ポンポン
オレとリザの装備が戻ってきたことにより、これでようやく脱出計画が本格始動する。
あとはいかにして敵をオレたちに方におびき寄せるかどうかだ。
「で?どうやって敵をおびき寄せる?」
「ここにあるあれを使えば一発だよ!」
「あれ?」
リザが指さす方向に視線を移してみるが、そこにあるのはただの木箱だ。
オレはその木箱に近づいてゆっくりと持ち上げてみる。
「なあ、リザこれには何が入っているんだ?」
木箱に持ちつつリザの方に向き直ってみるとリザは自慢の剣を盾のように構えていた。
「……なぜ?」
「だってそこに入っているのは危険物だから!」
「危険物?」
危険物?この木箱が?
オレは多少ビビりながら木箱をゆっくりと地面に置いた。
そしてゆっくりとふたを開けてみる。
「これは?」
そこに入っているのは麻布に包まれた何かだった。
試しに手の上でポンポンしてみるとリザが悲鳴のような声を上げる。
「ちょっと!ちょっと何してるの?」
「何って?ポンポン?」
「そんな可愛らしい擬音で答えられても」
何をそんなに焦っているんだ?
感触からすると中に入っているのは砂みたいなものだな。
再度ポンポンするとリザはまたしても甲高い声を上げた。
「それ爆弾よ!!」
「……えっ!」
リザの甲高い声に驚いたのか?
それとも麻袋の中身を知って動揺したのかわからないが、オレはポンポンしていた爆弾をうまく掌でキャッチできずに地面に落としてしまった。
そして部屋一帯に轟音が鳴り響いた。
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