チート薬学4巻発売中!第954話 創造神vs魔神!お互い一歩も引かぬ戦い!

創造神は、周りを警戒することなく、奥に突き進んで行く。すると、2体の道化師が行く手を阻むように待ち構えていた。


「なんじゃ?ワシを止めようと考えておるのかのぅ?」


道化師は、創造神を殺そうと構えているが、創造神の川を流れるような動きに、目の前に来ても反応出来ずに、そのまま神力を浴びせられ消滅した。


「創造神を舐めすぎじゃわい。このような出来損ないに、ワシの相手をさせるとはのぅ」


下界に下りて弱体化されているにも関わらず、創造神は圧倒的な強さで消し去った。


「この奥から嫌な匂いがプンプンするわい。神力を纏わんと飲み込まれそうじゃ」


匂いというよりもオーラのようなものを感じ取っているのだが、わざと臭いとアピールするように鼻を摘む。そして、創造神は体に神力を纏わせて先に進んだ。


「お待ちしておりましたよぉ。私の予想通り一人で来られましたかぁ。それに、下界へ来ても尚、その力は圧倒的ですねぇ。では、ここまで来られた褒美として私達がお相手を致しましょう」


総助は、手を叩いて創造神の強さを褒めたあと、禍々しいオーラを放つ歪な剣を取り出して構えた。


「褒美じゃと?過去ヴァンドームに滅ぼされかけた魔神は口が良く回るようじゃわい。ほっほぉっほぉっ、やはりヴァンドームの名が一番心に来るのじゃな」


総助は、無表情を貫いてはいるが、溢れ出す黒いモヤは数倍に膨れ上がって怒りを隠せずにいた。


「おい!クソじじい!クソ野郎の名前を口にしやがって、今すぐ息の根を止めてやらぁ」


「弦馬!挑発に乗るな!あいつの思う壺だ」


弦馬は、地下深くに掘った施設が揺れる程の黒いモヤを出して創造神に襲い掛かろうとしたが、総助が止めに入った。


「なんじゃ?来んのか?それよりも、いつもの人を蔑むような口調はどうしたんじゃ?本性が出ておるぞい」


創造神は、止まることなく、更に総助のことまで煽りだした。


「そんな煽らないで頂きたいですねぇ。では、弦馬も落ち着いたようなので、お望み通りお相手致しましょう。弦馬、初手は譲りますよ」


「そうかよ!なら、創造神がどれほどか、お手並み拝見させてもらうぞ」


弦馬は、待ってましたと言わんばかりに、溢れ出た黒いモヤを手の平に集めると、逃げ場を無くす程の黒いモヤを手の平から打ち出して、創造神目が掛けて放つ。


「こりゃ、少々骨が折れるわい。相当量の神力で体を覆っておるが、常時蝕んでくるのぅ。おっと、油断も隙もないやつらじゃな」


「この状況で、あっさり受け止めるとは流石ですねぇ。では、この速さはどうですかぁ?」


顎に手をおいて、この状況をどうしたものかと考えていた創造神の死角をついて後ろから総助が歪な剣で斬り掛かってきた。しかし、金色に光った杖で、あっさりと受け止めると、総助は褒めた言葉を言いながら、見えない速度の剣速で、創造神に斬りかかる。


「ほぉ〜、中々の速さじゃのぅ。それに、その剣はおっかないわい」


「下界に下りて来ても、それ程までに動けるとは、本当に面倒な方です。それに、神具を使い捨てのように扱われているとはいやはや......」


総助の剣は、神具の杖の力を吸い取り、あっさりと折るのだが、創造神は無限に神具を取っ替え引っ替えするように手元に出すので、総助は決定打を与えられない。


「ワシを誰だと思っておるんじゃ!お主らが次にすることなど見え見えじゃわい。今も、ワシをあの場に追い込もうとしておるのぅ」


「未来を見る力ですかぁ。フフッ、確かに、あそこに罠を張りましたが貴方用ではありません。では、未来予知が出来ないようにしましょう」


創造神は、未来予知の力で、余裕綽々の表情をしていたが、それすらも総助は対策をしていたようで、次のフェイズへと移行した。


「な、どういうことじゃ?くっ、お主もか......ぐはぁ」


創造神は、一つの決まった未来だけではなく、いくつもの未来が一度に見えた。更に、弦馬を見ても、総助と同じようにいくつもの未来が見えて、総助の攻撃に対応出来ずに斬られてしまった。


「流石の創造神も、いくつもの思考にはついて来られないようですねぇ。しかし、この剣がここまで喜ぶ姿は久しぶりですよ。更に力を吸えば、どのような変化が待っているのか」


「体に傷を負ったのは、久しぶりじゃわい。何故、いくつもの未来が見えるかわからんが、創造神を舐めるでないぞい」


創造神の神力を吸った歪な剣は、ウネウネと動き出して更に歪な形となり剣先が鋭く尖る。そして、創造神は傷付いた体を神力で治癒して目を閉じ何かを唱えだすのだった。

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