第927話 ローブの男が仲間に......!?救いに来た仲間達!
デストロイは、地面に転がるローブの男の首に近付いた。
「本当に、おもしろいお方です。その力と同族を見殺したのは予想外でした。流石の私も、首を斬り落とされれば、どうしようもない。最後に、聞いてもいいですか?」
ローブの男は、全てを出し尽くしたような穏やかな顔をしていた。
「おもしれぇことを教えてやる。もし、この力を媒介にしやがっても、永遠に繰り返されたがな!最後?なんだ?」
デストロイは、スキルではないが、生まれ持った超再生の力で、薬の副作用を受けても、すぐに再生して薬を連続で飲めるという無限ループが出来るのだ。
「フフフフフ、初めから同族を見殺した時点で私の負けでしたか。最後に聞きたいのは、何故急に人間の生命力が媒介出来なくなったのか......」
ローブの男は、この地下の色々な場所に人間を収容していた。そして、生命力はまだまだ吸い出せると確証していたのだが、急に媒介する生命力がなくなり、原因が分からずにいた。
「俺の力が、全部消え失せたのが理由だな。お前が、欲望のまま進んだ結果、俺の仲間を呼び寄せたのが敗因だ」
「フ......フハハハ!策士策に溺れ......いや、私が欲に溺れたのが原因か。貴方が、それだけ魅力的だったのです。フフフフフ、そしてこれから貴方に殺される......本望ですね」
ローブの男は、先程までのような含み笑いではなく、口を大きく開けて爆笑する。
「最後まで気持ちわりぃやつだな。だが、おもしれぇやつに変わりねぇし、一つ提案があるんだが聞くか?」
「なんです?もしや、私に生きる機会を与えてくれるのですか?そんな甘い事を言っていれば、また私は人間で遊んでしまうかもしれませんねぇ」
ローブの男は、初めてデストロイに向けてニヤリと笑ってからかうような顔をした。
「人間と遊ぶより、いや俺と遊ぶより、もっとおもしれぇやつがいるぞ!二人組らしいんだがよ。俺とタメを張れるくれぇつぇ〜仲間を赤子の手をひねるように、あしらったらしいんだ。興味湧かねぇか?」
「そういうことですか。私に、倒させようという魂胆ですねぇ。その手に乗る訳がない」
「俺の性格分かってるよな!?強者と戦うことが生き甲斐だ。俺は、優しさでおもしれぇ情報を与えてやっただけだ。じゃあ、死ぬか?」
昔のデストロイであれば、総助と弦馬との戦いを他人に譲ることはなかったが、あまりにも被害が甚大になっているので、昔と考え方が少し変わったデストロイは、総助と弦馬にダメージを与えられたらいいと考えた。
「冗談じゃないですかぁ〜是非やらせて頂きましょう。ですが、私は人を媒介にしなければ本領を発揮できません。それでも、いいのですか?」
ローブの男は、初めて子供のような顔をして笑った。そして、内心はどう思っているかは分からないが、前向きな答えを出した。
「そうだな。どうなるかわかんねぇが、なんとかなるんじゃねぇか?まぁ、こんなとこでうだうだ言っても仕方ねぇ。胴体と首は持ってやるから死なねぇようにしろ」
デストロイは、右手に首を持って、左に胴体を持って歩き出した。
「考えなしですか......本当に脳筋なお方だ。フフフフフ、暫くは貴方の言う通りに致しましょうか」
ローブの男は、首と胴体が切れた情けない状態とは真逆の少しキメ顔でセリフを吐くのだった。
◆
ヲルガンとドミニクが合流すると、デストロイで感じた強者の香りのする者が檻を壊して人々を救っていた。
「ちょ、待ってくれ!敵じゃない!俺達は、デス兄貴から人々を逃がすように言われたんだ。同じ匂いがするから、予想するがお前も仲間だろ?」
ヲルガンとドミニクは、両手上げて敵意がないことを示した。そして、デストロイと長くいたことと、地獄の力と神力に当てられた二人は似た力を放っている目の前の人物をデストロイの仲間だと認識した。
「デス兄貴?デストロイのことか!てことは、無事生きてるみたいだな!だが、ちょっと待ってろ!邪魔者を排除してからだ」
ノックスは、大剣を抜き大剣に神力を纏わせて、襲って来たレイスをズバズバ斬り倒して、最後の一体は胴体をグサリと突き刺して消し去ったのだった。
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