第23話
「え?勇者パーティー……?」
「勇者?なんじゃ?そいつ」
僕の言葉。
それに対する二人の反応はかなり悪かった。
「え?知らない……?結構話題になったと思うんだけど。宗教の連中による予言?みたいなのに『いずれ世界に来たる脅威と相対せし勇者が現れん』みたいなのがあって、そして見つかったのが今、世界中で話題になっている勇者くんなんだけど……」
「ふむ……名前は知っておるのぅ。じゃが、それだけじゃな」
「私もあんまり詳しくはないかなぁ……」
二人はかなり勇者に対して興味がないようだった。
「いずれ来るって話だって……もしかして世界の危機って、このお話ってことじゃ……」
だからこそ、話に食いついてくれそうな言葉を投げかける。
「ふぅむ」
僕の言葉に対してリーゼさんが思考を張り巡らせる。
「んー。その可能性はあるだろうな……宗教がミリーナの一族について気づいていても何も不思議ではないだろう。なんて言ったて世界を見下ろす太陽の如き存在だろう」
教皇は太陽、皇帝は月。
かつての世界のインノケンティウス三世の言葉であるが、その言葉に間違いなはなく、この世界でも変わらず教皇は太陽の如き圧倒的な権威を保持している。
「じゃが、世界の敵なりうるで考えるのであれば妾らが負けることが確定するので信じたくはない話ではあるのじゃが」
「……たしかにそうだね」
僕はリーゼさんの言葉に頷く。
「でも、勇者パーティーに最高峰の人工生物がいるんでしょ?とりあえずは接触するとこから始めないと!」
「うん。そうだね」
僕はミリーナさんの言葉に頷く。
結局のところ、実際に接触する他ない。
「まずは勇者がどこに居るのか……じゃな。宗教の総本山たる神国に行くのはかなり厳しいと言わざるを得ないのじゃが」
リーゼさんは忌々しそうに言葉を漏らす。
アルビノであれば神国には近寄り難いだろう。
「あっ。ここらへんの近く……いや、ちょっとだけ遠いんだけど、勇者来るよ」
「「え?」」
僕の言葉にミリーナさんとリーゼさんが固まった。
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