第12話

「ふんふんふーん」

  

 僕は鼻歌を歌いながら、ソファの上で暖炉の炎をぼーっと眺める。

 特にやることもないため、ただただ意味もなく鼻歌を歌ってぼーっとしている。

 今、マキナは当主になる上での色々な事務作業の引き継ぎなどを行っているため、僕は今、一人である。


「アルッ!」

 

 一人の時間を謳歌していた僕のところへとマキナが突撃してくる。


「あれ?仕事は?……え?なにそれ」

  

 部屋へと戻ってきたマキナ。

 その両手には一杯に書類が持たれていた。


「いや、お仕事は私じゃなくてアルがすべきだと思って、全部持ってきたよ」


「なんで?」

 

 マキナの言葉に対して僕は素直な感想を漏らす。

 なんで僕がマキナのお仕事をやるの……?なんでただの一人の人間に任せているの?これは任せるやつじゃないよね?


「いや、私=アルと言っても過言じゃないから。任せるのは当然でしょ?」


「……?」

 

 僕はマキナの言葉に納得できない想いを抱えながらも納得し、僕はマキナのお仕事に取りかかり始めた。

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