードラゴンってとこか。って事は最上階にいるのがダークドラゴンって事だな。」
ユウキは目の前に見える真っ白いドラゴンを鑑定した。
【名前】ホーリードラゴン(性別:女)
【特徴】ダークドラゴンに捕まり求婚されている。助けてくれる勇者を信じて待つドラゴン娘。
そして、絶句した。
(求婚・・・。勇者を待つ・・・。という事はこのドラゴンが例の封印中のドラゴン娘か・・・。)
すると、追加で鑑定情報が現れた。
※正解で~す。この子ダークドラゴンに捕まっちゃたのよ。結婚したくないって言ってるのに無理やり連れてくるなんて最低よね。という事でこの子助けてあげてね。よくあるでしょ。最上階のボスを倒せば封印が解けて、お姫様が解放されるアレよ。
「なっ!?」
「どうしたの?ユウキ。」
ユウキは鑑定した内容をジュリア達に伝えた。
「あのドラゴンが今度仲間になるドラゴンなのね。」
「マスターよ。早く助けてやろう。むりやり求婚されてるなんてかわいそうじゃないか。」
そういって、ニーチェはホーリードラゴンに近づく。
すると・・・。
ドラゴンに近づこうとすると、見えない壁でもあるのか、一定の場所から先に進めなくなっていた。
「どういう事だ?これ以上前に進めない。」
ニーチェは必至に前に進もうとするが、やはり、見えない壁があるのか前に進めなかった。そして、その壁をドンドン叩くが、壊れそうになかった。
壁をドンドン叩いていると、ホーリードラゴンはユウキ達に気づいて近寄ってきた。
壁一枚隔てて、ユウキ達とホーリードラゴンは対峙する。
「ホーリードラゴン・・・でいいのかな?お前の事はわかってる。ここから出してやるからもう少しだけ待ってろよ。」
ユウキがホーリードラゴンに声を掛けると、ホーリードラゴンは「キュー。」と泣きながら首を上下に振った。
(ドラゴン娘っていうからには人化するのかと思ったけど、しないんだな・・・。封印されてて使えないとかか?それとも元々人型にはならないのか・・・。まあその辺はダークドラゴンを倒してみてからだな。)
ホーリードラゴンはダークドラゴンに捕まっていただけだったので、戦闘にはならなかった。
ユウキ達はホーリードラゴンを助ける為に、地下3階から最上階を目指し黒の塔の登って行った。
(きっとダークドラゴンを倒すと、あの見えない壁みたいなのが消えるんだろうな。だけど、あの見えない壁、俺達が色々やっても消えないってけっこう高度な魔法かなんか使ってるよな?もしかしてダークドラゴンってけっこう強いのか・・・)
ユウキ達はホーリードラゴンの周りにあった見えない壁をどうにか消せないか、剣で切りかかったり、魔法を使ったりしたが、見えない壁を壊す事は出来なかった。
そして、そんな高度な魔法をホーリードラゴンのいる場所に使ったダークドラゴンは今までの敵とは違い、強敵なのかもしれないとユウキ達は気を引き締めた。
「ユウキ?最短距離で最上階に向かうの?多分、ここも最上階は10階だと思うけど。」
「いや。各階を探索して上がっていこう。ダークドラゴンは俺も知らない未知の敵だ。1階ずつ探索しながら攻略することで、レベルも多少は上がるだろう。それに、もしかしたらダークドラゴンに有効なアイテムとかがあるかもしれない。」
「アイテムですか?」
「ああ。例えば、ダークドラゴンも同じように攻撃を遮断する障壁を張っていてそれを解除できるアイテムがどこかに隠されている。とか。」
「ユウキ様?そんな事あるんですか?」
「可能性の話さ。」
(なんせ地下を探索してる時に光の玉なんていうのも出てきたんだ。可能性はあるだろう。もしキーアイテムがあるのに、取らずにボスに挑んだら全滅確定だもんな。ゲームならセーブした所からやりなおせるからいいけど、ここじゃ全滅して、ハイ終わり。だからな。小さな可能性も考えて行動していかないとな。)
ユウキ達は1階から順番に隅々まで探索しながら、先に進む事にした。地下とは違い、棟の内部はかなり広かった。外から見える以上に・・・。
宿泊アイテムの最上級のコテージを持っていたので、ユウキ達は塔の中で寝泊まりしながら先に先にと進んでいく。
だいたい1階部分を全て探索するのに、半日程かかった。道中での魔物は地下攻略時のように光魔法を中心に使っていけば苦戦はしなかった。そして、一つのフロアでだいたい宝箱が7つ程みつかった。
5階までのアイテムは特にキーアイテムというモノはなかった。いわゆる回復アイテムだったり、強化系のアイテム、それに剣や盾といった装備品が主だった。さらに何に使うのかわからないが、金色の小さなメダルがよく出てきた。宝箱の中の半分は小さなメダルだった。
黒い塔に挑む前に回復アイテムは十分にそろえていたので、ユウキ達には特に必要のないアイテムだった。武器も同様で今手持ちで持ってる武器の方が性能がよかったので、袋に全て収納していた。
順調に塔の攻略は進み、7階に上がった時にいつもとは違う事が起こった。
宝箱を見つけたが、その宝箱は宙に浮いていたのだった。
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