第34話 ドラゴンスレイヤー再来(2)
~涼真side~
相手の侵略が開始されて約5時間が過ぎたころ、いつものように相手が一斉に「占領」を仕掛けてきた。これを見計らって数分後、風馬くんへ指示を送りこちらも相手の要塞目掛けて一斉攻撃を仕掛けた。
風馬くんと獣人たちが先頭に立ってどんどんと相手モンスターを蹴散らしていく。
私も自分の派遣したモンスターの部隊リーダーと視野を共有して状況を観察している。
「いつ見ても凄まじい実力だなぁ。」
風馬くんとナビルの実力が突出している。
相手は自分自身が戦闘中のこともあり、こちらへの対応が遅れ要るようだった。
あっという間に相手の要塞に待機していた500体ものモンスターを殲滅してしまった。
「占領」が成功し相手の要塞が消えた。
時間を空けずに隣接する領地を「占領」して、相手の退路を塞ぐことに成功した。
◯ 深緑の妖精の領地
△ 深緑の妖精の領地(保護期間中)
▶︎ ドラゴンスレイヤーの領地(保護期間中)
◆ ドラゴンスレイヤーの領地(保護切れ)
◎ ドラゴンスレイヤーの要塞
空白 高lv土地
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◯ ▶︎▶︎ ▶︎◆ ◆◆ ◆
◯◯▶︎ ▶︎▶︎ ◆◎◆ ◆
◯ ▶︎ ▶︎ ▶︎◆◆ ◆◆◆
◯ ◯◯ ◯ ◯◯◯
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↓ ↓ ↓ ↓ ↓
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◯ ▶︎▶︎ ▶︎◆△◆◆ ◆
◯◯▶︎ ▶︎▶︎ ◆△◆ ◆
◯ ▶︎ ▶︎ ▶︎◆△ ◆◆◆
◯ ◯◯ ◯ ◯◯◯
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相手も退路が塞がれたことを気づきこちらに向かって全員で向かってきているが、既に陸の孤島だ。
後は全勢力を使ってドラゴンスレイヤーを壊滅させるだけである。
こちらは、風馬くんをはじめ、獣人3人、ミレーネの主力部隊を出撃させている。
ここで徹底的に叩くつもりだ。
~風馬side~
昨晩、涼真さんから本日ドラゴンスレイヤーを潰す為に全戦力を東側防衛に充てたいとの相談を受けた。
大まかな方針を聞いて、問題ないと判断し合意した。
その結果がこれだ。
はじめに敵の要塞を潰し転移できないようにして退路を断つことに成功した。
後は1人ずつ確実に敵を葬っていくつもりだ。
「まず、俺とナビルが別々のプレイヤーを攻撃する。敵プレイヤーは5人なので、3人と2人分かれるはずだ。プレイヤーが少ない方に待機しているミレーネ、ジェイド、サミュエルの3人が突入して敵を徹底的に倒してくれ。
仮に、4人と1人などにプレイヤーが偏ったら、1人の方へミレーネたち3人が突撃、撃破後に4人の方へ合流する流れだ。
更に万が一、1箇所を捨てて、5人と0人となる場合は・・・・総力戦となるので5人の方へありったけの最大戦力を投入することにしよう。その際は、ねーちゃんにも参加して貰って万全の布陣で行くぞ。」
「了解だ。フーマはどいつにいく?俺はあいつがいいんだが?」
俺が指示を出すと、ナビルが強そうな相手を指して答えた。
「ナビルの相手はそいつで構わん、俺はあっちへ行く。」
「なあフーマ、1人であいつらを倒してもいいんだろ?」
「出来るなら1人で倒しても構わんが、無理はするなよ。」
俺とナビルのやり取りが続き、ミレーネたちも了解してくれたので作戦に移った。
敵さんは、当初の想定通りに3人と2人に分かれて対応してきて、当たりを引いたのは俺だった。俺の方に1人だけ援軍が来たので、予定通りミレーネたち3人がこっちに突入してきた。
「俺とミレーネがこいつ担当で、ジェイドとサミュエルはあいつ担当だ。ここで仕留めろ。」
俺がみんなに指示を出し、敵を追い詰めていく。
~健太side~
俺たちはまんまと敵の罠にハマってしまったようだ。
要塞があった場所へ戻ったがすでに破壊されており、退路が断たれてしまっている。
1つの領地へ5人で全集中して攻撃を仕掛けて活路を見出すべきか……。
考える間もなく、敵が2箇所「占領」を仕掛けてくる。
そこを取られると迂回するのが大変になるので、2人と3人に分かれて防御にまわった。1人で対処できるかと思ったが、敵がE級モンスターを多数連れており全員で対処にまわった。
俺、裕介、淳史で守っていた方にはやたら強い獣人がおり、直人に援軍要請をしたら、あっちの方はモンスターの大群に襲われているようだった。
早くこの獣人を倒してあっちの援軍へ向かうべく動く。
「俺は正面、裕介、淳史は側面から三方から挟んであいつを倒すぞ。直人たちがモンスターの大群に襲われているらしい、こっちをさっさと片付けてあっちへ向かわないと取り返しが付かなくなるぞ。」
「分かった、いくよファイアアロー。」
3人で1人の獣人を責め立てる・・・・が倒しきれない。
というか、逆にこちらが押されている・・・。
俺と裕介が2人がかりで連続攻撃を繰り出すも、獣人はひらりと躱し反撃をしてくる。その獣人の攻撃を受け止めることができずに食らってしまうが、2人がなんとかフォローして獣人を追い返す。
一旦、敵との距離を取って体制を整えるがこれではジリ貧だ。
そんな矢先、直人から浩二がやられたとの連絡が入り、直ぐにでも援軍に来てほしいとの事だった。
「どうする俺・・・・ダメだ最悪のシナリオしか思い浮かばない。逃げるか、どうする?」
「俺がどうにかこいつを引き留めるからお前えらは、退路を確保しに行け。」
俺が迷っていると裕介から悲痛な叫びが聞こえる。少し俺が判断を迷っていると、再度裕介から怒鳴り声が飛んだ。
「いいから行け!!」
その言葉に押されて、俺と淳史は外へ飛び出し、直人の元へは行かず(行けず)に、手薄となっている敵の領地を「占領」しに向かった。
~涼真side~
風馬くんたちが2人、ナビルが1人のプレイヤーを倒したが、2人に上手く逃げられてしまった。ナビルが熱くなって1人を処分している間に2人が逃げ出していた。ナビルが「すまねぇ。」と言っていたが、まだまだ挽回できる範囲内だ。
「風馬くん相手が5人から2人へ減りました。今が攻め時です。今後またちょっかいを出されないために追って行こうと思いますが、どう思いますか?」
「俺も今が攻め時と思いますので、追っていきましょう。」
そう言って、僕達はドラゴンスレイヤーが逃亡した、磯原市内(華川町の東側)へ向けて進軍していった。なお、風馬くんたちの体力を温存するために余計な領地を僕が主体で「占領」していった。
たまに相手モンスターが足止めに「待機」しているが、その場合は風馬くんのモンスターが援軍にやって順調に進行していく。
数時間後、夜になったが進行の手を止めずにドラゴンスレイヤーたちの領地だけをどんどん「占領」して行く。
「長期戦になりそうだから、風馬くんたちは一旦休んで置いて下さい。夜中にまた呼びます。」
「了解です。ナビルたちも一旦拠点へ戻れ、ミリーナも俺と一緒に帰るぞ。」
「そうだ、体力が満タンのD級モンスター4部隊を貸して下さい。」
「いいですよ。後で入れ替わりでここへ来るように手配しておきます。涼真さんも無理はしないで下さいね。」
僕と風馬くんとで今後の話を簡単に詰め、彼等は一旦拠点へ戻った。
それから更に数時間経ち夜中の2時頃になった。結構東まで進んで市街地付近までやってきていた。やっとドラゴンスレイヤーの健太と淳史の拠点近くまで進軍した。
「涼真さんお疲れ様です。やっとここまで来ましたね。後は俺たちが頑張りますんで休んでて下さい。」
「助かるよ。主拠点を取ればそれで終了だから最後の詰めだね。」
〜健太side〜
どうにか華川の山中から抜け出せたが、こちらは3人失い俺と淳史の2人となってしまった。淳史が親友の浩二と裕介を亡くしたことでリーダーの俺にあたってきている。俺も直人まで亡くしてしまって、雰囲気は最悪だ……。
「お前があんな広大な土地を狙って侵略さえしなければ、今頃市街地で手頃なプレイヤーを狩って悠々自適だったのに……お前のせいだ!」
「俺だって直人も殺られちまって……こんな状況になるなんて思いもよらなかったんだよ。」
「あんなに領地を確保しているくらいだから相当ヤバい奴だって想像出来ただろう・・・・。」
「俺だけのせいだっていうのか!? だから、攻めるかどうかみんなに相談して、全員で決めたんだろ。」
俺と淳史で口論にまでなってしまっている。こんな状況の中でも敵も待ってはくれなかった。
俺たちの領地をどんどんと「占領」して、こっちの主拠点へ迫ってくる。
配下モンスターを「待機」させて足止めも図るがほとんど意味をなさなかった。
とうとう、俺の拠点まで敵が侵入してきたのだった。
俺の今の状況はこのとおりだ。
名前 渡辺 健太
レベル 4
クラス なし
ステータスポイント 0
能力値
力 D (20)
魔力 F (0)
配下 E (5)
創造 F (0)
【配下管理】
E級モンスター 834体
F級モンスター 2,585体
「ここから逃げ出したいが、逃げ出したところで主拠点を占領されてしまったら、俺が死んじまう……。」
ここでどうにかするしかない。
「アレに全てを賭けて……出来るだけ時間を稼がないと…。」
敵が俺の主拠点へ入ってきてとうとう戦闘がはじまるのだった。
敵の数は1,000体以上のモンスターがいる感じだ。
しかも、D級モンスターがほとんどで2割程がE級モンスターだった。
相当きつい戦いになることが予想される。
コボルト、ゴブリン、アジザルなどのF級モンスターを先頭に配置して時間稼ぎを図る。E級モンスターの精鋭は俺の近くに配置しているが、どこまで持つか・・・。
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