第17話

 轟く銃声と爆音。

 一般市民の手に握られている火縄銃より銃声が鳴り響き、地中に埋められた地雷のような役割を果たす魔道具が爆発する。


「クソッ!壊される!?」


「いたいッ!!!痛いッ!?助k」


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああ!!!」


「腸が!腸がッ!俺の腸がこぼれ落ちて……ぐふっ。拾!?拾って……」


「悲しげな。あまりにも悲痛すぎる悲鳴だけがこの場に残り続ける。


 数々の魔法によって城壁は傷つき、大きく崩れていく。


「未だ流れ込めッ!背教者には死をッ!」


「イケイケッ!!!」

 

 一部が崩れた城壁。

 人が入れる大きさにまでなった穴から人が出てきて……それを槍を持った兵士たちが殺していく。


「止まるなッ!止まるなァ!!!壊せェ!!!」

 

 一度空いた穴はどんどん大きくなっていき……とうとう兵士たちでは抑えきれないまでの人が流れ込んでくる。


「行けぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 そこからはただの虐殺だった。

 


「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああ!」


「ひひひ……いい女がいるじゃねぇか」


「い、いやぁァァァァァァ!!!助けッ!助けて!」


「ァ?子供も居るのか。死ね」


「クソっ!クソぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお!!!」


「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」


 彼ら、彼女らは多くのものを用意していた。

 だが……絶望的なまでに数が足らなかった。どうしようもないまでに数が足らなかったのである。

 火縄銃も接近されたら何も出来ない。ただの無用の長物だ。

 多くの兵士たちに蹂躙され、男も子供も殺され、女は犯される。

 誰も生かすつもりなどなかった。


「我が祖国のためにぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

 誰かが叫び、手に持っていた毒ガスを撒き散らし始める。

 密かにアルビノの手によって作られていた毒ガスが敵も味方も等しく殺していく。

 そこにあるのは平等なまでの死である。


「さて、と」

 

 本格的に始まった戦乱。

 そこで僕は暗躍するため、ガスマスクとローブについているフードを被ってから行動を開始した。

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